この 5 年間で日本の人口はどう変わった? 2025 年国勢調査速報値を地図で見てみよう

2026 年 5 月 29 日、総務省より 2025 年 (令和 7 年) 国勢調査の人口速報集計が公開されました。これにより、人口や世帯数の最新データをいち早く活用できるようになりました。今回公開された人口速報集計を、市区町村ポリゴンと結合して ArcGIS Living Atlas (以下、Living Atlas) に登録しています。

では Map Viewer で Living Atlas にある 2025 年国勢調査 の人口速報集計を表示し、この 5 年間の変化を見ていきましょう。

この 5 年間で全国の人口はどう変化した?

「地方の人口減少」「東京一極集中」という言葉は日々目にしますが、実際に地図で見るとどうなのでしょうか。このデータで 2020 年と 2025 年の人口を比べてみると、全国的な減少傾向のなかにも、地方部で人口が増えている市区町村が確かに存在することが見えてきます。

図 1 は、2020 年から 2025 年にかけての人口増減率をマップに表示したものです。
冒頭で触れたように、ほとんどの市区町村で人口は減少しており、首都圏や名古屋、阪神地区、福岡など都市部を中心に人口が増加していることが分かります。

図 1 2020 年から 2025 年の人口増減率

注目したいのは、都市部以外の市区町村でも所々で人口増加が見られる点です。たとえば長野県北佐久郡御代田町 (図 2) は、周辺自治体が軒並み人口を減らすなかで 6.4% (+1,000 人) も増加しています。すぐ隣には軽井沢町がありますが、御代田町も避暑地や別荘地として人気なのでしょうか。

御代田町のブログによると、インフラや公園の整備、文化施設の建設、子育て支援、雇用の創出といった施策に取り組んでおり、「住みやすいまち」として転入者が増えていることが背景にあるようです。

また、気候の影響もあるかもしれません。Living Atlas に登録してある、10 分ごとに更新されるアメダス観測所および最新時刻の観測データである気温データと重ね合わせてみましょう。
図 2 は、2026 年 7 月 29 日 10:30 ごろの様子ですが、国勢調査と重ね合わせてみると、御代田町や、その南部に位置する南牧村は約 24 度、周辺地域は 27 ~ 28 度と気温が 3 ~ 4 度ほど低いことが分かります。夏も比較的過ごしやすいという気候も人口増加の一因となっているかもしれません。

図 2 長野県北佐久郡御代田町付近の人口増減率 (上図) と
  7/29 10:30 ごろの気温データを重ねた地図 (下図)

ここまで、都市部や一部地域の増加をみてきましたが、沖縄県、特に沖縄本島では半数以上 (26 市区町村中 16 市区町村) の市区町村で人口増減率がプラスとなっています。(図 3) 沖縄県では以前から人口が増加傾向にあり、2020 年から 2025 年においてもその傾向が続いていることが読み取れます。一方で、沖縄本島周辺の島々では、人口増減率がマイナスとなっているところが多く、沖縄本島と周辺の島々で人口増減の傾向が対照的であることが分かります。

KOKUSEI_R7_OKINAWA

図 3 沖縄県の人口増減率

人口減少から増加に転じた地域は?

今回の国勢調査の 5 年間の人口増減率に加えて、前回の国勢調査も使用し、増加から減少、逆に減少から増加した地域を見つけるのも興味深いです。令和 2 年国勢調査の人口速報集計も使用し、過去 2 期間 (2015-2020、2020-2025) を比較すると、地域によって人口増減の傾向が大きく変化していることが分かります。

熊本県西原村では -5.5% から +6.6%、北海道南幌町では、-7.6% から +7.8%、長野県南牧村では -4.0% から +3.1% と減少傾向から増加傾向に転じています。
一方で、秋田県東成瀬村では +3.7% から -15.2%、山梨県早川町では +2.8% から -15.5% へと増加傾向から大幅な減少傾向への変化が見られました。(図 4)

このように、過去の国勢調査と比較することで、人口増減の傾向が変化した地域を見つけることができます。こうした地域を抽出し、その背景にある産業構造や交通利便性、移住施策などの地域特性を地図上で重ね合わせてみると、新たな発見があるかもしれません。

図 4 2015 年から 2020 年 と 2020 年から 2025 年で人口増減の変化がある市区町村

おわりに

本記事では、Living Atlas に登録している国勢調査の人口速報集計を使って、ArcGIS 上で人口の増減を見ていきました。統計だけでは分かりにくい、周辺市区町村との人口増減率の違いや増減の変化などを、地図で可視化することで把握しやすくなる点が大きなポイントと言えるでしょう。また、Living Atlas のその他のデータも重ねて使用することで人口が増加した原因に対する考察も可能です。

皆様も本データをマップに追加し、ご自身の地域の変化を確認してみてください。

そのほかにも Living Atlas には、ArcGIS ユーザーであれば無償で使用できる様々なデータが登録されておりますので、ぜひご活用ください。詳しい使い方は、こちらの記事をご確認ください。

関連リンク

関連ブログ

フォローする