感染症拡大の様子を GIS で解析

ノロウィルスの疾患者が首都圏でも増えていますが、みなさん元気でお過ごしでしょうか。国立感染症研究所から都道府県別の感染症疾患者数が毎週発表されていますが、ArcGIS 10.1 Geostatistical Analyst では、これを内挿して更に細かい区分でどのように感染症が広がって行くかを解析することができます。

はじめに、国立感染症研究所の IDWR 速報データをダウンロードし、予め用意しておいた都道府県のポリゴンに定点報告数の属性を結合します。ここでは、「感染性胃腸炎」の第 49 週(12/3~12/9)のデータで説明します。

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次に、[Geostatistical Analyst] ツールバーを表示し、[Geostatistical Wizard] ボタンをクリックして「Areal Interpolation(エリア補間)」を実行します。

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設定方法の説明は省略しますが、ウィザードに沿って進めていくと、次のようなサーフェスが作成されます。

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市区町村のポリゴンを用意し、[Areal Interpolation Layer To Polygons] ジオプロセシング ツールを使用して、上で作成されたサーフェス(Areal Interpolation レイヤ)を市区町村単位で集計します。

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市区町村ポリゴンに「Predicted」と「Standard Error」のフィールドが追加されます。「Predicted」の値で分類表示をすると市区町村別の疾患者数(推定値)をマップ上で確認することができます。「Standard Error」は値を推定したときの標準誤差を表します。

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同様の操作を他の週でも行い、すべてのデータを統合すると、時系列アニメーションを作成することができます(時系列アニメーションを作成する場合は、各週に対応する日付のフィールドを追加しておきます。例えば、第 49 週の場合は「2012/12/9」)。第 40 週~ 49 週のアニメーションを作成してみました。初期の頃は兵庫県を中心に疾患者が広がっていく様子が、12 月に入ると大都市圏で広がって行く様子が確認できます。
こちらから動画をダウンロードしてご覧ください。下図のような動画を見ることができます。

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今回、ArcGIS 10.1 Geostatistical Analyst の新機能である Areal Interpolation 機能を使用してデータを内挿しました。Areal Interpolation では、この例のようにポリゴンをソース データとして内挿を行うことができます。都道府県単位のデータを市区町村単位に再集計したいような場合に是非ご利用ください。

■関連リンク
・Areal Interpolation について(ArcGIS ヘルプ(英語のみ)):http://resources.arcgis.com/ja/help/main/10.1/#/na/0031000000q8000000/
・時系列データとは?(ArcGIS ヘルプ):http://resources.arcgis.com/ja/help/main/10.1/#/na/005z00000001000000/

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