以前のブログで紹介した Landsat Explorer が、2024年2月に大きくリニューアルされました。本ブログでは、新たな Landsat Explorer の特徴をご紹介いたします。
目次
Landsat Explorer とは
Landsat Explorer は、ArcGIS Living Atlas of the World 上で公開されている無料の Web アプリケーションです。このアプリでは、Landsat Collection 2 Level-2 で格納されている全球データのマルチスペクトル画像を閲覧することができ、もちろん日本域のデータにも対応しています。新しい画像データが日々更新され、過去のデータも利用可能なため、長期的な地球環境の変化を簡単に分析できます。
Landsat Explorer を使用することで、衛星画像のダウンロードや加工の手間なく、閲覧・分析・共有をすることができます。
ダイナミック ビュー モード
新たな Landsat Explorer では操作画面が一新され、より直感的に操作を行えるようになりました。
ダイナミック ビュー モードでは Landsat アーカイブの最新かつ最も雲のないシーンが選択され、モザイク化された 1 つの画像レイヤーとして表示できます。また画面右下の RENDERER では 11 種の中から好きなレンダリングを設定できます。
シーンの検索
シーンの検索ではカレンダー表示されるようになり、個々の Landsat シーンを年、月、日ごとに選択できます。フィルターを使用すると、ミッション別または雲量ごとにシーンを見つけることができます。
分析
Landsat Explorer では 4 種類の分析を行うことができます。
インデックス マスク
水分や植生の活性度、地表温度が算出されたインデックス画像に対し、閾値処理を行います。閾値を調整することで値の高い場所を強調表示することができます。
時間プロファイル
マップ上の任意の場所をクリックすると、時間の経過に伴う地表温度、湿度、植生、水分などの変化をグラフで表示できます。
スペクトル プロファイル
マップ上の任意の場所をクリックすると、そのポイントのスペクトル プロファイルを生成します。事前定義されているスペクトル プロファイルから選択した地点に一番近いスペクトル プロファイルがグラフに表示されます。
変化検出
2 つのシーンを選択して差分を計算し、植生、水分、湿度の差分に基づいて変化量が閾値を満たす領域をマスクします。
共有
画面左上のリンクボタンを使って、表示中の画像やレンダリング設定をコピーできます。これにより、他のユーザーが複雑な設定を行わなくても、同じ画面を共有することが可能です。
以下のリンクはこの機能を使用して作成しました。上記で紹介した分析機能を実際の Landsat Explorer の画面で確認することができます。画像をクリックしても Landsat Explorer にアクセスできます。
- インデックス マスクを使用した琵琶湖の表示
- 時間プロファイルを使用した 2024 年の富士山頂の気温変化
- スペクトル プロファイルを使用した富士山頂のスペクトル プロファイル分析
- 変化検出を使用した 2024 年 11 月 17 日と 12 月 3 日の積雪範囲の変化分析
さらに ANIMATE モードでは、複数のシーンを選択してアニメーションを作成でき、作成した動画は MP4 にエクスポートできます。またリンクを共有することで簡単に動画を共有できます。
ANIMATE モードを使用した 2024 年の富士山頂付近のタイムラプス動画
気になった分析結果を共有するなどして、新しくなった Landsat Explorer を活用してみてください。
本ブログは、Esri 社のブログ「Learn to explore Landsat imagery using Landsat Explorer」の内容を一部抜粋し、翻訳・加筆したものです。