ArcGIS Drone2Map の一般的なトラブルシューティング

ArcGIS Drone2Map のワークフローは簡単かつ直感的に設計されていますが、潜在的な問題がまったく発生しないわけではありません。問題が発生した時に、その原因が明確に表示されない、または注意されない場合があります。本ブログでは、作業する際に遭遇する可能性のある問題について回避策をご紹介します。

画像がキャリブレーションされない

プロジェクト画像においてオーバーラップや全体的なカバー率を高くすることは、キャリブレーションされないことを回避する鍵となります。最初のブロック調整で多くの画像が未キャリブレーションとしてマークされた場合は、いくつかの原因が考えられます。最も考えられる原因は、撮影対象が均一すぎる (例:植生) か、画像間のオーバーラップが低すぎるため、隣接する画像との間で十分な再構築ができないことです。

キャリブレーションされない均一な画像を修正する方法の 1 つは、タイポイントが生成される画像の縮尺を大きくすることです。デフォルトでは、[初期の画像の縮尺] は [1/8 (画像サイズの 8 分の 1)] を使用します。フリーネットワーク調整中に画像がドロップされた場合、その画像は再調整中に使用されません。[初期の画像の縮尺] の値を [1 (元の画像サイズ)] に変更することで、タイポイントの生成が改善され、画像間のマッチングがより一貫するようになります。

オーバーラップの問題は、飛行条件や飛行計画の不十分さによって発生します。データを修復する 1 つの方法は、Drone2Map が隣接しマッチングする画像を見つけるために使用する画像近傍のサイズを大きくすることです。[一致する近傍] の設定は、隣接する画像を見つける際に使用する近傍サイズに対応します。この設定を [小 (最適化)] から [中] または [大] にすると、隣接する画像間のタイポイントの候補が増えます。
この回避策で解決しない場合は、フライトそのものを見直す必要があります。適切な飛行計画のガイドラインに沿ってプロジェクトを再飛行します。飛行に関する推奨事項は、「Tips for Collecting Drone Data for Drone2Map (Esri社ブログ)」をご参考ください。

水域または地物の再現性が低い

水は本来、とても不規則で反射しやすいものです。そのため、画像の大部分が水域であるドローン画像間で特徴点を抽出することは、非常に困難です。このような画像を写真測量ソフトで処理しようとすると、オルソモザイクの水域がアーティファクトを起こし、つぎはぎ、変色、ギザギザの領域を表示させることがあります。

Drone2Map 処理後のオルソモザイク-水域

このような現象が発生した場合、Advanced ライセンスで利用可能な水域マスクを適用してエリアを修正することができます。この機能は、[ホーム] タブの [前処理] グループにあります。水域マスクはポリゴンを描画するか、ポリゴン フィーチャクラスをインポートして再構築に必要な領域を囲みます。処理を再実行すると、水域マスクの領域が補間され、滑らかになります。

水域マスク 結果

水域マスクに加え、Advanced ライセンスでは修正フィーチャツールを使用することができます。このツールは、再構築が不十分なエリアをポリゴンで定義し、より詳細に再処理できます。これは、プロジェクトは問題なく終了したが、強調したいフィーチャをより明確にする必要がある場合に役立ちます。現在、修正フィーチャツールは、オルソモザイク プロダクトのみでの利用を目的としています。この機能の詳細については、修正フィーチャの使用をご参考ください。

修正フィーチャ 結果

水域マスクと修正フィーチャツールは、どちらもタイルベースの処理で動作します。オルソモザイクは、最初にタイルとして生成され、その後、モザイク処理されてシームレスなプロダクトが生成されます。Drone2Map は、描画したポリゴン フィーチャと重なるタイルのみを選択して再処理することができます。この方法によって、処理時間が大幅に短縮され、プロジェクトの品質管理を行う際の作業時間も短縮することができます。また、処理するたびにバックアップが生成されるので、処理結果に満足できない場合は、元の画像に戻すことができます。

カタログ ウィンドウ

※本ブログは、Esri社のブログ「Troubleshooting common Drone2Map issues」の内容を一部抜粋し、翻訳したものです。前のバージョン 2.3.x をご利用の方にも役立つ内容もございますので、ぜひご参考ください。

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