ArcGIS Pro 3.3 で一部機能のライセンス制限が緩和されました!

アイキャッチ画像 (ArcGIS Pro)

ArcGIS Pro 3.3 では、Standard 以上のライセンス レベルが必要だったいくつかの機能でライセンス制限が緩和され 、すべてのライセンス レベルで利用できるようになりました。今回ライセンスが変更された機能一覧は以下のページをご参照ください。

ArcGIS Pro 3.3 から Basic ライセンスのみで利用可能となったツール一覧

本ブログでは、その中でも特に主要な機能でもあるジオデータベースのリレーションシップ クラス機能を利用する 3 つの機能「リレーションシップ クラス」「フィーチャリンク アノテーション」「アタッチメント」についてご紹介します。

ジオデータベース リレーションシップ クラスとは

あるクラス (フィーチャクラスまたはテーブル) のオブジェクトと、別のクラスのオブジェクトの間の関連付けを管理でき、関連付けには共通のキーとしてレコードを指定します。リレーションシップ クラスは他のクラスと共にジオデータベース内に格納されます。下図は、格納の例としてジオデータベースに格納されたポイント データ (クラス1) とテーブル (クラス2) とそれらのリレーションシップ クラスを表しています。

リレーションシップ クラスを利用すると、1 つのクラスを変更した場合、関連するもう 1 つのクラスにもその変更が反映され、両クラスの整合性が保たれます。また、リレーションシップ クラスを作成することで、関連テーブルのレコード数を制御できます。その他、メリットや制限などはヘルプ「ジオデータベース リレーションシップ クラスの基礎」をご参照ください。

ArcGIS Pro 3.3 からライセンス制限が緩和された空間リレーションシップ機能

リレーションシップ クラス

リレーションシップ クラスとは、ジオデータベース内の 2 つのフィーチャクラス間、フィーチャクラスとテーブル間、または 2 つのテーブル間での関連レコードのリレーションシップや関連付けに関する情報が格納できるデータセット タイプです。

例えば以下の動画のように、関連元であるうどん店舗のポイント データと、関連先である従業員情報が格納されているテーブル間でリレーションシップ クラスを作成した場合、閉店などの理由で店舗ポイントを削除すると、関連する従業員テーブルの情報も削除され、データに不整合が発生することを防ぎます。

フィーチャリンク アノテーション

フィーチャリンク アノテーションとは、個々のフィーチャとアノテーションを関連付けるリレーションシップ クラスを持つことができ、フィーチャの変更に応じて動的に変更を行うことが可能なアノテーションです。

以下の動画は、下部に建物ポリゴンのテーブルとアノテーションのテーブルを表示しています。建物ポリゴンの建物の名称の値を変更すると、リンクしているアノテーションの文字列も一緒に変更されます。

アタッチメント

アタッチメントとは、ジオデータベースのフィーチャやテーブルにファイルをアタッチ (添付) できる機能です。

以下の動画では、ファイル (EXCEL ファイル、PDF ファイル、PNG ファイル) をアタッチした樹木ポイントを表示しています。マップ上で樹木ポイントをクリックすると、アタッチされたファイルを開くことができます。ファイルはジオデータベース内に格納されているので、参照先のファイルの移動によるリンク切れが発生することはありません。

アタッチメント作成の方法については「ArcGIS Pro でファイルを関連付ける方法」ブログもご参照ください。

また、ArcGIS Pro 3.3 では新たに [アタッチメントのエクスポート] ジオプロセシング ツールが登場し、ファイルがアタッチされているデータから、ファイルを抽出できるようになりました。こちらもすべてのライセンス レベルでご利用いただけます。

まとめ

多数の機能のライセンス制限が緩和されたことにより、Basic ライセンス レベルでも業務の幅を広げることが出来るようになりました。現在 ArcGIS Pro 3.2 以前バージョンの Basic ライセンスをご利用の方は、ぜひ ArcGIS Pro 3.3 へのアップグレードをご検討ください!

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