作付け調査テンプレートによる現地確認調査の効率化

ArcGIS Solutions の「作付け調査テンプレート」のバージョン 1.1 をリリースしました。今回のバージョンアップでは Portal for ArcGIS に対応しました。本ブログでは、改めて作付け調査テンプレートの概要、ユーザー事例および活用法をご紹介します。


■作付け調査テンプレートとは

作付け調査テンプレートは、道央農業協同組合(JA道央)の協力のもとに開発しリリースした農業分野向けソリューション テンプレートです。本テンプレートは農業事業者から提出された申請どおりに作付けが行われているかを確認するための「現地確認調査」を支援する現地調査アプリとダッシュボードアプリを提供します。

現地確認調査について

一般に現地確認調査では、農業事業者から受け付けた申請書を調査員が現地に持参し、農地ごとに作付けの現状確認や写真撮影などの記録を行い、事務所に戻り次第結果をシステムに入力するという運用が行われています。調査を実施する JA 等の団体においては、広範かつ大規模な農地の調査における現地確認調査の業務効率化が喫緊の課題です。作付け調査テンプレートが提供するアプリを利用することで、現地での確認結果は即座に ArcGIS ポータルに集約でき、オフィスではダッシュボードアプリに最新の確認結果がリアルタイムに反映され作業進捗の把握が可能です。

テンプレートの利用イメージ

作付け調査テンプレートのアプリは以下のデモページで体験することができます。是非ご覧ください。
作付け調査 属性編集アプリ(デモ)
作付け調査ダッシュボード(デモ)

■ユーザー事例

JA道央 江別営農センターでは 2018 年の作付申請の現地確認作業において ArcGIS Online を導入し、現地調査に必要な GIS データをクラウドに一元化し、タブレット端末を活用した現地調査を実現しました。その結果、前年度と比較して調査員数を削減でき、翌年度以降の作業日数削減の試算を得られたとのことです。同センターの取り組みの詳細については事例ページをご覧ください。

ArcGIS を活用したデータ作成/現地調査業務の効率化【JA道央 江別営農センター

■活用法

皆さんは「筆ポリゴン」をご存知でしょうか?
筆ポリゴンとは、農林水産省が整備・提供する日本全国の農地の区画情報データ(圃場のポリゴンデータ)です。筆ポリゴンデータは、2019 年 7 月より農林水産省のホームページでオープンデータとしてダウンロード提供が開始されています。

筆ポリゴンデータがオープンデータとして公開されたことにより、農業事業者がすぐに GIS を使い始めることができ、農地区画を単位とした様々な情報管理への活用が期待できます。作付け調査を例にすると、テンプレートに筆ポリゴンデータを設定するだけで現地確認作業向けのアプリが利用できます。また、作物の生育状況・施肥状況の管理、災害時には農地の災害査定調査など、圃場単位での管理が求められる作業についても、ポリゴンの属性項目の編集やアプリの設定変更により速やかに応用できるでしょう。

筆ポリゴンデータを使った農業GISの活用イメージ

今回は作付け調査テンプレートをテーマに実業務での活用事例やオープンデータを併用した活用法を紹介しました。この機会に ArcGIS を活用し農業での業務効率化にトライしてみませんか?

■関連リンク
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