ArcGIS Online で選択肢つきのポイント データを作成し、現地調査で活用しよう ~Survey123 の活用術 (前編)~

コード値ドメインという機能をご存知ですか? データに選択肢を定義する機能で、現地調査などでデータを入力する際に、選択リストから回答を選ぶことができ、入力作業を簡略化したい場合に便利です。

コード値ドメインは、ArcGIS Desktop でも設定できますが、ArcGIS Online ユーザーは無料で使用できる現地調査アプリ Survey123 for ArcGIS を使用してコード値ドメインを作成できます。作成したデータは、他の製品でも使用できますので、選択リストを使用したい方は必見です!

※Survey123 は、ポイント データのみ作成することができます。

本記事は 2 部構成で、Survey123 で選択肢つきのポイントデータの作成、調査の実施をおこない、作成したデータを現地調査アプリ Collector for ArcGIS でも使用できるように設定する流れを紹介します。

前編では、Survey123 for ArcGIS で、空き家調査で使用するコード値ドメイン付きデータを作成する方法と調査の実施を紹介します。

Survey123 for ArcGISで GIS データの作成

  1. survey123.arcgis.com にアクセスします。

  1. 画面右上の [サイン イン] から ArcGIS Online のアカウントでサイン インします。Survey123 for ArcGIS は、調査票の作成、入力、結果を確認できるアプリです。はじめに、調査票を作成します。
  2. 画面左上の [新しい調査の作成] → [Web デザイナーの使用] の [さあ始めましょう!] をクリックします。
    Survey123 for ArcGIS でドメインつき GIS データを作成する方法は2種類あり、専用アプリをインストールし、Excel を使用してデータを作成する方法 (Survey123 Connect の使用) とブラウザーを使用して作成する方法 (Web デザイナーの使用) があります。今回は、手軽にドメインを作成できる Web デザイナーを使用します。

  1. [名前] と [タグ] を入力し、[作成] をクリックします。
  2. 設計ページが開きます。右側に各項目の一覧があり、左側がプレビューです。
    各項目は、調査票の質問になり、GIS データ上ではフィールドになります。

  1. ドメインを作成するには [単一の選択肢] をクリックします。選択肢から一つ、回答を選ぶ調査項目を作成します。

  1. [ラベル] に適切な文字を入力します。この [ラベル] が GIS データのフィールドのエイリアス名になります。
  2. [選択] の [選択1]、[選択2] … には、選択肢を入力します。これが、ジオデータベースのドメインのコード値になります。以上で、コード値ドメインを使用したデータの作成は完了です。「コード値ドメイン」という言葉や機能を知らない方でも、選択リストから入力するデータをとても簡単に作成できます。空き家調査をするための他の調査項目を追加していきます。
  3. [追加] タブをクリック、項目一覧に戻ります。[複数の選択肢] という項目は、選択肢から複数回答を選ぶことができます。レコードには、選んだ複数の回答がカンマで区切られて格納されます。この項目は、Survey123 for ArcGIS 上でのみ複数選択ができ、ArcGIS Desktop や ArcGIS Online では、文字列を入力するフィールドになります。

  1. [画像] を追加すると、レイヤーに画像を添付できるようになります。
    他にも、文字列のフィールドを追加したい場合には [単一行テキスト] を、数字を入力するフィールドを追加するには [数値] を、日付型のフィールドには [日付] を、位置を入力するフィールドを追加するには [ジオポイント] を追加します。

  1. 作成が完了したら、[保存] をクリックします。
  2. 画面右下の [公開] をクリックして、調査票を公開します。

では、実際にデータ入力をおこないます。

  1. [共同作業] タブで、共有範囲と調査票の起動方法を設定し、[保存] をクリックします。

  1. [調査のリンク] 横にある [新しいタブで調査を開く]  をクリックします。
  2. ダイアログに従って調査票を起動し、データを入力後、結果を送信します。

最後に、収集した結果を確認します。

  1. survey123.arcgis.com のサイトの [解析] タブを開きます。
    [解析] タブでは、収集した結果をグラフやチャートで閲覧できます。

  1. [解析] タブの横の [データ] タブを開くと、ポイント データごとの属性を確認できます。ファイル ジオデータベースをダウンロードし、ArcGIS Desktop でコード値ドメインつきデータとして使用することも可能です。

後編では、作成したコード値ドメイン付きのデータを使用して、現地調査アプリ Collector for ArcGIS で使えるマップを作成する手順をご紹介します。

■関連リンク

Survey123 for ArcGIS が Ver. 2.5 にバージョンアップ

ドメインの作成、変更、削除

ジオデータベース活用術:属性ドメイン

空き家調査 (Survey123 版) テンプレート

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