さつまいもの統計データを地図で見てみよう (1/3) ~国内で生産が盛んな場所はどこ?~

はじめに

みなさん、さつまいもはお好きでしょうか。近年、焼き芋専門店が急増して話題になるなど、さつまいもが注目されているように感じます。筆者もさつまいもが大好きです。そこで、統計情報を GIS で視覚的に可視化する例として、さつまいもの生産量等、さつまいもに関するデータをご紹介します。様々な統計データをまとめて共有するのに、ArcGIS Online の Web アプリケーションがとても便利だったので、こちらを使用します。

さつまいもがお好きな方や、ArcGIS Online の Web アプリケーションを使ってみたい方、もちろんそうでない方もぜひ、3 回にわたってお付き合いいただけると嬉しいです。

なお、統計データではさつまいもを「かんしょ (甘薯)」と表記する場合が多いため、以下、さつまいもを「かんしょ」と表記します。

かんしょの生産が盛んなのは何県?

まずは、国内のかんしょ生産の概要を見てみましょう。
こちらの「全国のかんしょ生産量と都道府県面積に占めるかんしょ作付面積の割合」をご覧ください。


オレンジの円が大きいほど「かんしょ生産量」が多く、都道府県の塗りつぶしの色が濃いほど「都道府県面積に占めるかんしょ作付面積の割合」が高いことを示しています。

まず、生産量を見てみると、鹿児島県が一番多く、次に茨城県、千葉県と続いています。かんしょは寒さが苦手なので、北海道や東北地方のかんしょ生産量は少なくなっています。日本いも類研究会によると、かんしょの栽培について「一般には、最高温月の平均気温が 22 ℃以上、あるいは年平均気温 10 ℃以上のところで、生育期間の積算温度が 3000 ℃以上が適地といわれて」おり、「経済栽培可能なのは東北の福島、宮城、北陸の新潟以南、長野県、群馬県の標高 700m 以下の地域」だそうです。

次に、都道府県面積に占めるかんしょ作付面積の割合を見てみると、やはり鹿児島県、茨城県、千葉県で高くなっています。特に、鹿児島県と茨城県では、県の面積の 1 パーセント以上がかんしょ畑です。また、鳴門金時が有名な徳島県や、宮崎紅が人気の宮崎県でも、かんしょ作付面積の割合が高いようです。

以上のデータを見ると、「かんしょ生産量」、「都道府県面積に占めるかんしょ作付面積の割合」の両方で鹿児島県が日本一ということがわかります。しかし、農林水産省「令和2年度いも・でん粉に関する資料」によると、鹿児島県で生産されたかんしょの多くがでん粉用・アルコール用となるようです。生食用かんしょ・筆者の大好きな干し芋や焼き芋、大学芋といった加工食品用のかんしょの生産量全国 1 位は茨城県なので、次回は茨城県のかんしょ生産状況を見てみましょう。

シンプルな Web アプリケーションを作成してみたい方へ

本記事で使用した Web アプリケーションは、ArcGIS Instant Apps で作成しました。こちらのアプリケーションのように、スワイプ ツールを使うと、2 つのレイヤーを簡単に比較することができます。

このように、マップにプラス α の機能を付けて共有したいときには、操作とビジュアルがシンプルな ArcGIS Instant Apps が適しています (注 1)。

ArcGIS Instant Apps の詳細についてはこちら

参考資料

(注 1)
Web アプリケーションの作成には、ArcGIS Online アカウントが必要です。

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