先日ブログ記事「ArcGIS Viewer for Silverlight バージョン 3.0 をリリース」でもご紹介した ArcGIS Viewer for Silverlight 3.0 ではアドインという形式で新しいツールが追加されています。その新しく追加されたツールのソースコードは ArcGIS Online から無償でダウンロードすることができます。
そして、この他にもツールが ArcGIS Online で紹介されており、それらもダウンロードして利用することができます。
本ブログでは「Go To coordinate Tool」というツールをダウンロードし、ArcGIS Viewer for Silverlight で利用する方法についてご紹介します。
このツールは入力した緯度経度の座標値にマップの表示範囲を移動させるというものです。また今回は UI(ユーザ インタフェース)が英語なので、それを日本語にする方法も併せてご紹介します。
「Go To coordinate Tool」詳細ページ
では早速、手順に従ってツールをダウンロードして利用していきましょう。
1. ツールのダウンロード
上記詳細ページの下部の [ダウンロード] リンクをクリックしてダウンロードし、ファイルを解凍します。
解凍されたフォルダには下図のようなファイルが格納されています。
「GoToCoordinates.AddIns.xap」というファイル(xap ファイル)があり、これがアドインとして追加するファイルです。これをそのまま使うことも可能ですが、UI を日本語にしてから追加してみましょう。
2. UI の日本語化
Microsoft Visual Web Developer 2010 Express もしくは Microsoft Visual Studio 2010 を使って [GoToCoordinates.sln] というソリューションファイルを開きます(開発および動作環境の詳細についてはこちらをご参照ください)。
[GoToCoordinates.AddIns] プロジェクトに [GoToCoordinatesView.xaml] という UI を定義しているファイルがあるので、ダブルクリックして開きます。
このときエラーが出ますが、 [メニューバー] の [ビルド] からソリューションをクリーンして、ビルドしてみてください。その上でまだエラーが出る場合は、おそらくライブラリがうまく参照できていないと思われますので、正しいライブラリを参照してください*。
* Silverlight 5 プラットフォームで利用されるライブラリ
[System.Windows.Interactivity] については、ドキュメント「ArcGIS API for Silverlight v2.4 から v3.0への移行ガイド」を参照ください。
デザインビューに UI を表示できれば、コントロールのテキストに表示されている英語をお好みの日本語に変えて、再度ビルドを実行すれば終了です。
すると、解凍フォルダ内 [GoToCoordinates] → [GoToCoordinates.AddIns] → [Bin] → [Debug](ソリューション構成が ”Debug” のとき)に先ほどご紹介したものと同じ [GoToCoordinates.AddIns.xap] ファイルが作成されます(ソリューション構成が “Release” なら、[Bin] → [Release] に作成されます)。
早速 ArcGIS Viewer for Silverlight にアドインとして追加します。
3. ArcGIS Viewer for Silverlight にツールを追加
ArcGIS Viewer for Silverlight を開き、右上の [設定] から設定画面に移ります。
[アドイン] タブの [アドインのアップロード] ボタンをクリックして、表示されたダイアログで先ほどの xap ファイルを選択して追加します。
追加すると、下のようなダイアログが出る場合がありますが、ここでは [OK] で追加します(すでにアセンブリがアプリケーションに含まれているために出る警告で、追加しても問題ありません。もし回避したい場合はビルドを行う前に、[参照設定] 内の該当ライブラリのプロパティ [ローカルコピー] を ”False” にしてください)
。
4. ビューア アプリケーションで追加したツールを設定
前の画面に戻り、新規にアプリケーションを作成します。
リボンの [ツール] タブをクリックし、[ツールの追加] もしくは [管理] ボタンをクリックします(下の画像は [ツールの追加] ダイアログです)。
[Go To Coordinates] ツールを選択して [次へ] をクリックし、次の画面でそのまま [OK] をクリックして追加完了です。するとマップ ビューの右上のツールバーの右端にツール が表示されます。
5. 追加されたツールを実行
ダイアログが表示されたら、次の値を入力して移動してみましょう。
・座標値「136.805278, 34.858333」
・表示範囲「100000000」
・・・いかがですか?ちゃんと移動しましたか。どこに移動したかは実行してからのお楽しみということで。
アドインとして様々なツールやビヘイビアー、そしてアプリケーションのレイアウトが ArcGIS Online で公開されています。これらを使ってビューア アプリケーションを拡張したり、ソースを参照して独自のアドインやレイアウトを作成したりして、ArcGIS Viewer for Silverlight での快適な Web マッピング アプリケーションの作成を満喫してみてはいかがでしょうか。
ArcGIS Viewer for Silverlight のスタートアップ ガイドも公開しておりますので、そちらも是非ご覧ください。
※ArcGIS Online で公開されているツールなどは、あくまでサンプルであるためサポート対象外となります。ご了承ください。したがって、サンプル プログラムに関するご質問はお受けできません。また、本サンプルを使用して生じたいかなる損害についても、弊社では責任を負いかねますことを予めご了承願います。
■関連リンク
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・ArcGIS Viewer for Silverlight
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