商圏分析・エリアマーケティングに特化したクラウド型 GIS ソリューション ArcGIS Business Analyst Web and Mobile Apps (以下、BA Web)が 2024 年 2 月 28 日 (アメリカ時間) (2024 年 2 月 29 日 (日本時間)) にバージョンアップしました。本記事では、本バージョンの新機能を紹介します。
目次
新機能・機能改善
適合性解析のワークフローを刷新しました
適合性解析とは、複数の重みづけされた条件に基づいてサイトをランク付けおよびスコア付けする解析手法です。本機能は BA Web Advanced で利用できます。
適合性解析分析イメージ
本バージョンでは、解析時のデザインを刷新するとともに、以下の機能を追加しています。
- 標準区画 (都道府県、市区町村、町丁・字等) での解析
- 解析結果を対話的な結果パネルで表示
- 新しいスコア計算オプション
神奈川県内の町丁・字等単位で「共同住宅比率」「推計平均世帯年収」「小学校在学者数比率」でランク付けした結果。赤いエリアほど適合度が高いことを表す。
人口統計を六角形グリッドで利用可能になりました
アメリカで利用できる人口統計データの区画に六角形グリッドを追加しました。これにより、カラーコード マップで人口統計を六角形グリッドでマッピングしたり、スマートマップ サーチや適合性解析などの解析で利用したりできます。本機能は BA Web Advanced で利用可能です。
なお、六角形グリッドのメリットについては、エリア分析で使用される区画の比較(メッシュ、町丁・字等、六角形グリッド)をご参照ください。下の例では、ほぼ同一の大きさや形状の区画で主題を表示することで、全体の傾向を一目で把握しやすくなっています。
ロサンゼルス近郊で Block Groups の区画レベルおよび六角形グリッドでアジア人人口をマッピングした例
目標物検索のデザインを刷新しました
解析時のデザインを刷新し、解析範囲の事前設定が可能になりました。また、キーワードやカテゴリ等で検索しやすいように UI の改善を行っています。
新しいインフォグラフィックスを追加しました
- ヨーロッパ地域を中心に、Spending Summary および Emergency Information を新しいインフォグラフィックスとして追加しました。
ガイドツアーのデザインを刷新しました
BA Webの各ツールの操作方法をレクチャーする機能である「ガイド ツアー」のデザインを刷新し、アクセシビリティを向上させました。
ArcGIS Experience Builder | Business Analyst ウィジェットの機能強化
ArcGIS Experience Builder で使用できる Business Analyst ウィジェットは、任意の場所からインフォグラフィックスを作成し、人口や世帯などの統計情報を視覚化する機能を提供します。以下が本バージョンアップの機能強化です。
- ワークフロー モードにて、デフォルトのインフォグラフィックスの設定が可能になりました。
- プリセット モードにて、ウィジェット内に表示する操作案内テキストが編集可能になりました。
- マップ ウィジェット 内に追加される Business Analyst ウィジェット検索バー の追加/削除オプションを追加しました。
- 国・地域単位で複数のデータソースを持つ場合、データソースの選択オプションを追加しました。
データの更新
- オーストラリア:ABS 社製の Advanced データ更新
- ドイツ:Nexiga 社製の Advanced データ更新
- タイ:Esri Thailand 社製のAdvanced データ更新
- その他統計データ:Michael Bauer Research 社製の 21 のヨーロッパ諸国と地域のデータを更新
- 目標物 (POI) データを 2023Q4 に更新
- アメリカ、カナダ、プエルトリコ: Data Axle 社製および SafeGraph 社製
- タイ:Nostra 社製
- グローバル:Foursquare 社製
- アメリカ交通量データ 2023Q4 に更新
- アメリカ国内の犯罪データを 2023B に更新
おわりに
今回のバージョンアップでは、各種機能のデザインを刷新し、機能性の向上やアクセスビリティの向上を行っています。各国の統計データや目標物(POI)データの更新も実施しております。
ぜひ最新バージョンの BA Web and Mobile Apps をエリアマーケティングや各種業務にご活用ください。