2026 年 7 月 21 日 (日本時間 2026 年 7 月 22 日) に ArcGIS Survey123 (以下「Survey123」)がアップデートされました。今回のアップデートでは Web デザイナーに、元に戻す/やり直し機能が追加されるなど、いくつかの機能強化が行われています。また、次世代版アプリである Survey123 Mobile/Survey123 Studio がリリースされました。本記事では、主な更新内容と次世代版アプリについてご紹介します。
目次
Survey123 とは?
Survey123 は、現地調査の準備、実施、集計作業という 3 ステップをシンプルかつ直感的な操作で行うことができる GIS アプリケーションです。Survey123 を利用すると、洗練された調査票を Web ベースで簡単に作成できます。マルチ デバイスに対応しており、あらゆる端末・環境からデータ収集が可能です。また、収集されたデータはリアルタイムで集計され、シームレスに利用できます。
ESRIジャパンでは、Survey123 の簡単な利用ガイドとして、「Survey123 スタートアップ ガイド」を公開しています。あわせてぜひご参照ください。
Survey123 Web サイトの新機能/機能強化
一部の AI アシスタントの正式リリース
これまでプレビュー版として提供されていた Survey123 アシスタントと翻訳アシスタントが正式リリースとなりました。
Survey123 アシスタントでは、AI アシスタントとのチャット形式のやり取りを通じて、調査票のドラフトを作成できます。一方、翻訳アシスタントでは、作成した調査票を複数の言語へ翻訳することが可能です。
正式リリースに伴い、これらの機能をより安心して業務でご利用いただけるようになりました。機能の詳細は、それぞれ以下のドキュメントをご参照ください。
- ArcGIS Survey123 の AI アシスタントを活用して、会話形式で現地調査票を作成しよう! (ArcGIS ブログ記事)
- 複数言語の管理 (ヘルプ)
また、あわせて、AI アシスタントの仕組みや利用するモデル、応答生成時の考慮事項などをまとめた「透明性カード」(英語) が公開されています。ご利用前にこちらもご参照ください。
上記の AI アシスタント機能をご利用いただくには、ArcGIS Online 組織サイトと Survey123 Web サイトで AI アシスタント機能が有効化されている必要があります。詳細についてはヘルプ「Survey123 アシスタント」をご参照ください。
Web デザイナーの操作性向上
Web デザイナーに [元に戻す] および [やり直し] 機能が追加されました。質問の追加や設定変更を行った後でも、簡単に前の状態へ戻したり再適用したりできるため、試行錯誤しながら調査票を作成しやすくなりました。
また、調査票の管理に利用する「タグ」の編集機能も改善されています。これまではタグをカンマ区切りで入力する必要がありましたが、既存のタグを候補から選択して再利用できるようになりました。
これにより、組織内でのタグの統一が容易になり、多数の調査票やコンテンツを管理する際の利便性が向上しています。さらに、タグの表示方法も改善され、より視認しやすくなりました。
既存のフィーチャ レイヤーから繰り返しを含む調査票の作成
2026 年 3 月のアップデートでは、Web デザイナーで繰り返しの質問項目を作成できるようになりました。今回のアップデートでは、その機能がさらに強化され、既存のフィーチャ レイヤーから調査票を作成する際に、関連テーブルのフィールドを自動的に繰り返しとして構成できるようになりました。
関連テーブルを持つフィーチャ レイヤーを選択すると、対応する繰り返しが自動的に追加されます。これにより、既存のデータ モデルを活用しながら、調査票を効率的に作成できます。
繰り返しは、1 つの回答に対して同じ質問セットの回答を複数回入力できる機能です。例えば、1 つの建物内の複数の点検箇所や、調査範囲内で確認された複数の生物の情報をまとめて記録できます。関連テーブルを利用したデータ構造と親和性が高く、より実際の業務に即したデータ収集ワークフローを構築できます。
調査票を利用するアプリの選択
[設定] タブの [配布] で調査票を開くアプリを選択できるようになりました。調査票ごとに、Survey123 Web アプリや Survey123 Mobile からの利用を個別に制御できるようになりました。なお、Survey123 フィールド アプリではこのオプションをサポートしていないため、常に有効化された状態になります。
これにより、調査票の用途に応じて利用するアプリを制御することが可能です。例えば、一般向けに公開するアンケートは Survey123 Web アプリで利用できるようにし、オフライン調査用の調査票は Survey123 Mobile と Survey123 フィールド アプリのみで利用可能にするといった運用が行えます。
次世代版アプリのリリース
今回のアップデートでは、新たに Survey123 Mobile および Survey123 Studio がリリースされました。これらは Survey123 の次世代版アプリとして開発されており、将来的に Survey123 フィールド アプリおよび Survey123 Connect に代わる予定です。現時点では既存アプリも引き続き利用できますが、今後の機能開発は主に次世代版アプリを中心に進められます。
Survey123 Mobile
Survey123 Mobile は、iOS、Android、Windows に対応した次世代のデータ収集アプリです。既存の Survey123 フィールド アプリの後継として開発されており、ダーク テーマのサポートをはじめ、よりモダンなユーザー インターフェイスを使用して、快適に調査やデータ収集を行えます。
リリースにあたり、マッピング機能が強化されています。Survey123 Mobileでは Web メルカトル以外の座標系で作成された Web マップにも対応しているほか、レイヤーの表示切り替えやブックマーク機能もサポートされるようになりました。
また、Survey123 で特に要望の多かった「表形式の繰り返し」機能も追加されました。関連レコードをスプレッドシートのような表形式で表示・編集できるため、多数の繰り返しレコードを扱う調査票でも効率的に入力や確認を行えます。
さらに、ArcGIS QuickCapture プロジェクトにも対応しました。これにより、Survey123 の調査票と ArcGIS QuickCapture のプロジェクトを同一アプリ内で利用できるようになり、用途に応じてシームレスに切り替えながらデータ収集を行えます。なお、現時点ではポイント フィーチャの取得のみに対応しています。利用可能な機能の詳細はヘルプ「ArcGIS の QuickCapture 機能」をご参照ください。
Survey123 Studio
Survey123 Studio は、調査票を作成するための次世代デスクトップ アプリです。従来の Survey123 Connect の後継として開発されており、これまでと同様に XLSForm を活用した高度な調査票の設計が可能です。また、調査票の作成や管理をより効率的に行えるよう、ダーク テーマの追加をはじめ、ユーザー インターフェイスが刷新されています。
既存アプリの今後のサポートと移行について
現在、次世代版アプリには、一般的なワークフローで利用される主要な機能が実装されていますが、従来の Survey123 フィールド アプリおよび Survey123 Connect が提供するすべての機能が移行されているわけではありません。今後は四半期ごとのアップデートを通じて、段階的に機能が追加・強化される予定です。
移行期間中は Survey123 フィールド アプリおよび Survey123 Connect のサポートが継続されます。既存アプリと次世代版アプリは並行して利用できるため、現在の運用を維持しながら次世代版アプリの評価や検証を進めることが可能です。各リリースで追加される機能を確認し、自組織のワークフローに必要な機能が揃った段階で移行を検討することをおすすめします。
次世代版アプリと従来のアプリの機能比較についてはヘルプ「機能マトリクス」をご参照ください。また、次世代版アプリへの移行の詳細については、以下のサポートからのお知らせをご参照ください。
Survey123 の新機能の詳細はブログ (英語) をご参照ください。

