みなさんはこのマーク「〒」がいつ定められたかご存じですか? 1887 年 2 月 8 日に、逓信省(現在の総務省)が「〒」を告示したそうです。そのため、2 月 8 日は「郵便マークの日」となっています。
ArcGIS Pro でデータを可視化する際に様々なシンボルの描画方法がありますが、どの描画方法がいいか悩むときはありませんか?郵便マークの日にちなんで、「郵便局数が多い都道府県を示すためのマップを作成する」と仮定し、どの描画方法が適切なのかを一緒に見ていきましょう!
シンボル
効果的かつ適切にマップ情報を伝達するために、適切なフィーチャの描画方法を選択するのはキーポイントとなってきます。シンボルを割り当てる際に考えるべきポイントは、定量的なデータなのか、あるいは定性的なデータの差異を表示したいかです。今回は都道府県別に郵便局数をマップで示したいため、定量的なデータの差異を表示するということになります。この点を踏まえて、どのシンボル描画が適切なのかを見ていきます。
単一シンボル
マップにレイヤーを追加時にデフォルトで描画されるのが、単一シンボルとなります。単一シンボルはレイヤー内のすべてのフィーチャに同じシンボルを適用し描画します。例えば日本の領土や郵便局の場所を表示するなど、1 つのカテゴリだけを含むレイヤーの描画の際に使用が多いシンボルです。どちらかというと、定性的なデータを描画する際に適しているシンボルと言えます。そのため、郵便局数の差異を示すには適していないシンボルであることがわかります。
個別値シンボル
1 つ以上のフィールドの個別値に基づいて、レイヤーを色分けし描画する方法が個別値シンボルです。郵便局数のフィールドを指定して、個別値シンボルで描画した地図が下記の図となりますが、どの県に郵便局数が多いかはわかりづらいですね。このシンボルは、例えば、各都道府県をそれぞれ色分けして表示したい場合などに適しています。各フィーチャに別々の色が割り当てられるため、郵便局数が多い少ないことを読み取ることは難しいため、今回は適切ではないでしょう。
数値分類
特定のフィールドの数値に基づきグループ化し、レイヤーを色分けして描画する方法が数値分類です。数値分類にはいくつかの種類があり、たとえば、グループごとに異なるシンボル サイズが割り当てられる等級シンボルや、グループごとに異なるシンボル色が割り当てられる等級色などがあります。数値に基づいているということからも、どちらかというと定量的なデータを示す際に適していることがわかります。そのため、今回のような都道府県別に郵便局数を描画したい際に適切な描画方法だと言えます。ただし、郵便局の数のように、集計する都道府県の面積が大きいほど数が大きくなる傾向があります。この場合は、面積で正規化して、面積当たりの郵便局数で表現すると、都道府県ごとの面積の差を均等にすることができます。
※今回使用したデータは郵便局のオープンデータ(出典:日本郵便株式会社 Web サイト)からダウンロードした全国の郵便局数の情報が記載されている Excel を編集し、必要な情報のみ選別し、使用しました。その後、ArcGIS Pro 上で都道府県別のポリゴン データとテーブル結合したものを使用しました。
数値分類で描画することで、「郵便局数が多い都道府県を示すためのマップ」を作成することができました!等級色で描画した場合(上記画像左側)では、北海道や中部地方で郵便局数が多いと見受けられますが、法律により各市区町村には 1 つ以上の郵便局を設置しなければならないと定められているため(出典:e-Gov ウェブサイト)ではないかと、考察することが可能です。ですが、面積で正規化して描画することによって、やはり東京や大阪に郵便局数が多いことがわかります。
今回は数値分類という描画方法を選びましたが、目的や使用しているデータによってどの描画方法が適しているかは異なります。どの描画方法が良いか迷ったときには、実際に ArcGIS Pro 上で描画してみるとわかりやすいですよ!今回のブログで少しでもみなさまのお悩み解決に近づけていたら幸いです。