オフライン環境でも使える!
ArcGIS Online では、世界中の背景地図、住所ジオコーダー、道路ネットワークのロケーションサービスを利用可能ですが、ArcGIS をインターネットに接続できない環境で利用するため ArcGIS Online のサービスを使えない…あるいは、ジオコーディングやネットワーク解析をするのにクレジットが従量課金制で使いづらい…とお困りの方もいらっしゃるかと思います。そんな方におススメなのが、今回ご紹介する「ArcGIS StreetMap Premium」です!
ArcGIS StreetMap Premium は、世界の地図データ、住所データ、道路データをモバイルマップパッケージ(.mmpk)形式で提供するもので、セキュリティの関係上などでインターネットに接続できない環境でも、本製品を配置すれば、ArcGIS Pro や ArcGIS Enterprise ですぐに読み込み、利用できます。また、本製品は、年間使用料形式ですので、大量のジオコーディングやネットワーク解析も、クレジットの消費を気にすることなく、実行できます。
製品構成と整備範囲
本製品は、 北米、ヨーロッパ、アジアパシフィック、ラテンアメリカ、中東およびアフリカ、の 5 つの地域/国別に提供され、購入することができます。(日本地域の ArcGIS StreetMap Premium は日本国内からは購入できません)。背景地図+住所+道路ネットワークをセットにした「All」と、背景地図+住所の「Display+Geocode」があり、ともに年間利用料形式となります。
国によって、背景地図、住所データ、道路データの整備レベルが異なります。整備レベルが最も高い国の1つであるアメリカ合衆国では、住所データが建物レベル(またはストリート住所レベル)まで収録されているのに加えて、道路データも主要道路以外の一般道路まで収録されています。国ごとの整備レベルは以下のヘルプページをご参照ください。
どんな方におススメ?
世界中をターゲットとしているグローバル企業の方や、日本国外を研究対象地域としている研究者の方の中には、海外の住所を含む大量の住所録をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。そのような大量の住所に座標データ(緯度経度)を付与し、ArcGIS 上ですぐに活用することができるようになります。もちろん、住所検索やリバースジオコーディング(点データに住所を付与する)にも利用できます。
また、本製品に含まれるネットワークデータセットを、ArcGIS Network Analyst エクステンションですぐに利用することができますので、海外をターゲットとした商圏分析での店舗からの到達圏解析や、配車ルート解析などにご活用いただけます。国ごとの整備レベルによりますが、一方通行や右左折禁止などの交通規制や、履歴交通量や車種別の規制なども含んでおり、それらを用いた高品質なネットワーク解析が可能です。(国ごとの交通規制や交通量の収録状況は以下のページをご参照ください。)
おわりに
ArcGIS StreetMap Premium は、オフライン環境で利用できる世界の地図データ・住所データ・道路データです。セキュリティやクレジット消費が気になり ArcGIS Online のロケーションサービスを使えない…、日本国外の GISを使った解析をしたかったが ArcGIS ですぐに使えるデータが見つからなかった…、そんな方は、ArcGIS StreetMap Premium の利用をぜひご検討ください!