ArcGIS ドキュメントのデフラグとその効果


コンピュータのハードディスクにデータの書き込みや削除を行うと連続した空き領域が少なくなり、新たに書き込むファイルは小さく分割(断片化)して記録されるようになります。このような状態を「ディスク フラグメンテーション」といいます。

ファイルの断片化が起きることによってデータが不連続な状態となり、そのデータを読み書きする際に処理速度が低下します。このフラグメンテーションを解消することを「デフラグ」といいます。

デフラグを行うことによってディスク内のデータを先頭から再配置し、連続した空き領域を増やしたり、断片化が解消されたファイルへのアクセスを速くしたりすることができます。


一方、 ArcGIS Desktop のドキュメント(MXD:ArcMap、SXD:ArcScene、3DD:ArcGlobe)は、マップ、レイヤ、シンボルなどさまざまな要素で構成されていますが、これらは “ストリーム” という単位でまとめられています。ArcGIS Desktop のドキュメントを繰り返し使用していると、ストリームはディスク フラグメンテーションと似たようなプロセスで断片化が起こります。この状態を解消するために「ArcGIS Document Defragmenter」という専用のツールが提供されています。

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※バージョン 10 より前の ArcGIS をお使いの場合は、ArcGIS Desktop SDK のいずれかをインストールすることによって利用できます。

■ArcGIS Document Defragmenter の使用方法

ArcGIS Document Defragmenter は、Windows のスタート メニューから、[すべてのプログラム] → [ArcGIS] → [Desktop Tools] → [ArcGIS Document Defragmenter] とクリックすることによって起動できます。ダイアログが起動したら、以下の設定を行います。

1. File or folder selection options

処理を行う対象を指定します。

・Single file:単一のドキュメントを処理する場合に選択します。

・Folder:指定した 1 つのフォルダ内にあるすべてのドキュメントをまとめて処理する場合に選択します。

・Folder and all subfolders:指定したフォルダと、その中にあるサブフォルダ内に存在するすべてのドキュメントをまとめて処理する場合に選択します。

2. Document File(s)

対象のドキュメントあるいはフォルダを選択します。

[File or folder selection options] で [Single file] を指定した場合は、[Select] をクリックして対象のドキュメント ファイルを選択します。一方、[File or folder selection options] で [Folder] あるいは [Folder and all subfolders] を指定した場合は、[Select] をクリックして対象のフォルダを選択します。

3. File handling options

処理方法を指定します。

・Create new file:デフラグしたファイルを ”<オリジナル ファイル名>_Defrag” という名前で新規作成します。元のファイルは保持されます。

・Rename existing file to “.old”:デフラグしたファイルでオリジナルのファイルを置き換えます。オリジナルのファイルは “<オリジナル ファイル名>.old” という名前に置き換えられます。

・Overwrite existing file:オリジナルのファイルに対して上書き処理を行います。このオプションを選択する場合は、事前にオリジナル ファイルのバックアップを取っておくことをお勧めします。

■ArcGIS Document Defragmenter の効果

ArcGIS Document Defragmenter を使用しても Windows のデフラグのようにファイルへのアクセス(ドキュメントの起動)が速くなることはありませんが、ドキュメントのファイル サイズを大幅に減らすことができます。ドキュメントの状態にもよりますが、ファイル サイズが 50 MB のマップ ドキュメントを 3 MB にすることができた例もあります。定期的に ArcGIS Document Defragmenter を使用することによって、ディスク容量を節約することができます。

■関連リンク

・ArcGIS Desktop 10 ヘルプ:Document Defragmenter ユーティリティの使用

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