ArcGIS Runtime SDK バージョン 100.7.0 をリリースしました

シーンでのオフラインルート解析

ArcGIS Runtime SDK (Android/iOS/.NET) の最新バージョン 100.7.0 を 1 月 31 日に国内サポート開始しました。

各 SDK (Android/iOS/.NET) 共通のアップデート内容

ライセンス機能の強化

ArcGIS Runtime 100.7 では、ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise 次期バージョンの 10.8 (国内リリース時期未定) 以降の指定ユーザーを使用して、Standard および Advanced ライセンス レベルと Analysis エクステンションを有効にすることができるようになりました。これにより、Lite、Basic、Standard、Advanced すべてのライセンス レベルを指定ユーザーのログイン認証でご利用いただけます。

ユーザータイプ

ユーザー タイプで Runtime のすべてのライセンス レベルが有効化することができるようになりました。

ユーザー タイプとライセンス レベルの対比表

ライセンスレベル表

モバイル シーン パッケージに標高ソース (ラスターデータ) を含めたデータに対応

ArcGIS Pro 次期バージョン 2.5 (2020 年春ごろ国内サポート開始予定) を使用すると、標高ソースを含むモバイル シーン パッケージを作成することができるようになりました。それらのパッケージを使用してオフラインで標高ソースを含むシーンを利用できます。また、100.7 以前のバージョンでは、ラスター データなどの一部のデータ形式はディスク上に存在する場合にのみアクセスできました。そのため、データにアクセスするためにはパッケージを解凍する必要がありましたが、バージョン 100.7 以降ではパッケージから直接データを読み取ることができます。

モバイル マップ パッケージでカスタム スタイルを適用したベクター タイルをサポート

ArcGIS Pro 次期バージョン 2.5 では、独自のカスタム スタイルを適用したベクター タイル レイヤーを含んだモバイル マップ パッケージを作成することができます。ArcGIS Runtime 100.7 では、パッケージに含まれるカスタム スタイルを適用したベクター タイル レイヤーの表示がサポートされています。

モバイル シーン パッケージを利用したオフライン ルーティング

ArcGIS Pro 次期バージョン 2.5 では、交通ネットワークを含むモバイル シーン パッケージを作成することができます。これらのパッケージを ArcGIS Runtime で使用して、シーン内でオフライン ルーティングを実行できるようになりました。

シーンでのオフラインルート解析

モバイル シーン パッケージを使ったオフライン ルーティング

2D マーカー シンボルのドレープ表示対応

シーンで 2D マーカー シンボルを地面にドレープする際、ビルボードまたはフラットのどちらで表示するか選択できるようになりました。

2D マーカー シンボルのドレープ表示対応

ドレープモードの比較: ビルボード (左)、フラット (右)

KML スクリーン オーバーレイ の作成と変更

KML データセット内でスクリーン オーバーレイの作成、編集、保存の機能がサポートされています。

拡張現実 (AR)

AR Toolkit では、clippingDistance プロパティを設定することにより、シーンのコンテンツをクリップできるようになりました。これにより、3D コンテンツを限定的に表示することができ、より現実感のある AR 体験をすることができるようになりました。

※オープンソースのツールキットコンポーネント (Android/iOS/.NET) は GitHub で公開されています。AR だけではなく、地図アプリによく使われるスケールバー、凡例、レイヤー リスト、属性テーブル、計測ツールなどの機能が UI 込みで提供されているため、地図アプリ開発を簡素化できます。

ツールキットコンポーネントはサポート対象外ではありますが、オープンソースのためコードをダウンロード・改修してお使いいただくことも可能です。是非、開発にお役立てください。

.NET Core

.NET Core を使用した WPF アプリケーションの構築がサポートされました。.NET Core を使用した開発は Visual Studio 2019 16.4 (以降) のバージョンが必要です。

各 SDK (Android/iOS/.NET) のアップデート内容

実行環境など、各製品固有のアップデート内容をご案内します。

ArcGIS Runtime SDK for Android

列挙値 LayerSceneProperties.SurfacePlacement.DRAPED は廃止されました。

SurfacePlacement.DRAPED の代わりに SurfacePlacement.DRAPED_BILLBOARDED を使用するようにコードを変更する必要があります。

ArcGIS Runtime SDK for iOS

iOS 11 のサポートは非推奨です。次のバージョンのリリースでは iOS 12 が最小要件となります。

ArcGIS Runtime SDK for .NET

Nuget パッケージを使用し、AnyCPU 用以外 (32ビットまたは x86/x64) を優先するアプリケーションをビルドする場合、ArcGIS Runtime 100.7 以前のネイティブ DLL は arcgisruntime 100.x / clientXX フォルダーにコピーされていましたが、100.7 では実行可能ファイルと同じフォルダーに配置されるようになりました。

ローカルサーバーはバージョン 100.6.0 から変更がないためリリースされていません。ArcGIS Runtime 100.7 を利用する場合は、ローカルサーバー 100.6.0 をご利用ください。

※ArcGIS Runtime SDK for .NET で利用可能なオプション コンポーネントです。オフライン環境でジオプロセシング タスクを実行できる機能等を提供します。

本記事では主要な項目についてご紹介しましたが、各 SDK の詳細な情報は下記のリリース ノート (英語) をご覧ください。

■関連リンク

ArcGIS Runtime SDK
・ESRIジャパン Web サイト: Android/iOS/.NET
・Esri 社 (米国) Web サイト: Android/iOS/.NET

フォローする