Excel データを簡単にマップに可視化するための Office アドイン ArcGIS for Excel が 2022 年 12 月にバージョンアップしました。本ブログでは、このバージョンアップで追加された「関数ビルダー」と「ピボット テーブル データのマッピング」機能について紹介します。
関数ビルダー
表計算ソフトである Excel には算術演算や条件式など便利な関数が用意されています。それらの関数と同じような操作で、ジオコーディング、ジオエンリッチメント、およびルート検索操作等を行うためのカスタム関数が ArcGIS for Excel に用意されています。
このアップデートでは「関数ビルダー」が追加され、ArcGIS for Excel のカスタム関数をより手軽に利用できるようになりました。ArcGIS Online に接続して利用する方法を簡単に紹介します。
- [ArcGIS] タブの [マップの表示] をクリックします。
- ArcGIS Online のアカウントでサイン インします。
- [ArcGIS] タブの [関数ビルダー] をクリックします。
- [関数ビルダーにようこそ] 画面が表示されたら、[OK] をクリックします。
今回は、GETCOORDINATES 関数を使用して、下記の店舗ごとの住所の緯度経度列を追加してみます (1 件当たり 0.04 クレジットを消費します) 。
- 関数を入力するセルを選択します。ここでは、E2 のセルを選択します。
- [ジオコーディング関数] → [GETCOORDINATES] をクリックします。
- [address] の右側をクリックしてから住所の文字列が格納されているセルを指定し、[選択の確認] → [更新] をクリックします。
すると、ジオコーディングの処理が行われ、自動的に緯度経度の値が追加されます。また、Excel の標準の関数の機能と同じ操作で下の行にも関数を適用し各店舗の緯度経度列を追加できました。
なお、[ヘッダーの追加] をクリックすると、今回は経度 (X) と 緯度 (Y) のヘッダー名が自動で追加されます。ADDHEADERS 関数によるヘッダーの追加もワンボタンで簡単に追加、実行できるようになりました。
ArcGIS for Excel のカスタム関数を使って、お手持ちの Excel シートに上記のような緯度経度情報や統計情報などを簡単に追加することができます。さらに、追加した情報を使ってマッピングすることもできます。ArcGIS for Excel のカスタム関数の詳細については、米国 Esri のブログをご参照ください。
Introduction to ArcGIS for Excel Custom Functions
ピボット テーブル データのマッピング
ピボット テーブルのデータを ArcGIS for Excel のマップに追加できるようになりました。ピボット テーブル内の住所や緯度経度、境界名などの位置情報を使って、データの集計結果をマップに可視化できます。
本ブログで紹介した上記 2 つの機能は、とても簡単に操作できるようになっています。ぜひ ArcGIS for Excel をインストールして触ってみて下さい。