2026 年 2 月 25 日 (日本時間 2026 年 2 月 26 日) に、クラウド GIS である ArcGIS Online がアップデートしました。主な機能追加・機能改善の内容をご紹介します。
Map Viewer
シンボルのアニメーション
アニメーションは、マップ上の傾向や変化、重要情報を強調し、マップ全体の見やすさを損なうことなく、より直感的で魅力的な表現を可能にします。これまでは、あらかじめ用意されたアニメーション シンボルのみで利用できましたが、本アップデートではカスタム シンボルを含む任意のベクター シンボルでアニメーションが利用できるようになりました。アニメーションの種類も追加されており、ポイント、ライン、ポリゴンに対して、オフセット、回転、拡大縮小、サイズ変更といったアニメーション効果を追加できます。
下のマップでは、ArcGIS Pro から公開したカスタム シンボルに対して、サイズや色などのアニメーションを追加し、発電施設の発電量を可視化しています。
表示時間範囲
特定の期間だけレイヤーを表示できる、時間ベースのレイヤー可視性が利用できるようになりました。レイヤーを表示する時間範囲を設定することで、マップ上に表示されるタイミングを制御できます。たとえば、2020 年のレイヤーは 2020 年の期間のみ、2021 年のレイヤーは 2021 年の期間のみ表示するといった設定が可能です。レイヤーをどの期間に表示するかを指定することで、複数のレイヤーを異なる期間でスムーズに切り替えられ、時間軸に沿った表現をより柔軟にコントロールできます。本機能は、スケッチ レイヤーやグループ レイヤーを含むすべてのレイヤー タイプに対応しているため、より動的で柔軟なマップを簡単に作成できます。
カレンダー ヒート チャート
カレンダー ヒート チャートが利用できるようになり、時系列データのパターンをカレンダー グリッド上で可視化できるようになりました。インシデント (事象) を日付単位で集計し、カレンダー状に配置することで、時間的な傾向を直感的に把握できます。カレンダー グリッドは、1 年の各月にまたがるパターンや、1 週間の曜日ごとのパターンなど、目的に合わせて表示方法を選択できます。下図のカレンダー ヒート チャートでは、各曜日の各時間帯ごとの交通事故の傾向が視覚的に示されています。
添付ファイルの表示
これまで、添付ファイルはブラウザーの新しいタブで表示されていましたが、マップ インターフェイス内でそのまま表示できるようになりました。必要に応じて全画面でも拡大表示できます。これにより、現在の作業フローを中断することなく内容を素早く確認できます。さらに、属性テーブルから関連する写真やファイルを直接表示し、全画面で表示することも可能になりました。
トゥルー カーブの編集
トゥルー カーブ編集のサポートにより、曲線フィーチャの描画と編集がこれまで以上に正確になりました。これまでは、曲線が多数の小さな直線に分割されていましたが、Map Viewer でのフィーチャの作成、編集において曲線の幾何形状が保持されます。これにより、スナップ、計測、解析の精度が向上し、ビジュアルもより滑らかで美しくなります。特に、袋小路、曲管など、詳細なジオメトリーを扱う測量士やエンジニアにとって有用です。また、複雑な形状を作成する際には描画ツールを切り替えながら作業できるようになり、柔軟性も向上しています。
ModelBuilder
ModelBuilder を利用すると、複数のデータや解析ツールを連結し、あるツールの出力を次のツールの入力としてつないでいくことで、モデル (ワークフロー) を作成できます。
本アップデートにおいて、作成した ModelBuilder のワークフローをカスタム Web ツールとして公開し、Map Viewer や ArcGIS Experience Builder などの Web アプリで利用できるようになりました。これにより、解析ワークフローを組織内に広く共有できるようになります。例えば、市の都市計画担当者が、用途地域データ、洪水リスク、交通影響を組み合わせて開発候補地を自動的に解析するワークフローを ModelBuilder で作成したとします。これを Web ツールとして共有することで、他の職員や関係者はブラウザーからすぐに解析を実行できます。その結果、意思決定が迅速化され、組織内で一貫した再現性のある解析が行えるようになります。
Scene Viewer
Google Photorealistic 3D ベースマップ (ベータ版)
Scene Viewer で Google Photorealistic 3D ベースマップ (ベータ版) を表示できるようになりました。49 か国、2,500 以上の都市をストリーミングで参照できるため、巨大な 3D データセットを収集、加工、ホスティングすることなく、デジタルツインを構築できます。
Google Photorealistic 3D ベースマップ (ベータ版) を利用するには、ArcGIS Online 組織の管理者が利用を許可する必要があります。
ガウシアン スプラット レイヤー
