米国 Esri 社より ArcGIS Web AppBuilder がサポート終了することが発表されました。本記事ではサポート終了に関する詳細な情報をご紹介します。
本記事は米国 Esri 社が ArcGIS Blog に投稿した「ArcGIS Web AppBuilder Roadmap for Retirement (esri.com)」を翻訳したものになります。
ArcGIS Web App Builder がサポート終了することになりましたので、サポート終了までの流れと詳細をお知らせします。これまで作成した ArcGIS Web AppBuilder のアプリは引き続き動作しますが、ArcGIS の新機能を活用し、ブラウザー技術の変化に対応するために、アプリケーションを ArcGIS Experience Builder に移行することを推奨しています。以下はそのスケジュールと詳細です。
Developer Edition
Developer Edition は、ArcGIS API for JavaScript バージョン 3.x のサポート終了に伴い、2024 年 7 月にサポートが終了されます。
ArcGIS Web AppBuilder (ArcGIS Enterprise)
ArcGIS Enterprise に含まれる ArcGIS Web AppBuilder は、この発表をもって非推奨とします。ArcGIS Web AppBuilder は 2025 年前半まで ArcGIS Enterprise の一部としてリリースされますが、それ以降は ArcGIS Enterprise の新しいバージョンではリリースされなくなる予定です。ArcGIS Enterprise の既存バージョンは、ArcGIS Enterprise の製品ライフサイクルに沿ってサポートが継続されます。
ArcGIS Web AppBuilder (ArcGIS Online)
ArcGIS Online の ArcGIS Web AppBuilder は 2025 年の第 4 四半期にサポートを終了する予定です。
ArcGIS Web AppBuilder は 2014 年に初めてリリースされましたが、それ以来、企業組織や一般市民の困難な問題を解決するために、ユーザーの皆様が作成した素晴らしい Web アプリを目にすることができました。 ArcGIS Web AppBuilder は、2024 年 7 月にサポートを終了する米国 Esri 社の旧型 Web API である ArcGIS API for JavaScript 3.x を利用しています。ArcGIS Web AppBuilder の基盤技術のサポート終了に伴い、ArcGIS Online、ArcGIS Enterprise、および ArcGIS Developer Subscription の ArcGIS Web AppBuilder も廃止される予定です。
ここ数年、米国 Esri 社の Web テクノロジーは進化し、モダン化されています。ArcGIS Experience Builder は、Esri の最新の Web マッピング技術である ArcGIS Maps SDK for JavaScript をベースに構築されています。そのため、最適化されたパフォーマンスを提供し、モバイルへの最適化、Web アプリ内で 2D と 3D の併用、柔軟なデザイン、ワークフローの合理化、他の ArcGIS アプリとの統合など、ArcGIS Web AppBuilderが提供する機能をはるかに超える幅広い機能を実現することができます。ArcGIS Experience Builder は、ArcGIS Web AppBuilder が持つ機能の大部分を搭載しているため、アプリの移行を開始できる段階です。ブラウザーのアップデートにより、米国 Esri 社では対応できない機能的またはセキュリティ上の問題が発生する可能性があるため、Web AppBuilder アプリは Experience Builder に移行することを強くお勧めします。そのため、できる限り移行してください。
Web AppBuilder と Experience Builder の機能マトリックスをご覧ください。
目次
FAQ
作成した Web アプリはサポート終了後も使用できますか?
Developer Edition
使用できます。ただし、不具合修正や機能拡張は行わない予定です。ブラウザーの更新により、Esri が対処できない機能的またはセキュリティ上の問題が発生する可能性があります。また、製品サポートも終了となります。
ArcGIS Enterprise
使用できます。ArcGIS Web AppBuilder は引き続きサポートされており、ArcGIS Enterprise の製品ライフサイクルに沿ってサポートが継続される予定です。
ただし、セキュリティ アップデートなどの重要な不具合修正のみを行い、それ以外はメンテナンス モードとし、機能拡張は予定していません。
ArcGIS Online
使用できます。これまで作成した ArcGIS Web AppBuilder アプリは引き続き動作します。ただし、サポート終了後は新しいアプリを作成することはできません。これ以上の不具合修正や機能強化は行われません。ブラウザーの更新により、米国 Esri 社では対処できない機能的またはセキュリティ上の問題が発生する可能性があります。また、製品サポートも終了となります。
製品ライフサイクル サポート ポリシーをご確認ください。
このサポート終了の影響を軽減するために、どのような行動をとればよいのでしょうか?
