GIS を学ぶための本 その 1 『基礎からわかる GIS』

「GIS っていろいろできるらしいけど、何からはじめればいいの?」
そんな質問を受けたことがあります。

ArcGIS ヘルプにもしっかりした解説や用語集が書かれているのですが、はじめて読むと詳しすぎる解説に驚くかもしれません。

本でも読んでみようかと思って書店に行ったけど何を読んだらいいのかわからない、という方にお勧めの書籍をシリーズで紹介していきます。

はじめに紹介するのは、『基礎からわかる GIS』です。この書籍は、GIS とは何かをわかりやすく解説したものです。複雑な理論やソフトウェア固有の操作方法は省略して、広範囲にわたって解説しています。

前半の「第 1 編 GIS の基礎」、「第 2 編 GIS の周辺技術」では、基礎的な用語概念を説明しており、普遍的な知識を得ることができます。後半の「第 3 編 GIS の応用事例」、「第 4 編 GIS を用いた先端技術」では、実際の応用として GIS が利用されている事例を分野別に取り上げ紹介しています。2005 年出版のため、標準化の動向や事例については情報が少し古くなっていますが、最初に読む入門書としてはちょうど良いものだと思います。

書籍情報
『基礎からわかる GIS』
編著者:古田 均、吉川 真、田中 成典、北川 悦司
発行所 :北森出版株式会社
発行日 :2005 年 3 月 9 日 第 1 版第 1 刷発行

目次
第 1 編 GIS の基礎
第 1 章 GIS とその歴史
1.1 GIS の基礎
1.2 GIS の機能
1.3 GIS の利用事例
1.4 GIS の歴史
第 2 章 地図の表現と方法
2.1 地図
2.2 地図の表現方法
2.3 測地系
第 3 章 GIS のデータ構造
3.1 フィーチャ(feature)
3.2 幾何情報
3.3 属性情報
3.4 レイヤ構造
第 4 章 GIS に関する規格
4.1 GIS の規格の違いによる問題
4.2 標準化への動き
4.3 標準化規格
第 5 章 GIS の空間データ分析
5.1 空間構造分析
5.2 空間分割分析
第 6 章 GIS に関する活動と研究
6.1 国土地理院の取り組み
6.2 府省における GIS への取り組み
6.3 GIS に関する学会および協会の取り組み
6.4 学術研究機関
第 2 編 GIS の周辺技術
第 7 章 GIS における GPS
7.1 GPS の概要
7.2 GPS の仕組み
7.3 GPS の応用事例
第 8 章 GIS におけるリモートセンシング
8.1 リモートセンシング
8.2 リモートセンシングの仕組み
8.3 リモートセンシングの GIS での応用事例
第 9 章 GIS における写真測量
9.1 写真測量の概要
9.2 写真測量の原理
9.3 写真測量の応用事例と今後
第 3 編 GIS の応用事例
第 10 章 GIS の応用事例(国内)
10.1 はじめに
10.2 行政分野での事例
10.3 防災分野での事例
10.4 環境分野での事例
10.5 商用分野での事例
第 11 章 GIS の応用事例(諸外国)
11.1 行政分野での事例
11.2 防災分野での事例
11.3 環境分野での事例
11.4 商用分野での事例
第 12 章 GIS の展望
12.1 これまでの GIS
12.2 電子国家・電子自治体へ向けた GIS の取り組み
第 4 編 GIS を用いた先端技術
第 13 章 都市環境デザインへの応用
13.1 都市化空間情報システムによる環境デザイン
13.2 都市デザイン支援のための景観シミュレーションシステムの構築
第 14 章 三次元 GIS データの衛星電波経路シミュレーションへの応用事例
14.1 研究の概要
14.2 開発概要
14.3 研究成果とシミュレーション例
14.4 各分野への適用と波及効果
14.5 課題と展望
第 15 章 時空間 GIS とその応用事例
15.1 時空間 GIS について
15.2 J-STIMS の概要
索引

フォローする