「海しるAPI」のデータを ArcGIS Online で使ってみよう!

はじめに

「海しる」(海洋状況表示システム) は、海上保安庁が運用する Web GIS サービスであり、政府や関係機関が保有する海洋情報がマップに集約され一元的に提供されています。政府が推進する海洋状況把握 (MDA: Maritime Domain Awareness) の施策の中核に位置付けられているシステムで、海しるから提供される海洋情報は、行政だけでなく、海運事業者やマリンレジャーといった多分野からのニーズが高まっています。

海しるのサービスのひとつである「海しるAPI」は、海しるに掲載している海洋情報が API として提供されています。2026 年 8 月 27 日に、新しい API バージョン v3 がベータ版として提供開始され、ArcGIS REST API 規格での配信に移行されたことから、ArcGIS 製品でより使いやすくなりました。

「海しるAPI」のデータを Map Viewer に追加する

事前準備

まずは、海しるAPI v3 の「利用者向け説明書」を参照のうえ、「データカタログhtml」または「データカタログAPI」のどちらかの手順で、取得したいデータのサービス定義の URL を入手します。

なお、2026 年 9 月時点で提供されているデータは、フィーチャ サービスのみとなっています。

また、API の利用にはサブスクリプションキーが必要なため、海しるAPI の「利用方法」ページからサブスクリプションキーを取得します。今回は記載されている試用サブスクリプションキーを用いますが、本格的な利用においては、海上保安庁への利用登録を申請することで個別のキーの発行が可能です。

操作手順

  1. Map Viewer で、[追加] ボタン → [URL からレイヤーを追加] をクリックします。
  1. [レイヤーの追加] ダイアログで、[URL] に事前準備で入手した、取得したいデータのサービス定義の URL を入力します。
    一例として、「海上構造物」データのサービス定義の URL は下記のとおりです。
    https://api.msil.go.jp/arcgis/rest/services/FeatureService/v3/offshore_installation/FeatureServer
  1. 「サービスは存在しないかアクセスできません。」と表示されますが、そのまま作業を進めます。
    [カスタム パラメーターの追加] をクリックし、[パラメーター] には「subscription-key」、[値] には事前準備で取得した海しるAPI のサブスクリプションキーを入力します。
  1. [次へ] をクリックすると、マップにデータが追加されます。フィーチャ レイヤーとして追加されているため、デフォルトのシンボル設定から自由に変更することもできます。

利用例

今回は、ESRIジャパン データコンテンツ Online Suite の「気象オンライン サービス (ゲヒルン版)」と海しるAPI で配信されている「水路通報・航行警報」、「海岸アクセス道」、「海上構造物」、「沈船」データを Web マップに追加した「沿岸レジャー安全マップ」を作成しました。

「気象オンライン サービス (ゲヒルン版)」では、気象庁による各種防災気象情報をゲヒルン株式会社から提供を受け、ArcGIS で利用可能な形式で配信しています。

たとえば、マリンレジャーを行う方向けに、海上、および海中の注意情報と、気象警報・注意報や台風情報などの気象に関する注意情報を同時に確認できるマップを作成できます。

本記事でご紹介したのは利用例の一つですが、そのほかにも ArcGIS Living Atlas の豊富なコンテンツや、組織内で保有するデータを組み合わせることで、目的に応じた独自のマップやアプリの構築に活用できます。

おわりに

「海しるAPI」は、バージョン v3 で ArcGIS REST API 規格での配信となったことにより、ArcGIS Online をはじめ ArcGIS 製品でより使いやすいものとなりました。Map Viewer から直接追加できるようになったことから、海洋情報を地理空間情報としてより柔軟かつ容易に利用でき、様々な GIS データと連携した活用が期待されます。

バージョン v3 正規版の提供は 2026 年 10 月から段階的に提供開始予定とのことです。今後の「海しるAPI」の展開にも注目です。

参考情報

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