高機能デスクトップ GIS である ArcGIS Pro 3.0 が 2022 年 8 月 11 日 (日本時間 8 月 12 日) にリリースされました。ArcGIS Pro 3.0 では、多くの新しい機能の追加や機能改善が行われました。
本記事では、ファイル ジオデータベースのアイテムの変更日とサイズの確認手順と、SQL Server のデータベースを移動する際、エンタープライズ ジオデータベースのバージョンが 11.x 以降のデータベースに別名を付ける手順について簡単にご紹介します。
フィーチャクラスおよびテーブルのサイズと変更日を表示
ファイル ジオデータベースのフィーチャクラスおよびテーブルのサイズと変更日を表示できるようになりました。
表示までの手順を簡単にご紹介します。
[file_geodb.gdb] というファイル ジオデータベース内のフィーチャクラスおよびテーブルのサイズと変更日を確認します。
- まず、ArcGIS Pro 3.0 の上部のタブ [表示] を選択し、[表示] タブ内の [カタログ ビュー] をクリックします。
- [カタログ ビュー] から、先ほどの [file_geodb.gdb] というファイル ジオデータベース を開きます。
下図のように、アイテムの一覧の中に [更新日] と [サイズ] が表示されます。
リスト形式の一覧が表示されない場合、ビューの下部にある ボタンを使用してください。
エンタープライズ ジオデータベースのデータベースに別名を付ける手順
今回は、SQL Server Management Studio を使用して、エンタープライズ ジオデータベースのバックアップ/リストアを行います。
- まず、ArcGIS Pro 3.0 で作成した SQL Server のエンタープライズ ジオデータベースを用意します。
データベース名は [geodb]、user1 というデータベース ユーザーが [日本地図] というフィーチャクラスを持っています。
- SQL Server Management Studio を使用し、geodb のバックアップ ファイルを作成します。
- 次に、そのバックアップ ファイルを使用し、元のデータベースがあったサーバーとは別の環境 (※元のエンタープライズ ジオデータベースと違う拠点環境にエンタープライズ ジオデータベースを構築する場合、別途ライセンスが必要になります) にデータベースを復元していきます。
- [データベースの復元] ダイアログで、[ソース] で [デバイス] を選択し、先ほど作成したバックアップ ファイルを選択してください。
- [転送先] の [データベース] に任意の名前を入力します。ここでデータベースの名前を変更できます。
今回は [geodb_bk] という名前を設定します。
[geodb_bk] というデータベースが作成されました。
- ユーザーのログインなどの設定を適宜行います。
- ArcGIS Pro 3.0 から [geodb_bk] に user1 のユーザーを使用して接続します。
[geodb] と同じ [日本地図] のフィーチャークラスが格納されています。
まとめ
ArcGIS Pro 3.0 では、ファイル ジオデータベースのフィーチャクラスおよびテーブルのサイズと変更日を表示できるようになりました。アイテムのサイズや変更日を確認できることで、古くなったデータを削除する際に見つけやすくなったり、サイズの大きいデータを判別しやすくなります。
また、SQL Server の エンタープライズ ジオデータベース を移動する場合、 データベースを復元する際に名前を変更できます。データベースの名前を変更できることで、例えば同じデータを持つデータベースをもう一つ作成したい場合などに、元のデータベースと混合しない名前を設定できます。