(注: 本ブログは米国 Esri 社のブログ記事「A New Way to Work with Offline Help」をESRIジャパン株式会社にて翻訳および加筆編集したものです。)
2026 年 Q2 のリリースに伴い、インストール型のデスクトップ アプリケーション (ArcGIS Pro、ArcGIS Drone2Map、ArcGIS Reality Studio 等) におけるオフライン ヘルプの提供方法が大きく変わりました。オフライン ドキュメントは、新しいデスクトップ アプリケーションである ArcGIS Documentation Center を通じて提供されるようになりました。

これは、ヘルプ システムが新しいアプリケーションに移行した、というだけではありません。今回の変更は、オフライン環境で作業する場合でも、完全にネットワークから切り離された環境で作業する場合でも利用できる、モダンで一貫性があり、継続的に利用・更新できるドキュメント提供方式への転換なのです。
どのような変更が行われるのか、なぜこの変更を行うのか、そして準備に何が必要なのかを見ていきましょう。
目次
背景: 従来のオフライン ヘルプの仕組み
従来、オフライン ドキュメントは ArcGIS Pro のみで利用可能であり、特定のバージョンや言語パックと密接に紐づいた、独立したアプリケーションを通じて提供されていました。
オフライン ヘルプが必要な場合は、ヘルプ アプリケーションを個別にインストールしていました。新しいリリースが登場するたびに、古いヘルプ システムをアンインストールし、必要とする言語ごとに最新版をインストールする必要がありました。ドキュメントは製品ごとに異なる場所に保存されており、ヘルプはリリース期間を通じて変更されず、Web ヘルプのような定期的な更新は行われていませんでした。
これまで長年にわたり利用されてきた仕組みですが、いくつか課題もありました。特に、複数の ArcGIS アプリケーションを管理するユーザー、オフライン環境をサポートする管理者、そしてインストール作業を繰り返さずに最新のドキュメントを入手したいユーザーにとっては、とりわけ不便でした。
今回の変更で何が変わるのか?
ArcGIS Documentation Center は、複数の ArcGIS 製品のオフライン ドキュメントを一元管理できるデスクトップ アプリケーションです。
今回の変更に伴い、オフライン ヘルプを製品、言語、バージョンごとにインストールする必要はなくなります。代わりに、「ドキュメント セット」と呼ばれるパッケージとして提供されるため、必要に応じてダウンロードして更新できます。複数のデスクトップ アプリケーションを利用しているなら、単一の共有オフライン ヘルプ システムを利用できるというメリットをすぐに実感できるでしょう。
新しい仕組みによるメリット
ユーザーの視点では、この新しいアプローチには次のような重要なメリットがあります。
- 一度のインストールで完了—リリースごとにヘルプをアンインストールして再インストールする必要がなくなります。
- すべてのデスクトップ ヘルプを一元管理—ArcGIS Pro、Drone2Map、Reality Studio 等のドキュメントが、この統合でさらに便利になります。
- オフライン ワークフロー向けに設計—インターネット接続がなくても確実にアクセス可能です。ヘルプ トピックはローカルの Web ブラウザーで開き、お使いのコンピューターまたはネットワーク上で実行するローカル Web サーバーから提供されます。
- 一貫した操作感—Web ヘルプとオフライン ヘルプの構造、外観、ナビゲーションが統一されました。オフライン ヘルプが有効になっている場合、ヘルプ ボタン、リンク、F1 ショートカットで自動的に適切なトピックが開きます。
- 更新版が利用可能—ドキュメント セットは、製品のリリースとは独立して更新できます。
- 将来性—製品やバージョンが最終的にリタイアになっても、ドキュメントには引き続きアクセスできます。
準備の手順
現在オフライン ヘルプを利用している方、あるいは将来的に利用する可能性がある方は、ArcGIS Documentation Center を入手する必要があります。
ArcGIS Documentation Center は以下の手順で My Esri から入手できます。
- https://my.esri.com にサイン インする
- ダウンロード タブに移動する
- 「ArcGIS Documentation Center」と検索
- アプリケーションをダウンロードしてインストール
Documentation Center は一度インストールすれば完結します。その後は、Documentation Center を使用して、必要な製品、バージョン、言語のドキュメント セットをダウンロードおよび更新します。
個人ユーザーの場合
個人ユーザーの場合は、Documentation Center をローカルにインストールしてください。アプリを開き、利用可能なドキュメント セットを確認します。必要なドキュメント セット (例: 日本語版の ArcGIS Pro 3.7) をダウンロードします。
ドキュメントの更新版が利用可能になると、Documentation Center アプリに表示され、ワンクリックでダウンロードできます。
オフライン環境またはセキュリティが厳重な組織の場合
Documentation Center は、オフライン環境、機密環境、またはアクセス制限のある環境において特に効果を発揮します。
管理者は、ネットワーク上の一元管理フォルダーからドキュメントを設定および管理できます。そのネットワーク フォルダーをルート フォルダーとして使用するすべての Documentation Center インスタンスは、そこにインストールされたドキュメント セットを使用します。つまり、すべての ArcGIS 製品のドキュメントを 1 か所で管理できるため、多くのユーザーが所属するグループに向けたメンテナンスや更新がはるかに容易になります。
おわりに
ArcGIS Documentation Center への移行により、オフライン ドキュメントの管理や更新は、これまで以上に簡単になりました。オフライン環境で ArcGIS 製品を利用する方は、この機会に ArcGIS Documentation Center をインストールして、ぜひご活用ください!
