地形の特徴を表現できることから、DEM(標高データ)から作成できる陰影起伏図はよく利用されます。
以前の記事でもご紹介しましたが、ArcGIS 10 から [画像解析] ウィンドウが登場したことで、エクステンション ライセンスなしでも陰影起伏図が作成できるようになりました。
また、[画像解析] ウィンドウでは、カラーマップを選択して、地形と標高を一度に表現できるカラー陰影起伏図を作成することができます。
しかし、この方法の場合、準備されているカラーマップしか選択することができません。
そこで、独自の標高の断彩表現と陰影起伏を組み合わせる方法として、グレースケールの陰影起伏に、好みの色合いに設定した DEM を透過して重ねるという方法があります。
しかし、この方法の場合は、ArcGIS をお持ちでない方と同じ表示状態で共有することができません。
そこで、この両方を解決する方法として、パンシャープン機能を応用するという方法があります。
パンシャープンは、低解像度のマルチカラー画像と高解像度のパンクロ(モノクロ)画像の2種類を合成することで、高解像度のマルチカラー画像を作成する処理のことをいいますが、今回のような場合にも利用することができます。
まず、好みの断彩表現(この場合は、数値分類表示)を行った DEM データをエクスポートします。
[コンテンツ] ウィンドウで、色を設定した DEM データを右クリックし、[データ] → [データのエクスポート] をクリックします。
エクスポートの際に、[出力ラスタ] で [レンダリングを使用] と [RGB を使用] チェックボックスをオンにし、[保存] をクリックします。
出力された画像は RGB カラー画像になります。
そして、この RGB カラー画像とグレースケールの陰影起伏図をパンシャープンします。
そうすると、1 枚のカラー陰影起伏図になります。
また、土地利用のラスタデーを RGB カラー画像にしたものとグレースケールの陰影起伏図をパンシャープン処理すれば、このような画像を作成することもできます。
[画像解析] ウィンドウの機能を組み合わせることで、様々な画像を作成することができます。是非、お試しください!
■関連リンク
陰影起伏図について:ArcGIS Desktop 10 のお勧め画像機能:処理編 その2
パンシャープンについて:ArcGIS Desktop 10 のお勧め画像機能:処理編 その4