現地調査に特化した多機能現地調査アプリ ArcGIS Field Maps (以下「Field Maps」) が 2026 年 6 月 25 日 (日本時間 2026 年 6 月 26 日) にアップデートしました。今回のアップデートでは、より詳細なデータ入力をサポートするための複数の選択肢や添付ファイルをフォーム内に組み込むための新たなエレメントなどの機能が拡充されました。本記事では、追加された新機能をご紹介いたします。
複数の選択肢
選択肢エレメントとして、[複数の選択肢] が追加されました。これにより現地調査員は、予め定義されたリストから複数の値を選択し、単一のフィールドに保存できます。入力された複数の値は、文字列フィールドにカンマ区切りでテキストとして格納されます。
またフォーム選択時の最小・最大選択肢数を設定したり、「すべての選択肢」や「その他」オプションを含めたりすることで、柔軟なフォームを構成し、必要な情報を効率的に取得できます。
添付ファイル
これまで単独またはレコードの行に紐づく機能だった添付ファイルを、添付ファイル エレメントとして定義できるようになりました。これにより、添付ファイルをフォームの一部として組み込み、情報を入力する一連の流れの中で、調査項目に応じた添付ファイルの追加や、添付するタイミングをコントロールできるようになりました。
書式設定
入力タイプ
フォームとして定義できる添付ファイル エレメントは以下の 3 つです。その他のエレメント同様にドラッグ アンド ドロップでフォームに追加できます。
- 一般: サポートしているすべての添付ファイル (写真、ビデオ、ドキュメント、オーディオ) を追加可能
- ドキュメント: サポートしているドキュメント ファイルのみ追加可能
- メディア: サポートしている写真、ビデオ、オーディオのうち 1 種類のみ追加可能
キーワード
添付ファイルに自動的に文字列を紐づけるキーワード機能が追加されました。
たとえば、ポップアップ内に複数の添付ファイルが含まれる場合、キーワードを指定することで、表示する写真を絞ることができます。
キーワードはプロパティの表示名で定義され、フォームを保存すると変更できませんのでご注意ください。
ファイル全般
添付ファイル エレメントでは最小および最大ファイル数を設定できます。またドキュメント エレメントとメディア エレメントのみ、最大ファイル サイズ (MB、ピクセル、分) を指定できます。これにより必要なデータ数を担保できるほか、意図しない大容量のファイルのアップロードを防ぐことができます。
また [</> 式の編集] から Arcade 式を定義することで、添付ファイルを任意のファイル名で格納することができます。
上記画像の Arcade 式の場合、「路面状況」で「ひび割れ」を選択すると、ファイル名が「ひび割れ_(現在時刻)」に自動的に命名されるように設定しています。
既存の添付ファイル
既存の添付ファイルを含むデータに対して以下のオプションが用意されています。
- 既存の添付ファイルを関連付けない (デフォルト)
- すべての既存の添付ファイルの関連付け
- キーワードがない添付ファイルのみを関連付け
既に添付ファイルが含まれる状態で、新しく添付ファイル エレメントをフォームに追加すると、既存の添付ファイルはフォームから非表示になります。本アップデート以前の添付ファイルを取り込む場合、[すべての既存の添付ファイルの関連付け] か [キーワードがない添付ファイルのみを関連付け] を選択してください。
GPS メタデータ
Field Maps では高精度 GNSS 受信機を使用して、GPS メタデータを取得でき、空間を正確に把握することができます。今回のアップデートでは、新しく以下の属性が追加されました。
- 標高属性
- Antenna height (アンテナ高) : アンテナの高さを考慮した標高値 (m)
- Orthometric height: 受信機から取得した標高値 (m)
- Receiver geoid model: ジオイド モデル
- チルト属性 (Trimble 製のチルト機能付き GNSS 受信機のみ対応)
- Tilt compensated: 位置が補正されたかを示す
- Tilt angle: アンテナ基準点に対するポール先端の方向
- Tilt angle accuracy: チルト角の標準偏差
- Tilt azimuth: Z 軸に対するチルト角度
- Tilt azimuth accuracy: チルト方向の標準偏差
その他 GPS メタデータについてはヘルプをご参照ください。
タスク フィルター
タスク フィルターは、現地調査員が端末上で確認するタスクを条件に応じて絞り込むために、マップ作成者が定義する動的な To Do リストです。今回のアップデートでは、タスク フィルターを定義した際に表示されるポップアップ リストの並び順を定義できるようになりました。
デフォルトでは現在地からの距離に応じてタスクが表示されますが、タスク フィルターで表示されるポップアップ リストの並び順を定義することで、優先度や期日に応じてタスクを並べて表示できるようになりました。
これにより現地調査員は自分が次にするべきタスクを素早く認識できるようになりました。
検索
Field Maps Designer の [アプリの設定] で、検索で使用するレイヤーの属性情報を定義できるようになりました。これまでは、Web マップのアイテム ページから設定する必要がありました。これによりワークフロー設計時に、複数の画面を遷移することなく一貫して作業できます。
また現地調査員がレイヤーの属性情報を基に検索を実行する際のポップアップ リストが改善されました。複数のデータソースを検索対象として構成した場合、検索結果は 3 件のみ表示され、それ以上の結果はインジケーターにまとめて表示されるようになりました。これにより必要な検索結果に素早くアクセスできます。
まとめ
本アップデートでは、複数の選択肢の追加や添付ファイルのフォーム統合など、現地調査業務におけるデータ入力を強力にサポートする機能が提供されました。新しくなった Field Maps をぜひお試しください。

