「Web」、「サーバ」、「Web アプリケーション」と聞いただけで、難しいと思いがちですが、初めての方でも比較的簡単に地図をネットワーク上に公開し、さらにプログラミングを行わずに Web マッピング アプリケーションを作成できるのです。
Esri の Web マッピング製品 ArcGIS Server を使用すると次の 3 つのステップだけで簡単に Web マッピングを実現できます。
① ArcGIS Desktop を使用して地図を作成
② GUI ベースの管理ツールを使用して地図をネットワーク上に公開
③ 地図を ArcGIS Viewer(Web アプリケーション)で利用
たったのこれだけで、 Web マッピングができてしまいます。
それぞれのステップをもう少し見てみましょう。
① ArcGIS Desktop を使用して地図を作成
ArcGIS Server を使用してネットワーク上に公開する地図は、ArcGIS Desktop で作成することが基本となります。ArcGIS Desktop では、シンボル設定やラベリングなどの設定をプログラミングせずに Web 用の地図作成を行うことが可能です。また、ArcGIS Server で公開する地図は、ArcGIS Desktop で作成した地図の見た目をそのままネットワーク上に公開しますので、非常に洗練された地図をネットワーク上に公開することができます。
地図の作成完了後、地図の設定情報を保存するマップ ドキュメント(MXD)ファイルとして保存します。
② GUI ベースの管理ツールを使用して 地図をネットワーク上に公開
ステップ①で作成した地図は以下の 2 通りの方法で簡単にネットワーク上に公開できます。
- ArcCatalog を使用して公開
ArcCatalog から、ステップ①で作成した MXD ファイルを右クリックし、[マップ サービスの公開] を選択します。あとは、ウィザードに従ってサービス名や機能を設定するだけです。例えば、地図を OGC の WMS 形式で公開したい場合は、[ケーパビリティ]の項目で WMS のチェックボックスをチェックするだけです。
ArcCatalog を使用した地図の公開方法の詳細はこちらをご参照ください。 - ArcGIS Server Manager を使用して公開
ArcGIS Server Manager は ArcGIS Server に付属する Web ブラウザ ベースの管理ツールです。こちらも ArcCatalog の方法と同様にステップ①で作成した MXD ファイルを選択し、あとはウィザードに従って設定をするだけです。
ArcGIS Server Manager を使用した地図の公開方法の詳細はこちらをご参照ください。
③ 地図を ArcGIS Viewer (Web アプリケーション)で利用
本ブログでもすでにご紹介していますが、Esri はプログラミングなしにすぐに設定・利用可能なテンプレート Web アプリケーションを公開しています。ビューアには以下のようなものがあります。
ArcGIS Viewer for Silverlight の場合、Application Builder と呼ばれるウィザード形式のアプリケーションを使用して、アプリケーションに追加する地図やツールを設定し Web アプリケーションを簡単に作成することが可能です。
スマートフォンでも、すぐに利用可能な Android・iOS・Windows Phone 用のアプリケーションが公開されており、ArcGIS Server で公開されている地図を簡単に利用することが可能です。
もちろん、GUI の操作では実現できない機能もありますが、今回ご紹介した ArcGIS Server とビューア アプリケーションを使用することで表示、検索、編集、分析・解析といった GIS の多くの機能をプログラミングせずにご利用頂けます。非常に簡単ですので、是非 ArcGIS Server を使用して作成した地図を組織内外に公開してみてください。
※本記事は、ArcGIS Desktop や ArcGIS Server がすでにインストールされていて動作することが前提となります。
■関連リンク
・ArcGIS Desktop:http://www.esrij.com/products/arcgis/desktop/arcgis-for-desktop/
・ArcGIS Server:http://www.esrij.com/products/arcgis/server/arcgis-for-server/
・ArcGIS Viewer for Silverlight: