ArcGIS Runtime SDK (Android/iOS/.NET) の最新バージョン 100.15.0 を 2022 年 8月 17 日 (日本時間 2022 年 8 月 18 日) にリリースしました。バージョン 100.15.0 は、次に予定されているバージョン 200.x シリーズのリリースに向けた、機能の安定性と不具合修正に重点を置いた長期サポート リリースです。この記事では、バージョン 100.15.0 での主な変更点について紹介します。
ArcGIS Runtime ライセンスパックをご購入の方は、2022 年 8 月 18 日以降保守有効なライセンスがアップデート対象となります。
目次
各 SDK (Android/iOS/.NET) 共通の内容
長期サポート
バージョン 100.15 では、2 年間の新規バージョン サポート (新しい環境の認証、ホットフィックス/パッチ提供)、1 年間の既存バージョン サポート (ホットフィックス/パッチ提供)、2 年間の開発終了バージョン サポートの計 5 年間のサポートが提供されます。
次のリリースであるバージョン 200.0 では、最新の開発環境のサポートが導入される予定です。
ArcGIS システムとの連携パターンや機能に関しては、ArcGIS Runtime SDK の 200.0 リリースは 100.15 からの継続であり、100.15 と 200.0 の間で ArcGIS Runtime コアに大きな変更はありません。変更点は、.NET MAUI、.NET 6 for Android/iOS などの最新の開発者向けの技術のサポート、そして Kotlin と Swift ネイティブ統合が導入されます。
100.15 の長期サポートは、新しく導入される言語レベルのコーディング パターンを利用して、開発者がアプリケーションをバージョン 200.x シリーズに更新する時間を確保できるようにすることを目的としています。
100.15 のアップデートは計画されていませんが、脆弱性が発見された場合、パッチ アップデートで対応することが予定されています。
機能改善
100.15 では新しい機能は導入されていませんが、いくつかの機能改善が行われています。
- ライン フィーチャのラベル付けの改善
- マップの操作中に回転したテキストを反転させる際の処理の改善
- Arcade のサポートの更新
- 属性ルールのサポートの更新
各 SDK (Android/iOS/.NET) のアップデート内容
実行環境など、各製品固有のアップデート内容をご案内します。
ArcGIS Runtime SDK for Android
- Android 6.0 Marshmallow (API レベル 23), 7.0 Nougat (API レベル 24), 7.1 Nougat (API レベル 25) をサポートする最後のリリースは 100.15 です。次のリリースでは、Android 8.0 Oreo (API レベル 26) 以上が必要になります。
- 次のバージョン 200.0 のリリースでは、Java ベースから Kotlin ベースへの API に更新されます。
ArcGIS Runtime SDK for iOS
- 次のバージョン 200.0 のリリースでは、Objective-C ベースから Swift ベースへの API に更新されます。
ArcGIS Runtime SDK for .NET
- Windows 8.1 をサポートする最後のリリースは 100.15 です。
- Windows Server 2012, 2012 R2, 2016 をサポートする最後のリリースは 100.15 です。次のリリースでは、Windows Server 2019 以上が必要になります。
- .NET Framework 4.6.1 をサポートする最後のリリースは 100.15 です。次のリリースでは、.NET Framework 4.7.2 以上が必要になります。
- Visual Studio 2015, 2017 をサポートする最後のリリースは 100.15 です。次のリリースでは、Visual Studio 2019 以上が必要になります。
- Xamarin.Forms、Xamarin.iOS、および Xamarin.Android をサポートする最後のリリースは 100.15 です。
- Android 6.0 Marshmallow (API レベル 23), 7.0 Nougat (API レベル 24), 7.1 Nougat (API レベル 25) をサポートする最後のリリースは 100.15 です。次のリリースでは、Android 8.0 Oreo (API レベル 26) 以上が必要になります。
- ArcGIS Runtime Local Server についてもバージョン 100.15.0 がリリースされています。ArcGIS Runtime Local Server 100.15.0 を利用する場合は、ArcGIS Runtime SDK for .NET も同一バージョンをご利用ください。ArcGIS Runtime Local Server 100.15 を使用するには ArcGIS Pro 2.9 が必要です。
各 SDK の詳細な情報は下記のリリース ノート (英語) をご覧ください。
今後の予定
最新の ArcGIS Runtime の機能を利用するためには、ArcGIS Runtime SDK のバージョンを常に最新に保つ必要があります。100.15 では新しい機能は追加されませんでしたが、200.x シリーズでは、多くの新機能が追加されていく予定です。
また、200.0 のベータ プログラムが近日中に公開される予定です。ベータ プログラムを利用して、アプリケーションを 100.x から 200.x にアップデートするのにかかるコストを確認できます。
関連リンク
- 米国Esri社 ブログ
- ArcGIS 開発者コミュニティ
- ArcGIS Runtime SDK