2024 年 6 月 26 日 (日本時間 2024 年 6 月 27 日) に、クラウド GIS である ArcGIS Online がアップデートしました。主な機能追加・機能改善の内容をご紹介します。
目次
ゴミ箱の追加
ゴミ箱を有効にするオプションが追加され、アイテムを誤って削除するリスクを軽減できるようになりました。組織の管理者がゴミ箱を有効にした場合、削除したアイテムはゴミ箱に移動し、削除から 14 日間に限りアイテムを復元できます。復元されなかったアイテムは 14 日後に自動的に削除されます。
ゴミ箱機能の詳細は後日、本ブログでご紹介します。
Map Viewer
ラベルの機能拡張
ラベルをカスタマイズする際、河川、道路などのラインに沿ってラベルの位置を調整できるようになりました。
また、ラベル文字やアウトライン (ハロー) の透過度も設定できるようになりました。
フィールドの管理
ホスト フィーチャ レイヤーまたはホスト テーブルに対して、[フィールド] ウィンドウからフィールドを追加・削除できるようになりました。
属性テーブルの機能拡張
Map Viewer の属性テーブル内でレコードの作成・編集やフィールド演算を実行できるようになりました。
Map Viewer での解析
Map Viewer の解析ツールでは、データのパターンを定量化し、関係を理解することができます。
本アップデートにおいて ArcGIS ユーザー タイプが更新され、以下の機能を実行できるようになりました。
- Creator、Professional、Professional Plus ユーザー タイプでは、ホスト イメージ レイヤーを公開できます。
- ArcGIS Image for ArcGIS Online を割り当てられていれた Creator ユーザー タイプの既存のメンバーは、Professional ユーザー タイプに移行する必要があります。
- Professional および Professional Plus ユーザー タイプでは、ラスター解析を実行できます。
カスタム Web ツール
カスタム Web ツールが Map Viewer で利用できるようになりました。ArcGIS Online のノートブックから公開された Web ツールや、ArcGIS Enterprise で公開されたカスタム Web ツールを Map Viewer の [解析] ウィンドウから実行できます。カスタム Web ツールは、Map Viewer の他の解析ツールと同様に機能するため、組織内の誰もが高度な解析機能を活用できます。
Scene Viewer
タイム スライダー
Scene Viewer でタイム スライダーが利用可能になりました。時間が有効化された 2D/3D レイヤーを時系列でアニメーション表示できます。また、個々のレイヤーに表示期間を設定して、異なるデータセットを 1 つの連続したタイム ストーリーにまとめることもできます。時間設定は、シーンのスライドをキャプチャする際にも保持されます。
メディア レイヤー
Scene Viewer にメディア レイヤーを追加できるようになりました。たとえば、スキャンした過去のマップや画像と、現在の 3D 景観を切り替えて、都市の経年変化を視覚化することができます。
3D ダッシュボード
Scene Viewer から直接 3D ダッシュボードを作成できるようになりました。
ArcGIS Web Editor
ArcGIS Web Editor は、ArcGIS Online で集中的かつ効率的な編集を実現する新しい Web ベースの編集アプリです。Web Editor は、スナップ、テンプレート、フォームなど、すでに使い慣れたツールと新しい機能を組み合わせたもので、以下の操作を実行できます。
- フィーチャの作成と更新
- 頂点の編集
- 属性の編集
- 関連レコードの編集
- 編集制約とスナップの使用
- フィーチャのコピーと貼り付け
- フィーチャの移動、形状変更、分割、統合
ArcGIS Notebooks
ArcGIS Notebooks は、ArcGIS 用に最適化された Jupyter Notebook エクスペリエンスを提供し、高度な空間アルゴリズムと強力なオープンソースの Python ライブラリを組み合わせて、高度な空間データ サイエンス モデルを開発できます。
本アップデートにおいて、ArcGIS Online でノートブックを Web ツールとして公開できるようになりました。入出力パラメーターを設定してノートブックを公開し、Web アプリケーションで利用できるため、ArcGIS Notebooks で開発した分析モデルの共有と利用が容易になります。公開された Web ツールを実行するには、実行するユーザーにノートブック権限と、ノートブックの実行に必要な追加権限が必要となります。
アカウントと管理
ArcGIS ユーザー タイプの更新
ユーザー タイプの更新により、ArcGIS の機能、アプリケーション、サービスへのアクセスが拡張されました。この更新は現在のワークフローには影響しませんが、ArcGIS へのアクセスが簡素化されます。新しいユーザー タイプは自動的に適用されるため、特別な操作は不要ですが、組織の管理者は、組織の [ライセンス] タブで詳細を確認できます。更新されたユーザー タイプの概要については、ユーザー タイプおよび ArcGIS ユーザー タイプ最新版のご紹介をご参照ください。
組織のレポートの機能強化
クレジット レポートが強化され、ストレージ、画像解析、登録アプリの使用に関するクレジット消費の詳細が含まれるようになりました。組織の管理者は、組織の [ステータス] タブでクレジット レポートを作成できます。レポートには、指定された期間中の各メンバーによるクレジット消費が含まれます。クレジット レポートを使用して、ユーザー別、アプリ別、組織別など、さまざまな方法で使用量を確認できます。
また、アイテム レポートでは、組織のゴミ箱にあるアイテムを確認できるようになりました。
ArcGIS Instant Apps
ArcGIS Instant Apps は、次世代の Web マッピング アプリケーションであり、高速モードまたはフル セットアップ モードを使用して迅速かつ容易にアプリケーションを構築できます。
レポーター テンプレート
これまでベータ版として提供していたレポーター テンプレートがリリース版になりました。レポーターでは、アプリの利用者が特定のエリアに関する問題や意見を閲覧したり、報告したりすることができます。コメントや投票もサポートされており、報告内容は、アプリで使用されるマップに追加されます。マップや報告内容を閲覧するためのマップ操作ツールも含まれています。詳細はヘルプをご参照ください。
ArcGIS Experience Builder
スクロール ページや複数ページなど、柔軟なデザイン構成の Web アプリをノーコードで構築できる ArcGIS Experience Builder では、ビルディング エクスプローラー、フィーチャ レポート、計測ウィジェットが新しく追加されました。また、既存のウィジェットも機能強化されています。詳細は後日、本ブログにてご紹介します。
その他の新機能はヘルプをご参照ください。
バージョンアップされた内容を確実にご利用いただくために、お使いの Web ブラウザーのキャッシュ (インターネット一時ファイル) を削除してください。主な Web ブラウザーのキャッシュ削除方法については、以下のリンク先をご参照ください。