2021 年 6 月 30 日に ArcGIS Pro 2.8 をリリースしました。 ArcGIS Pro 2.8 では新しい解析ツールが多数追加され、パフォーマンスと生産性の向上などの機能改善も行われました。
複数回にわたり様々な新機能をご紹介していますが、本記事では「データ エンジニアリング」についてご紹介します。
空間解析やデータ サイエンスにおいて、解析のためのデータを準備する「データ エンジニアリング」は、データのインポート、変換、クリーニング、エンリッチメント (情報付加) にあたり、最も時間のかかる作業の 1 つです。
ArcGIS Pro 2.8 で登場した「データ エンジニアリング」機能は、解析データを準備するために使用できる既存のツールをまとめたものです。マップやチャートを使ってデータ フィールドを探索したり、統計情報を表示してデータの値や分布を把握したり、ツールを使用してデータのクリーニング、構築、統合、フォーマットを行うことができ、データ エンジニアリング プロセスをより効率的に行うことができます。
データ エンジニアリング ビューの表示
[コンテンツ] ウィンドウ でレイヤーを選択し、[データ] タブ → [データ エンジニアリング]、または [コンテンツ] ウィンドウ でレイヤーを右クリック → [データ エンジニアリング] から、[データ エンジニアリング] ビューを表示することができます。
フィールドの探索
フィールド パネルを使用して、レイヤーやテーブルのフィールドを操作することができます。 フィールド パネルには、レイヤーやテーブルのフィールドが表示され、そのプロパティや、シンボルやチャートを使用して各フィールドを視覚化するオプションもあわせて表示されます。
統計情報の操作
データ内の対象フィールドの統計情報や指標について、各フィールドを行、各統計を列として示した表形式で表示することができます。このテーブルを使用して、選択したフィールドの各指標やプロパティに関連するシンボルの設定、チャートの作成、ジオプロセシング ツールの実行などにアクセスし、データの詳細な調査や問題の修正を行うことができます。
たとえば、Null 値が存在するフィールドを見つけてその値を補完するための [欠損値の補完] ジオプロセシング ツールへ素早くアクセスすることが可能です。
データの準備
リボンやメニューからデータ エンジニアリングに関連するジオプロセシング ツールにアクセスすることが可能で、マップや解析に使用するデータを準備することができます。
このように、ArcGIS Pro 2.8 で登場したデータ エンジニアリングの機能を活用することで、多大な時間がかかっていた解析前のデータ準備をスムーズに素早く行うことができます。是非ご活用ください。
次回の ArcGIS Pro 2.8 新機能ブログでは、イメージ関連の新機能についてご紹介します。
また、8 月 4 日 (水) には「ArcGIS Pro 2.8 新機能ハイライト ~ArcGIS 活用ウェビナー~」を開催します。新機能についてデモンストレーションを交えてご紹介しますので、お申し込みの上、是非ご参加ください。
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