Scene Viewer でガウシアン スプラット レイヤーを表示できるようになりました。ドローン画像や航空画像から生成された、インフラ、植生、都市環境などの複雑なジオメトリーを高密度なビジュアルデータで詳細に表現できます。
AI アシスタント
ArcGIS で利用可能な AI アシスタント機能が拡張、機能強化されました。これにより、生産性の向上、ワークフローの効率化、必要な情報への迅速なアクセスが可能になります。
ArcGIS での AI アシスタントの活用については、Esri Japan AI Weeks ブログ記事もご参照ください。
アイテム詳細アシスタント (ベータ版)
メタデータは、地理空間データの検索や AI による活用に不可欠です。アイテム詳細アシスタント (ベータ版) を使用すると、生成 AI を活用して、アイテムのタイトル、概要、説明、タグなどを素早く作成することができます。属性フィールド情報の提案を行うこともでき、表示名、説明、値タイプといったフィールド情報を作成することができます。属性フィールド情報の充実は、データをより理解しやすくするとともに、今後の AI 活用に向けて整備する上でも特に有効です。
ArcGIS Notebooks アシスタント (ベータ版)
ArcGIS Notebooks アシスタント (ベータ版) を使用して、自然言語のプロンプトを入力するだけで、ArcPy や ArcGIS API for Python を用いた Python コードを自動生成できるようになりました。Notebooks を初めて使うユーザーにとって、GIS ワークフローの自動化を始める際のハードルが大幅に下がるとともに、経験豊富な開発者も、より迅速かつ効率よく反復作業ができることで、高度な解析に集中できるようになります。さらに、エラーが発生した場合、問題を解決するためのガイダンスや推奨事項等の情報を得ることもできます。
AI アシスタントへのアクセス権限
組織で安心して AI アシスタントを導入できるよう、AI アシスタント用の新しい権限が追加されました。組織の管理者は、カスタム ロールを設定することで、組織内で誰が AI アシスタントを利用できるかを直接制御できます。また、組織内のポリシーやコンプライアンス要件に沿って、AI アシスタントの利用範囲を段階的に展開する際に役立ちます。
なお、AI アシスタントの機能はベータ版またはプレビュー版であるため、AI アシスタントを有効化しており、ベータ版アプリの利用をブロックしていない ArcGIS Online の組織のみが利用可能です。組織の設定についてはヘルプをご参照ください。
ArcGIS Instant Apps
ArcGIS Instant Apps は、次世代の Web マッピング アプリケーションであり、高速モードまたはフル セットアップ モードを使用して迅速かつ容易にアプリケーションを構築できます。本アップデートでは、ギャラリーおよび Web Editor テンプレートがベータ版からリリース版になりました。
ギャラリー テンプレート
ギャラリー テンプレートでは、グループ内のアイテムをグリッドまたはリスト形式で一覧表示できます。アプリの利用者は、カテゴリー、アイテム タイプ、作成/更新日、タグなどを使用して、フィルター パネルからコンテンツを絞り込むことができます。
Web Editor テンプレート
Web Editor テンプレートでは、ArcGIS Web Editor をさまざまなユーザーやワークフローに合わせて最適化し、必要なツールだけに絞った編集環境を構築できます。これにより、GIS 専門ではない担当者でも、よりシンプルで焦点を絞ったアプリを使用して効率的に作業を行えるようになります。デフォルトで選択可能なレイヤーを設定できるほか、編集ツールバーもプロジェクトに必要なツールのみを表示するようにカスタマイズできます。
ArcGIS Experience Builder
ArcGIS Experience Builder では、スクロール ページや複数ページなど、柔軟なデザイン構成の Web アプリをノーコードで素早く構築できます。
新しいウィジェット
- 日付フィルター ウィジェット: カレンダー ツールを使用して、特定の日付または日付範囲を選択し、フィーチャを絞り込むことができます。
- テーマ モード スイッチャー ウィジェット: アプリのテーマをライト モードとダーク モードで切り替えることができます。
機能拡張
- 編集ウィジェットでフィーチャのコピー & ペーストが可能になりました。
- 描画ウィジェットで作成した描画をエクスポートできるようになりました。
- Arcade アシスタント (ベータ版) を利用可能になりました。
詳細およびその他の新機能は後日、本ブログにてご紹介します。
その他の新機能はヘルプをご参照ください。
注) バージョンアップされた内容を確実にご利用いただくために、お使いの Web ブラウザーのキャッシュ (インターネット一時ファイル) を削除してください。主な Web ブラウザーのキャッシュ削除方法については、以下のリンク先をご参照ください。
・Firefox のキャッシュを消去するには
・Chrome の閲覧データを削除する
・Microsoft Edge の閲覧履歴を表示または削除する

