前回に引き続き、2017 年 6 月 28 日にアップデートされた、クラウド GIS である ArcGIS Online の最新バージョンの新機能をご紹介します。今回は、マップ ビューアー、解析、管理機能、アカウント、コンテンツ、ホスト Web レイヤーの新機能です。
マップ ビューアー
・ポップアップで、ArcGIS の新しい独自言語である Arcade で記述された属性条件式の定義および属性条件式の使用のサポートが強化され、属性条件式により、フィーチャから新しい属性を動的に作成できるようになりました。
・印刷機能に [マップと凡例] が追加され、凡例を印刷できるようになりました。また、ベクター タイル レイヤーや Esri ベクター ベースマップも印刷に対応しました。
・イメージ サービスをマップ ビューアーで追加した際に、画像の調整機能に [シンボルのタイプ] の項目が追加され、[ストレッチ] で表示するか、[分類] で表示するかを選択できるようになりました。
[分類] を選択すると、分類方法やクラス数を指定することができます。
[ストレッチ] を選択すると、画像の全体の統計値を表示したり、動的な範囲調整を行わない場合に最大値などを任意に変更したりできるようになりました。
解析
・解析実行後、解析ボタンの横に [解析の再実行] ボタンが追加され、再度同じ解析を実行することができるようになりました。
管理
・マップとシーンのベースマップ ギャラリーに、ベクター ベースマップを設定できるようになりました。この設定を行うと、ベクター マップの表示に対応したアプリのベースマップ ギャラリーにも適用されます。
・HTTPS のみを使用する組織の組織 URL で、HSTS(HTTP Strict Transport Security)がサポートされるようになりました。
・[オリジンの許可] セキュリティ設定を使用して、CORS(Cross-Origin Resource Sharing)を介して接続できる Web アプリのドメインを ArcGIS REST API に制限できるようになりました。
・組織が送信した電子メールが配信されなかった場合に、指定された管理者に通知されるようになりました。
アカウント
・アカウントの切り替えを行う場合に、現在のアカウントにサイン インしたままにするオプションが追加されました。
コンテンツ
・人口統計マップに、最新の Michael Bauer Research(MBR)データを使用して、日本を含めた 30 カ国以上の国の更新版がリリースされています。日本では市区町村単位だった統計データを町丁字の単位で利用できるようになります。
ホスト Web レイヤー
・フィーチャ レイヤーからタイル レイヤーを公開した場合に、タイルを自動作成できるようになりました。ユーザーがマップを移動、拡大した範囲でタイルが作成され、作成されたタイル キャッシュは ArcGIS Online 上に保存されます。
タイルのソースとなるフィーチャ レイヤーが編集されると、タイル レイヤーのタイルも自動更新されます。また、この機能をより手軽に使えるように、タイル生成にかかるクレジットを従来の十分の一の 10,000 タイル生成につき 1 クレジットに大幅に減らしました。
・フィーチャ レイヤー テンプレートからホスト フィーチャ レイヤーを作成する場合に、[GPS 受信機情報の取得] オプションが追加され、チェックボックスをオンにすると Collector for ArcGIS で高精度の GPS 情報を記録するフィールドと関連ドメインを追加できるようになりました。
・ホスト フィーチャ レイヤーからホスト シーン レイヤーを公開する機能が、ベータ版ではなくなり、レイヤーの公開と保存にクレジットが消費されるようになりました。
・[コンテンツ] ページの [追加] で、Excel ファイルからホスト フィーチャ レイヤーを公開できる機能が新しく追加されました。フィーチャ レイヤーにするデータは、シート単位で選択することできます。また、ホスト フィーチャ レイヤーから KML および Excel ファイルとしてエクスポートできるようになりました。
注)バージョンアップされた内容を確実にご利用いただくために、お使いの Web ブラウザーのキャッシュ(インターネット一時ファイル)を削除してください。主な Web ブラウザーのキャッシュ削除方法については、以下のリンク先をご参照ください。
新機能の詳細につきましては、ArcGIS Online ヘルプをご参照ください。
■ 関連リンク
・ArcGIS Online 製品ページ
・ArcGIS Online ヘルプ