目次
はじめに
2019 年に、Esri は次世代ストーリーテリング ツール ArcGIS StoryMaps をリリースしました。本ブログにて以前、従来のストーリー マップ (Classic) テンプレート(カスケード、ジャーナル、シリーズ、ショートリスト、スワイプ&スパイグラス、ツアー)のサポート ライフサイクル移行に関するお知らせをお伝えしましたが、本記事では、Classic テンプレートの今後の予定をお知らせします。Classic テンプレートを現在も使用している方、または Classic テンプレートで作成したストーリーを現在も使用している方は、以下の情報をご確認ください。
この 3 年半の間に、ArcGIS StoryMaps の利用は急速に拡大しています。ストーリーテリング コミュニティのメンバーは毎日数千のストーリーを作成していますが、その 95% 以上が ArcGIS StoryMaps を使用して作成されています。つまり、Classic テンプレートをすべて合わせても、作成されるストーリーは 5% 未満ということです。
現在までに、ArcGIS StoryMaps を使用して 120 万件以上のストーリーが作成されました。これは、従来のすべてのテンプレートを使用して作成されたストーリーの件数を上回り、しかも半分以下の時間で作成されたことになります。
ArcGIS StoryMaps のメリット
ArcGIS StoryMaps には、エクスプレス マップ、タイムライン、カスタム テーマ、アナリティクス、コレクション、自動保存、ドラフト モードなど、Classic テンプレートにはなかった多くの便利な機能が用意されています。Classic テンプレートで人気のあったストーリーテリングのパターンや機能が、統一されたモダンなビルダーに組み込まれ、毎月新しい機能拡張があります。
前回の移行に関するブログからわずか 15 か月で、ArcGIS StoryMaps には、取り消し/やり直し、マップ ツアーの 3D モードと番号付けオプション、画像の切り取りとマークアップ機能、テキスト編集機能の強化とショートカット、コレクションの自動再生、多くのアクセシビリティの改善 (色のコントラスト チェッカーなど) など多くの改善が加えられています。ArcGIS StoryMaps は数週間ごとに更新され、2023 年には、テーブルやテンプレートなど、ストーリーテリングをさらに充実させる、より価値の高い機能が登場します。
ArcGIS StoryMaps を使用してストーリーを伝える事例をお探しの場合は、ArcGIS StoryMaps Gallery や、Our favorite stories of 2022 を見て回ることができます (英語のみ)。
Classic テンプレートの現在のステータス
以前のお知らせにある通り、Classic テンプレートは 2021 年 9 月に既存バージョン サポートに移行し、現在も既存バージョン サポートです。既存バージョン サポートとは以下を意味します。
- 新機能や機能拡張はありません。
- 新しいオペレーティング システムや新しい Web ブラウザーのバージョンでの動作保証をしません。
- ソフトウェアの修正は、重要な問題のみに対応します。
Classic テンプレートの今後の予定
Classic テンプレートは、2023 年 10 月に既存バージョン サポートが終了し、開発終了バージョン サポートに移行する予定です。開発終了バージョン サポートに移行した製品は、積極的に使用しないことを推奨します。開発終了バージョン サポートとは以下を意味します。
- ソフトウェアの更新や修正はありません。
- 新しいオペレーティング システムや新しい Web ブラウザーのバージョンでの動作保証をしません。
2025 年 10 月以降、Classic テンプレートは廃止される可能性があります。各テンプレートの廃止の判断は、使用状況や現在の運用状況などを踏まえて、年に数回見直される予定です。
- 期待通りに動作しなくなったテンプレートは廃止されます。
- 期待通りに動作するテンプレートは、可能な限り (開発終了バージョン サポートで) 利用し続けることができます。
「廃止」とは、ArcGIS Online からテンプレートが削除されることを意味します。廃止されたテンプレートで作成されたストーリーは、今後利用できなくなります。
2019 年の ArcGIS StoryMaps のリリース以降の、Classic テンプレートのサポート ライフサイクルのタイムラインは下図にまとめられています。
※今後の予定は変更される可能性があります。
Classic Story Maps Web サイトの今後の予定
2023 年初めに、Classic Story Maps Web サイトは廃止されます。このサイトには、Classic テンプレートに関連する情報およびリソースが含まれています。Classic テンプレートのサポート ライフサイクルが進むにつれて、これらのリソースは不要になります。Classic Web サイトの廃止は、Classic テンプレートの状態や機能には影響しません。
Classic テンプレートを使用している場合の推奨事項
Classic テンプレートで作成されたストーリーの使用を控えることを強くお勧めします。Classic テンプレートで作成された既存のストーリーは、今後も動作し続ける可能性があります。しかし、Classic テンプレートが依存する Web ブラウザーやその他のテクノロジーの継続的な更新のため、Classic ストーリーの機能やパフォーマンスが低下するかどうか、またはいつ低下するかを正確に予測することはできません。問題が発生した場合、製品が既存バージョン サポートの間は重要な問題のみに対処しますが、開発終了バージョン サポートでは問題に対処するためのソフトウェア アップデートは行われません。
現在も使用されている既存の Classic ストーリーについては、ArcGIS StoryMaps で再作成することをお勧めします。ただし、場合によっては、Classic ストーリーを (ArcGIS StoryMaps ではなく) 別の ArcGIS アプリに移行することが望ましい場合もあります。たとえば、Story Map Series テンプレートを使用して作成された一部のストーリーは、ArcGIS Instant Apps のポートフォリオまたは ArcGIS Hub サイトを使用して更新する方が適している場合があります。詳細は、以前のお知らせをご参照ください。
新しいプロジェクトでは、Classic ストーリーテリングのテンプレートの使用は検討しないでください。現時点では、Classic テンプレートを使用して新しいストーリーを作成することは推奨されません。ArcGIS StoryMaps または ArcGIS Instant Apps、ArcGIS Experience Builder、ArcGIS Hub など、プロジェクトのニーズに最も適した現世代の ArcGIS 製品の使用をご検討ください。
ArcGIS Enterprise で Classic テンプレートを使用している場合
Classic テンプレートは ArcGIS Enterprise 10.9.1 でサポートが終了し、ArcGIS Enterprise 11.0 で廃止されました。詳細は「11.0 以降へのアップグレードに関する注意事項」をご参照ください。
その他の情報
ArcGIS ブログでは、ArcGIS StoryMaps の使用方法と公開しているストーリーに関する記事を紹介しています。ArcGIS StoryMaps の操作方法の詳細はヘルプをご参照ください。
Classic テンプレートのほとんどの機能は ArcGIS StoryMaps で既に利用可能です。ただし、ストーリーテリングのニーズにとって重要な機能で ArcGIS StoryMaps にまだないものがある場合は、Esri Community の ArcGIS StoryMaps 質問掲示板またはアイデア掲示板でフィードバックを共有して、お知らせください。
※本記事は米国 Esri 社ブログ記事「Classic story map transition timeline (December 2022)」の内容を抜粋翻訳および加筆したものです。