ArcGIS Online で ModelBuilder (ベータ版) が使えるようになりました

アイキャッチ画像 (ArcGIS Online)

2024 年 11 月 12 日 (日本時間 2024 年 11 月 13 日) に、クラウド GIS である ArcGIS Online がアップデートしたことに伴い、解析ツールを用いたワークフローの作成と可視化機能を提供する Model Builder (ベータ版) が利用可能となりました。

ModelBuilder って?

ModelBuilder は、解析ツールとデータをつなぎ合わせた独自のワークフローをプログラミングなしで作成、編集、管理、実行できる機能です。あるツールの出力結果を別のツールの入力データにすることができ、複数のステップを踏む解析業務では、個々のツールを都度実行する手間を省くことができます。ModelBuilder で作成したワークフローはモデルと呼び、モデルを独自の解析ツールとして利用したり、モデルを共有してほかのユーザーに業務内容を伝えたりすることにも役立ちます。

デスクトップ製品では、ArcGIS Pro はもちろん ArcMap の頃からある機能で、見聞きしたことがあるかもしれません。この機能が、クラウド製品である ArcGIS Online でもこの度ベータ版として利用可能になりました。

利用するためのライセンスと権限

ArcGIS Online で Model Builder を利用するには、Professional または Professional Plus ユーザー タイプ ライセンス、および公開者、ファシリテーター、管理者のいずれかの権限を持つユーザーである必要があります。カスタム ロールを構成する場合は、「コンテンツの作成、更新、削除」、「ホスト フィーチャ レイヤーの公開」、「空間解析」の、一般的な空間解析ツールを利用できる権限を持つ必要があります。

クレジット消費について

ArcGIS Online の ModelBuilder では、モデルの作成と実行のためにクラウドの専用リソースに接続します。この接続時間に応じてクレジットを消費します。クレジットは、1 分毎 (最小 10 分) の計算で、1 時間あたり 50 クレジットを消費します。

また、管理者権限を持つメンバーは、組織のクレジット消費ダッシュボードで、「対話型解析モデル (ベータ版)」のカテゴリを確認して、この機能を使用したメンバーと使用した時間および消費クレジットを確認できます。

使い方

モデルの作成と実行

ArcGIS Online の Map Viewer の解析機能を利用する画面から、ModelBuilder を使用できます。

[接続] をクリックすると、モデルを作成できる状態になります。

この「接続」セッションの状態では、右側の [ModelBuilder (Beta)] 画面に、接続している時間と消費したおおよそのクレジット数が表示されます。
[モデルの作成] をクリックして、モデルのタイトルを入力すると、モデルを作成できる画面が開きます。

[データの追加] で解析に利用するレイヤーを、[ツールの追加] で解析に使用するツールを追加します。この時、レイヤーやツールは複数選択してまとめてモデルに追加できます。

入力レイヤーの右端の 〇 をドラッグして、使用したい解析ツールでドロップし、表示される選択肢を選びます。解析ツールと結果のエレメントに色が付かない場合は、解析ツールをクリック → [開く] で、必要な項目を設定します。 この操作を繰り返し、モデルを作成していきます。

ツールの [結果タイプ] 項目で「中間データの作成」を指定すると、出力はモデル内でのみ使用される一時的なデータとなり、結果をフィーチャ レイヤーとして作成しません。例えば、最終結果以外の出力を中間データとして設定すると、最後に実行するツール以外はフィーチャ レイヤーを作成する処理が省かれ、モデル全体を実行する際のパフォーマンスの向上につながります。

モデルを実行する準備が整うと、すべてのエレメントに色が付きます。[実行] をクリックすると、モデル内のツールをすべて実行します。

モデルの保存と利用

モデル作成画面右上の [保存] をクリックすると、作成したモデルをマイ コンテンツに保存できます。保存したモデルは、Map Viewerの ModelBuilder の画面から参照し、再度利用することができます。

なお、モデルの作成に利用した Web マップを保存すると、使用したモデルの参照情報も保存されます。この Web マップを開くと、作成済みのモデルの作業をすぐに始めることができます。
また、保存したモデルは、Map Viewer 上で表示専用モードで開き、解析セッションに接続せずに内容を確認できます。[接続] をクリックして、[アクティブにする] をクリックすると、モデルの編集と実行を再開できます。

このように、ArcGIS Online の ModelBuilder を利用すると、対話的な GUI の操作のみで、解析業務の独自のツールを Web 上で作成、実行できます。ArcGIS Online での解析業務の作業効率化にお役立てください。

次回のアップデート以降で、未対応の一部の解析ツールや反復ツール、作成したモデルの組織での共有等の機能拡充が予定されています。ArcGIS Online での解析を便利にする ModelBuilder の今後のアップデートをお楽しみに!

関連リンク

Introducing ModelBuilder (Beta): Available Now in Map Viewer (英語)

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