ArcGIS Online は、世界中のニュース フィード、メディア サイト、公衆衛生や緊急対応をサポートする機関において広く利用されています。多くの権威ある情報源やコミュニティのメンバーは、ダッシュボード、アプリ、マップを通じて、ニュース速報や大きな出来事に関する情報を共有しています。これらのアプリケーションは、世界中の何億、何十億という人々に公共情報を提供しており、あるダッシュボードでは、1 時間あたり 150 万ビューを記録し、合計で 5 億ビューを超えるものもあります。ArcGIS Online は、大量の Web トラフィックをサポートする、信頼性が高くスケーラブルなインフラストラクチャ上に構築されています。
この記事では、多くの利用者を対象に構築するアプリケーションで、最適なスケーラビリティを実現するために不可欠な ArcGIS Online 設定のベスト プラクティスをご紹介します。
ArcGIS Online 上でホストされるスケーラブルな Web アプリケーションのためのベスト プラクティス
- 公開アプリケーションでホスト フィーチャ レイヤー ビューを使用してソースのスワップ機能を利用し、大規模なデータ更新時にスムーズに移行できるようにします。
- ArcGIS Dashboards のスケーラビリティに関するベスト プラクティスを確認します。
- すべてのホスト フィーチャ レイヤーおよびホスト フィーチャ レイヤー ビューについて以下を確認します。
- 編集が無効になっていることを確認します。
- 組織のフィーチャ データ ストア リソースを節約するために、キャッシュ制御の期間をできるだけ長く設定します。デフォルトでは 30 秒に設定されていますが、編集頻度が低い場合はキャッシュ制御を長めに設定します。
- アイテム詳細ページの [ビジュアライゼーション] やダッシュボードの日付フィルター等で、現在時刻、過去 5 分間、今日、昨日、明日など、動的または相対的な時刻クエリやフィルターを使用しないようにします。代わりに、データの属性として格納されている時間参照を使用します。
- 編集が無効になっていることを確認します。
これらの設定により、利用可能なすべてのキャッシュ メカニズムが使用され、組織の基盤となるインフラストラクチャのリソースが節約されるため、公開しているアプリのスケーラビリティが最適化されます。
これらのベスト プラクティスが適用されていない場合、フィーチャ データ ストアでは、一部のリクエストをキューに入れる必要が生じる可能性があります。その結果、エンド ユーザーの応答が遅延し、その状態が続くとエラー応答が発生する可能性があります。このような場合は、公開されている共有アイテムへの上記ベスト プラクティスの適用を検討してください。
スケーラビリティだけでなく、表示パフォーマンスを最適化するためには、以下のオプションも検討します。
- レイヤーの設定ページで [レイヤーの描画を最適化] オプションを有効にし、量子化とクエリを高速化します。
- フィルターとして使用するフィールドの属性インデックスを作成します。属性インデックスを保存するために、追加のフィーチャ データ ストレージが使用されますが、属性によるフィルターの速度が向上します。
キャッシュ可能なクエリに関する補足
情報公開に使用するマップやアプリケーションは、ホスト フィーチャ レイヤーを元に作成されます。アプリケーションは、フィーチャ レイヤーのクエリを使用してデータをリクエストし、フィーチャの描画やポップアップの表示といった形で視覚化されます。多くの場合、アプリケーションの閲覧者によって同じ情報がリクエストおよび表示され、データが更新されない限り、レスポンス キャッシュを使用してクエリからのレスポンスを何度も効率的に使用できます。ArcGIS Online は地理空間情報を表示するように構築されているため、フィーチャ タイルを使用すると、ユーザーがマップを操作しているときに範囲や縮尺が変更されても、ジオメトリ情報にレスポンス キャッシュを利用できます。この記事のベスト プラクティスに従うと、公開されているアプリは、CDN に保存され利用できるキャッシュ可能なクエリを送信するようになり、世界中どこでもスケーラブルで効率的なアプリを公開できます。
詳細は「スケーラブルな ArcGIS Online のホスト フィーチャ レイヤー： タイル クエリとレスポンス キャッシュ」ブログ記事をご参照ください。
※この記事は、米国 Esri のブログ「Essential Configurations for Highly Scalable ArcGIS Online Web Applications (Viral Applications)」を参考に、翻訳した記事です。