ArcGIS Managed Cloud Service を 2023 年 10 月 2 日にリリースしました。この記事では、ArcGIS Managed Cloud Service で提供するサービスに関して紹介します。
ArcGIS Managed Cloud Service とは?
ArcGIS Enterprise の基本構成を Amazon Web Service (以下、AWS) にデプロイし、運用・管理を ESRI ジャパンが実施して提供するサービスになります。お客様はサービス申込後に短期間で ArcGIS Enterprise のポータルサイトにログインし、利用を開始することができます。本サービスを利用することで、GIS サービス、GIS データ、アプリケーションの管理が容易になります。
サービス概要
AWS の東京リージョンと大阪リージョンに ArcGIS Enterprise の基本構成をデプロイし、AWS Route53 の DNS サービスによりどちらかの環境をアクティブ環境として提供し、もう一方をコールド環境とします。障害発生時にすぐに復旧することが困難な場合にアクティブ環境を切り替えてサービス提供します。2つのリージョンは定期的にアクティブ環境でバックアップを行い、コールド環境でリストアすることで同期をとっています。
また、背景地図や住所検索などは ArcGIS Online のサービスを利用いただくことを想定しております。サービスの詳細な仕様は、サービスページの利用ルールをご確認ください。
サービスの位置づけ
ArcGIS Managed Cloud Service の主な特徴を紹介します。
利用環境は、ArcGIS OnlineとArcGIS Managed Cloud Service が基本的にインターネット接続環境に対し、ArcGIS Enterprise はインターネット・イントラネットと選択可能です。
ArcGIS Online はホストされている環境が米国となります。それに対し、ArcGIS Managed Cloud Service は日本リージョンにホストされます。ArcGIS Enterprise はホストする環境を自社で選択可能となります。
ライセンスですが、ArcGIS Online はユーザーごとの年間サブスクリプションとなります。ArcGIS Managed Cloud Service は年間のサービス利用料金と、サービスに付属する初期ユーザーを利用できます。初期ユーザーでは足りない場合に追加のユーザーを申し込むことも可能です。ArcGIS Enterprise は製品ライセンスとライセンスに付属する初期ユーザーを利用できます。ArcGIS Enterprise もユーザーを追加で申し込むことができます。
構築・メンテナンスは、ArcGIS Online が米国Esriコントロールに対し、ArcGIS Managed Cloud Service はESRIジャパンコントロールになります。ArcGIS Enetrprise は、構築・運用を外部委託しない限り、自社コントロールとなります。
また、利用開始までの期間ですが ArcGIS Online は 1 ~ 2 週間程度で利用できます。同様に ArcGIS Managed Cloud Service も申込から1~2 週間程度で利用可能となります。ArcGIS Enterprise ですが、こちらは自社で構築することを想定した場合ですが、設計・構築などの期間を考慮すると1か月単位で見積もっておいた方がよいでしょう。
ArcGIS Online | ArcGIS Managed Cloud Service | ArcGIS Enterprise | |
利用環境 | インターネット | インターネット | インターネット/イントラネット |
---|---|---|---|
リージョン
(環境ホスト) |
米国 | 日本 (IaaS環境) | 自社選択可能
(自社環境、IaaS環境など) |
ライセンス | ユーザー/年 | サービス利用料金/年
ユーザー/年 (※初期を除く追加ユーザー) |
製品ライセンス
ユーザー/年 (※初期を除く追加ユーザー) 次年度以降は保守ライセンス |
構築・メンテナンス | Esri コントロール | ESRIジャパン コントロール | 自社コントロール |
利用開始までの期間 | 1~2週間程度 | 1~2週間程度 | ケースバイケース
(※通常2週間~) |
ArcGIS Managed Cloud Service は、複雑で高度な知識が必要な ArcGIS Enterprise の基本構成のコールドスタンバイ環境を迅速に提供することが可能です。AWS Cloud Watch による自動監視を行い、AWS Systems Manager による OS・ArcGIS パッチの適用自動化により常に最新の状態にしています。また、侵入検知の仕組みも取り入れています。サービスに My Esri によるサポートサービスもついてきます。
サーバー・サービスの死活監視や、サーバーの負荷状況の監視など、運用保守作業を ESRIジャパンがすべて実施しますので、お客様の運用負荷も低減されます。
ArcGIS Managed Cloud Service は、今後も ArcGIS を利用するための便利なサービスを企画しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。