ESRIジャパンでは、統計・推計、地形などの多種多様なデータを収録している GIS データ製品「ESRIジャパン データ コンテンツ」を提供しています。本ブログ記事では、2025 年内にリリースを予定している製品および更新概要について紹介いたします。
目次
ESRIジャパン データ コンテンツ 2026 リリース情報
2025 年 11 月、12 月に ESRI ジャパンデータ コンテンツ 4 製品をリリース予定です。ArcGIS Stat Suite 3 製品は、「町丁・字等版」、「メッシュ版」を販売予定です。
2025 年 11月 28 日 (金)
- ArcGIS Stat Suite 推計消費額 2026
- ArcGIS Stat Suite 推計貯蓄別世帯数 2026
- ArcGIS Stat Suite 推計要介護認定者数 2026
2025 年 12 月初旬予定
- ArcGIS Geo Suite 地形 2026
各製品の概要および更新概要について
ArcGIS Geo Suite 地形
概要
ArcGIS Geo Suite 地形は、国土地理院が提供する最新の基盤地図情報や数値地図を、すぐに GIS で使える形式に整備した標高データベースです。地形解析の基本となる数値標高モデル (DEM) 、陰影起伏、等高線を収録しているほか、日本近海における海底地形データも併せて収録しております。

ArcGIS Geo Suite 地形 2026 製品画像
更新情報
ArcGIS Geo Suite 地形 2026 では、2025 年 8 月に公開された数値標高モデル (DEM) を採用し、測地成果 2024 の標高データになり DEM 5m の整備範囲が大きく拡大します。ArcGIS Geo Suite 地形 2022 と 2026 の 5 m メッシュ数値標高モデル(航空レーザ測量、DEM 5A)の整備範囲を比較すると、日本各地で拡大されていることがわかります(地図上青が地形 2026 DEM 5A の拡大範囲)。
DEM5A の整備範囲 (オレンジ:2022 版、青:2026 版)
さらに海底地形データは GEBCO 2024 Grid を使用し、日本の排他的経済水域を網羅できるように収録範囲を拡大しました。
海底地形の収録範囲 (左:2022 版、右:2026 版)
前バージョン ArcGIS Geo Suite 地形 2022 から更新したデータソースは以下の通りです。
- 等高線データ
- 国土交通省 国土地理院 数値地図 (国土基本情報) 2021 年 → 2025 年 4 月
- 標高データ
- 国土交通省 国土地理院 基盤地図情報 (数値標高モデル) 2021 年 → 2025 年 8 月
- 海底地形データ
- GEBCO 2020 Grid → GEBCO 2024 Grid
※ArcGIS Geo Suite 地形には数値標高モデル(DEM)のうち、10m メッシュ精度と 5m メッシュ精度のデータが含まれています。1m メッシュ精度のデータを希望される方は GIS データストアの問い合わせよりご相談ください。
ArcGIS Stat Suite 推計貯蓄別世帯数
概要
ArcGIS Stat Suite 推計貯蓄別世帯数は、「総務省統計局 家計調査 貯蓄・負債編」や「総務省統計局 住宅・土地統計調査」、「総務省統計局 国勢調査」をもとに推計した、貯蓄階級別の世帯数、総貯蓄額、1 世帯あたりの貯蓄額を収録したデータです。各地域の貯蓄傾向を可視化でき、店舗開発などのマーケティングや地域分析にご活用いただけます。
1 世帯あたりの貯蓄額 (万円) (左:町丁・字等別、右:4 次メッシュ別)
更新情報
ArcGIS Stat Suite 推計貯蓄別世帯数 2026 では、データソースである 「総務省統計局 家計調査 貯蓄・負債編」を 2023 年時点から 2024 年時点に更新しました。総務省統計局が発表している家計調査年報(貯蓄・負債編)2024年(令和6年)貯蓄・負債の概要によると、2024 年の 1 世帯あたりの貯蓄平均額および貯蓄保有世帯の中央値は、前年(2023 年)と比べて増加しました。ArcGIS Stat Suite 推計貯蓄別世帯数の 2026 版、2025 版を使って、1 世帯あたりの貯蓄額を可視化したところ、全国的な増加傾向が反映され、小地域ごとの貯蓄額にも上昇が見られました。
1 世帯あたりの貯蓄額 (万円) 小地域 (左:2025 版、右:2026 版)
本製品をご利用いただくことで、地域ごとの推計貯蓄データを可視化できるほか、複数年のデータを活用することで、貯蓄傾向を時系列で分析できます。
すでに「ArcGIS Stat Suite 推計貯蓄別世帯数」をお持ちのお客様は、同じ境界区分(町丁・字等版またはメッシュ版)、同地方区分、同端末数で最新版をご購入いただく場合、3 割引価格で提供いたします。 「ArcGIS Stat Suite 推計消費額」「ArcGIS Stat Suite 推計要介護認定者数」についても、同様の割引が適用可能です。ぜひこの機会に最新版のご購入をご検討ください。
ArcGIS Stat Suite 推計消費額
概要
ArcGIS Stat Suite 推計消費額は、「総務省統計局 家計調査 家計収支編」、「総務省統計局 統計でみる市区町村のすがた」、「総務省統計局 国勢調査」をもとに推計した、食料品や教育、交通など約 600 品目の消費額を収録したデータです。各地域の消費特性を可視化できるため、店舗戦略などのマーケティング業務や地域分析にご活用いただけます。

年間あたりの食料品合計消費額 (左:町丁・字等別、右:4 次メッシュ別)
更新情報
今回のリリースでは、データソースである「総務省統計局 家計調査 家計収支編」を 2023 年時点から 2024 年時点に、「総務省統計局 統計で見る市区町村のすがた」を 2024 年時点から 2025 年時点の指標にそれぞれ更新しました。
総務省統計局が発表している家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)結果の概要では、流通不足への懸念や防災意識の高まりから、米の消費額が増加したと報告されています。 実際に本製品の 2026 版、2025 版を使って、米の消費額を ArcGIS 上に可視化して比較したところ、年報での消費額の増加傾向が反映されて、小地域でも消費額の上昇が見られました。
年間あたりの米の消費額 (左:2025 版、右:2026 版)
ArcGIS Stat Suite 推計要介護認定者数
概要
ArcGIS Stat Suite 推計要介護認定者数は、「厚生労働省 介護保険事業状況報告」、「総務省統計局 国勢調査」をもとに推計した要介護認定者数、介護サービスの総額データを収録しています。各地域の要介護認定者数や介護サービスに使用している金額を可視化することができます。
要介護・要支援認定者総数 (左:町丁・字等別、右:4 次メッシュ別)
更新情報
ArcGIS Stat Suite 推計要介護認定者数 2026 では、「厚生労働省 介護保険事業状況報告」を 2022 年から 2023 年へ更新しました。
おわりに
本ブログ記事では、ArcGIS Geo Suite 地形、ArcGIS Stat Suite 推計貯蓄別世帯数、ArcGIS Stat Suite 推計消費額、ArcGIS Stat Suite 推計要介護認定者数の概要および更新概要についてご紹介しました。 各製品の詳細についてさらに知りたい方は、ESRIジャパン データコンテンツ をご覧ください。
