地図で振り返る参院選

はじめに

7 月 10 日 (日) に第 26 回参議院議員通常選挙が行われました。皆様は投票に行かれましたか?

各候補者の当落はマスメディアによる報道でご存知の方が多いと思います。この記事では趣を変えて市町村ごとの投票率に着目した可視化を試みます。対象地域として、投票結果をいち早く公開していた茨城県を取り上げます。

投票結果の可視化手法の検討

可視化にあたっては ArcGIS Dashboards を活用します。ArcGIS Dashboards は、クラウド GIS サービスである ArcGIS Online 上で提供される製品です。これを活用することでノーコード (プログラミングなし) で簡単にアプリケーションを作成することができます。アプリケーションの作成にあたってプログラミング知識が必要ないため、IT 技術者でなくともアプリケーションを作成することができるのが特徴です。

選挙結果のデータソースとして、茨城県公式ホームページで公開されている投開票速報を利用します。各種投開票情報が Excel ブックとして公開されているので、これらを GIS データに加工して使用します。

投票結果ダッシュボード

以下がArcGIS Dashboards で作成したアプリケーションです。期日前投票速報、投票中間速報、投票結果速報という 3 つの観点から投票状況を可視化しています。

(画像をクリックするとダッシュボードが起動します)

総務省によると今回の参院選では期日前投票制度を利用した有権者が過去最高となり、有権者のおよそ 18.6% が本制度を利用したとのことでした(1)。茨城県においては県北に位置する常陸太田市で期日前投票率が約 34% を記録しており(2)、全国平均を大きく上回っているほか県内でも突出しています。県内市町村の期日前投票率の傾向は地図をご覧ください。地図上で濃い色で示されているほど期日前投票率が高い市町村と解釈します。

本ダッシュボードでは期日前投票のほか、投票中間速報 (当日投票の結果) や投票結果速報 (全体を通しての結果) も可視化していますので、これらの情報を切り替えて表示しながら今回の参院選を振り返っていただくことができます。

Excel ブックとして公開されている情報も、地図と結び付けて表現することで、より直感的に理解することができるようになります。地図を活用した情報の可視化・公開に興味がある方は、ぜひ ArcGIS をご検討ください。

(1) 総務省. “期日前投票結果速報”. 総務省. 2022. https://www.soumu.go.jp/main_content/000825261.xlsx, (参照 2022-07-22).
(2) 茨城県選挙管理委員会. “期日前投票(確定)速報”. 茨城県. 2022. https://www.pref.ibaraki.jp/somu/shichoson/senkyo/senkan/2022sangi/documents/kijituzen_k_04_saiteisei.pdf, (参照 2022-07-22).

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