2016 年 12 月 15 日に、クラウド GIS である ArcGIS Online の最新バージョンをリリースしました。今回はメジャー バージョン アップであるため、さまざまな機能が追加・更新され、より使いやすくなりました。主な機能追加・機能改善の内容をご紹介します。
マップ ビューアー
・属性テーブル
属性テーブル内で、属性の編集や削除、ファイルの添付、関連テーブルの表示と編集ができるようになりました。
・タイム アニメーション
時間を有効化したレイヤーのアニメーションの開始時間を任意の期間で保存できるようになりました。
・Arcade 条件式
新しい言語である Arcade で条件式を作成し、ラベルやスタイルの設定を行うことができるようになりました。たとえば、5 つのフィールドに分かれて格納されている 5 年分の交通量の値から 5 年間の平均の値を計算して、シンボルを設定することなどができます。
・ルート案内
シーン ビューアー
・点群データの表示
LIDAR などで取得した点群データをシーン ビューアーで表示できるようになりました。
・ベクター タイル レイヤーのサポート
シーン ビューアーにベクター タイル レイヤーを追加できるようになりました。
・2D マーカーと 3D オジェクト シンボルの追加
ポイント レイヤーを表現するシンボルの種類が増え、樹木、交通標識、乗り物などの 3D オブジェクト シンボルと新しい 2D マーカー シンボルが追加されました。また、レイヤーの属性情報をもとにシンボルのサイズや色を適用できるようになりました。
・画面移動時のアニメーション
検索やスライド ナビゲーション時の画面移動のアニメーション表示がスムーズになりました。
解析
・フィーチャの結合ツール
属性値または空間関係を基に、フィーチャ同士、フィーチャとテーブル、テーブル同士を 1 対 1 や 1 対多で結合できるツールが新規追加されました。
・外れ値の検索ツール
データ内の統計的に有意なクラスターと外れ値を検索する統計ツールが新規追加されました。利用例として、周囲の地域に比べて、著しく消費が低い/高いエリア、富裕層が住むエリアと貧困層が住むエリアの境界などを特定したい場合に利用できます。
・ルート レイヤーとして保存
[ルートの計画]、[最寄りの検索]、[起点から終点の計測] ツールの実行結果をルート レイヤーとして保存できるようになりました。
管理
・ライセンス体系の変更
「指定ユーザー レベル 1」という閲覧権限のみのユーザー ライセンスが新設されました。ArcGIS Online のユーザー数を増やしたいという方は、 追加購入が可能です。指定ユーザーについての詳細は、ArcGIS Online 製品ページの利用プランをご参照ください。
・ソーシャル ログイン
メンバーを新規に招待する際に、Facebook または Google のログイン情報を設定できるようになりました。招待されたメンバーのアカウントが作成されると、メンバーはソーシャル ログイン情報で組織サイトやアプリにサイン インできます。
・ショートネームの変更
組織サイトの URL のショート ネームを変更する設定が追加されました。Web AppBuilder などのアプリの URL は自動で更新されない場合があるため、変更する際は慎重に検討してください。
ホスト Web レイヤー
・ビューの作成
1 つのフィーチャ レイヤーを参照する複数の「ビュー」を作成できるようになりました。それぞれのビューに異なるスタイルや編集設定などを適用することができ、社内共有用や一般公開用などの異なる用途に利用できます。参照元のフィーチャ レイヤーのデータが編集されると、ビューも自動で更新されます。
利用イメージ:
・フィーチャの編集設定
編集設定で [新規フィーチャの追加のみ] を指定した場合に、フィーチャ レイヤーの所有者以外は入力されたフィーチャを一切表示できない設定が追加されました。たとえば、自治体が市民からの情報提供を求める際などに、レイヤーは一般公開したいが、入力されたデータは一般公開で閲覧できる状態にしたくないという場合に有効です。
・OGC サポートの強化
フィーチャ レイヤーから WFS サービスを公開できるようになりました。
・ソース データの削除防止
ホスト レイヤーを公開するのに使用した CSV ファイル、SD ファイル、シェープファイルなどのソースデータのみを削除できなくなりました。
・シーン レイヤーの公開
ArcGIS Pro 1.4 で LiDAR の点群データをシーン レイヤーに公開できるようになりました。また、ホストされたフィーチャ レイヤーからシーン レイヤーを公開できる機能が Beta 版として提供されます。
テンプレート アプリ
・構成ページのデザイン変更
アプリ構築の構成ページのデザインが変更され、ウィンドウ左に構成オプションがタブで表示され、右にプレビューが表示されるようになりました。
・ストーリー マップ ジャーナルとストーリー マップ シリーズ
ストーリー マップ ジャーナルとストーリー マップ シリーズを構築する際に、ローカルの画像を直接ドラッグして追加できるようになりました。
・基本ビューアー
基本ビューアーに 3 つのテーマが追加されました。
・Crowdsource Polling と Crowdsource Reporter
Crowdsource Polling と Crowdsource Reporter のコメントに画像やドキュメントを添付できるようになりました。
Web AppBuilder
・表示範囲を戻したり進めたりするナビゲート用のウィジェットが追加されました。
・[データ追加] ウィジェットで、ローカルに保存されたシェープファイル、CSV、GPX、GeoJSON を追加できるようになりました。
・[ベースマップ ギャラリー] ウィジェットで、実行時に組織サイトのベースマップ ギャラリーと同期するオプションが追加されました。また、グループからベースマップをインポートすることが可能になりました。
・[ルート案内] ウィジェットであらかじめ開始地点と到達地点を設定可能になりました。
・[サマリー] ウィジェットに更新間隔の設定が追加されました。
Web AppBuilder の新機能については、後日詳しくご紹介します。
注)バージョンアップされた内容を確実にご利用いただくために、お使いの Web ブラウザーのキャッシュ(インターネット一時ファイル)を削除してください。主な Web ブラウザーのキャッシュ削除方法については、以下のリンク先をご参照ください。
各ブラウザーのキャッシュの削除方法:
・Internet Explorer・Firefox
・Google Chrome
新機能の詳細につきましては、ArcGIS Online ヘルプをご参照ください。
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