ArcGIS Web AppBuilder アプリは、ArcGIS Experience Builder に移行することができます。ArcGIS Online および ArcGIS Enterprise の ArcGIS Web AppBuilder については、こちらの移行に関するビデオをご覧ください。
Developer Edition で作成されたカスタム ウィジェットやテーマを含むカスタム アプリについては、ArcGIS Experience Builder Developer Edition でウィジェットやテーマを再構築するためのヒント、テクニック、および推奨されるベスト プラクティスについては、こちらのトピックを参照してください。
一部の ArcGIS Web AppBuilder のウィジェットは、Experience Builder のウィジェットに同等の機能があるため、文字通り ArcGIS Experience Builder に移行されないことに注意してください。また、ArcGIS Web AppBuilder ウィジェットで利用できる機能(例えばフィーチャ レイヤーでのクラスタリングなど)は、ArcGIS の基本機能として提供されているため、特別なウィジェットを使用せずに Experience Builder で使用できる場合もあります。いくつかのケースでは、ArcGIS Web AppBuilder に含まれる機能は非常に専門的であり、お客様が設定および使用できる専用の ArcGIS Instant Apps で実現するのが最善であると米国 Esri 社が判断したものがあります。これらの詳細は、Web AppBuilder と Experience Builder の機能マトリックスに記載されています。
さらに、ArcGIS Web AppBuilder アプリから ArcGIS Instant Apps、ArcGIS Dashboards、ArcGIS StoryMaps などの他の ArcGIS アプリへの移行を、適切なタイミングで検討することができます。
ArcGIS Enterprise にカスタムウィジェットを追加することはできますか?
ArcGIS Enterprise 11.0 からは、ArcGIS Web AppBuilder で行ったように Experience Builder カスタム ウィジェットを ArcGIS Enterprise に追加することができます。ArcGIS Web AppBuilder のカスタム ウィジェットは、ArcGIS Experience Builder に移行することを強くお勧めします。Web AppBuilder カスタム ウィジェットを ArcGIS Enterprise に追加する機能は非推奨であり、サポートされていない ArcGIS Web AppBuilder Developer Edition のバージョンに依存しています。
サポート終了後も Developer Editionのダウンロードを継続できますか?
ArcGIS Web AppBuilder Developer Edtition の既存バージョンは、サポート終了後も ArcGIS Developers の Web サイトからダウンロードすることが可能です。ArcGIS Developers の Web サイトでは Developer Edition のページが更新され、サポートを終了した技術としてステータスが反映される予定です。
移行のためのリソース
ArcGIS Experience Builder は、最新のマップ中心またはマップ中心でない Web アプリケーションおよび Web ページを構築するための新しい方法を提供します。ArcGIS Web AppBuilder とは異なるアーキテクチャのため、移行はアプリケーションの再設定または書き直しを意味します。私たちは、皆様が直面する恐れがある課題を認識しています。そこで、移行戦略に関する意思決定を支援し、移行を開始するために利用可能なリソースを共有するために、有益なドキュメントを共有します。
ArcGIS Experience Builder 2023年 ロードマップ
Web AppBuilder と Experience Builder の機能マトリックス
Experience Builder を使用した ArcGIS Web AppBuilder アプリのモダン化
Experience Builder を始めるのに役立つリソースの全リスト
ご不明な点がありましたらESRIジャパンのサポートへお問い合わせいただくか、Esri Community に投稿ください。
関連リンク
ESRIジャパン Web サイト
・ArcGIS Maps SDK for JavaScript | ESRIジャパン製品 | ESRIジャパン (esrij.com)
・ArcGIS Online | ESRIジャパン製品 | ESRIジャパン (esrij.com)
・ArcGIS Enterprise | ESRIジャパン (esrij.com)
・ArcGIS Experience Builder | ESRIジャパン (esrij.com)
開発リソース集
・ArcGIS Maps SDK for JavaScript
・ArcGIS Web AppBuilder(Developer Edition)
・ArcGIS Experience Builder(Developer Edition)
米国 Esri 社 Web サイト
・ArcGIS Maps SDK for JavaScript 4.x
・ArcGIS API for JavaScript 3.x
・ArcGIS Web AppBuilder (Developer Edition)