皆さんはジオデータベースを使用したことはありますか?ジオデータベースには様々な GIS データを格納することができます。また、格納された GIS データは、現実世界の地物の特性をモデル化する機能である振る舞いを持つことができます。例えば電柱のポイントフィーチャ(点のデータ)を移動した場合に、その電柱に接続されている電線のラインフィーチャ(線のデータ)が自動的に移動するなど、点と線の接続性を管理することができます。今回からジオデータベースの振る舞いについて何回かに分けて紹介します。初回はサブタイプについて簡単な例でご紹介します。
■サブタイプ
サブタイプは、フィーチャクラスのデータを分類する場合に使用します。例えば、道路を表現する場合に高速道路、国道、地方道と別々のフィーチャクラスを作成するのではなく、道路という単一のフィーチャクラスの属性値で種類を高速道路、国道、地方道のように分類します。
では、サブタイプの特長をいくつかご紹介しましょう。
シンボル設定
シェープファイルやサブタイプを設定していないフィーチャクラスを ArcMap に追加すると単一シンボルで描画されますが、サブタイプを設定したフィーチャクラスの場合、サブタイプごとにシンボルが設定されます。
編集
編集時には、リストから値を選択できますので、属性値を個別に入力する必要はありません。
また、指定するサブタイプによって他のフィールドの属性値の値を設定できます。例えば、道路の種類に国道を選択した場合に幅員フィールドの属性値をデフォルトで 3.5m になるように設定できます。
■サブタイプを設定するには
サブタイプを使用するには、対象の GIS データがジオデータベースにフィーチャクラスとして格納されている必要があります。例えば、シェープファイルをお持ちの場合は、そのシェープファイルをジオデータベースに格納します。
ジオデータベースをまだ使用されたことがない場合は、こちらの手順を参考にジオデータベースを作成してください。また、ジオデータベースへの格納方法につきましてはこちらをご覧ください。
ジオデータベースにフィーチャクラスを格納しましたら、以下の手順でサブタイプを設定します。
- カタログ ウィンドウにてサブタイプを設定したいフィーチャクラスを右クリックし、コンテキスト メニューから [プロパティ] をクリックします。
- フィーチャクラス プロパティの [サブタイプ] タブをクリックします。[サブタイプ フィールド] のドロップ ダウン リストからサブタイプを設定するフィールドを選択します。サブタイプは、コード値によって実装されるためフィールドのデータ タイプが Short Integer または、Long Integer のフィールドに対して設定できます。
- [サブタイプ] でサブタイプのコードと説明を設定します。上図では、type フィールドで道路の種類を分類しています。道路の種類は、高速道路、国道、地方道でそれぞれに 0、1、2 というコードを割り当てています。
- 必要に応じて他のフィールドのデフォルト値や属性ドメインを設定できます。
- [OK] をクリックします。
詳細なサブタイプの設定方法は、こちらをご覧ください。
今回ご紹介したサブタイプは、ArcGIS for Desktop のすべてのライセンス レベルで使用可能です。サブタイプの具体的な利用イメージがわかないという場合は、以前 GIS を学ぶための本としてブログでご紹介した、『図解! ArcGIS Part3 -ジオデータベース入門-』をお勧めします。サブタイプの設定を実際に操作しながら学習できます。
是非この機会にサブタイプを使用してみてください。次回は、属性ドメインをご紹介します。
■関連リンク
ESRIジャパン
・ジオデータベースとは
ArcGIS 10.1 ヘルプ
・サブタイプの概要