調査票形式の現地調査アプリである ArcGIS Survey123 が 10 月 25 日 (米国時間) に 3.16 へバージョンアップしました。主な新機能を本ブログでご紹介します。
目次
Survey123 フォームでの ArcGIS レイヤーのクエリ
これまで ArcGIS Survey123 では、カスタム JavaScript 関数を使用して、レイヤーのクエリが可能でしたが、JavaScript 関数はパブリックな調査では利用できませんでした。本バージョンから、JavaScript 関数を使用しなくても、Survey123 Web デザイナーと Survey123 Connect の新しいオプションを使用して、レイヤーのクエリが可能になりました。Survey123 Web デザイナーでは、計算を使用してレイヤーのクエリを設定できます。Survey123 Connect では、新しい pulldata(“@layer”) 関数を使用して属性と空間クエリを実行できます。これは、パブリックな調査でも利用することができます。
下図は、Survey123 Web デザイナーで、ポイント位置と重なる「全国市区町村界データ2022」ポリゴンの「市区町村名」属性を自動で取得する設定の例です。
Survey123 Connect では、上の例の応用として、指定した範囲の外にポイントが作成された場合、エラーを返したりすることができます。
Survey123 Connect での設定例として、Esri のサンプル「Query a Feature Layer」が提供されています。更に高度な設定を行いたい場合にご活用ください。
フォームのテンプレート
組織内で一貫した Survey123 フォームをデザインするために、新しい調査のデザインに組織のカスタム テンプレートを使用できるようになりました。組織の管理者は、標準的な色構成やレイアウト、および事前に設定された質問セットを含む、さまざまなテンプレートを共有できます。組織のテンプレートは、組織のメンバーがアクセスできるグループに追加する必要があります。グループに共有されたテンプレートは、自動的に Survey123 Connect または Survey123 Web デザイナーに新しいテンプレートとして表示され、調査の作成時に利用できます。
Survey123 Web サイトの [組織] タブ → [設定] → [一般] で、組織のテンプレートを共有するグループを指定します。
また、作成したテンプレートをコミュニティ テンプレートとして投稿できるようになりました。投稿されたテンプレートは、Esri 社によってデザインが審査され、承認されるとコミュニティ テンプレートとして掲載されます。
Survey123 Web デザイナー : オーディオ質問タイプの追加
これまで、オーディオ質問タイプは Survey123 Connect でのみ利用可能でしたが、本バージョンから Survey123 Web デザイナーでも利用可能になりました。オーディオ質問タイプでは、Survey123 のフォームから直接音声ファイルを録音してアップロードできます。
仕様の変更
Survey123 Connect : レイヤー ドメインの同期
Survey123 Connect でのフォームのリストと、フィーチャ レイヤーのドメインが同期されるようになりました。これまで Survey123 Connect では、フォームに追加されたすべてのリストに対して、フィーチャ レイヤーのドメインを作成していました。しかし、フォームを公開後に、フォーム内のリスト値を更新すると、フォームを再公開したときにドメインと同期されませんでした。本バージョンから、フィーチャ レイヤーのドメインは、常にフォーム内のリストと同期されるようになりました。
XLSForm choices タブでの変更 | 再公開時のフィーチャ レイヤーのドメインの変更 |
選択肢の追加 | 新しいドメインの追加 |
選択肢ラベルの変更 | ドメイン ラベルの変更 |
選択肢名の変更 | 新しいドメインの追加 |
選択肢の削除 | ドメインの変更なし |
Survey123 Web デザイナー : ビュー レイヤー名の変更
Survey123 Web デザイナーから調査を新しく公開すると、自動的に 2 つのビュー レイヤーが作成されますが、これらの接尾辞がより分かりやすい名称に変更になりました。
用途 | 旧 | 新 |
調査データの送信用 | _fieldworker | _form |
調査結果の表示用 | _stakeholder | _results |
「被害報告」調査フォームの例
注意: _fieldworker または _form ビューは、調査の初回公開時に作成され、後で再作成できないため、削除しないようにご注意ください。
その他、さまざまな機能の追加や改善があります。ぜひ新しいバージョンの Survey123 を現地調査業務にお役立てください。