ArcGIS API for JavaScript の最新バージョン 3.3 をリリースしました。
今回のバージョンアップでは、新しいレイヤのクラスの追加やマップの作成方法が容易になるなどの新機能に加えて、いくつかの変更点が含まれています。
以下では、バージョン 3.3(3.2 を含む)の新機能と仕様変更の一部をご紹介します。
■新機能
Map コンストラクタ オプション
新しい esri.Map コンストラクタでは、オプションやメソッドなどの追加により、マップ作成やベースマップの変更をより容易に行えるようになりました。
<マップの作成>
マップの div ID、ベースマップ、初期表示の中心座標と縮尺などのオプションを設定するだけで容易にマップを作成することができるようになりました。また、マップのリサイズが自動で行われるようになったため、リサイズのためのイベントを用意する必要がなくなりました。
オプションの詳細については ArcGIS API for JavaScript ページ(英語)をご参照ください。以下の画像はベースマップのみを表示するサンプル コードですが、上が従来(3.2 以前)、下がバージョン 3.3 の新しい作成方法となります。
<ズーム コントロール>
デフォルトで [+] と [-] のみのコンパクトなズーム コントローラが表示されます。従来のスライダ式のコントローラを使用する場合は、Map コンストラクタ オプションの sliderStyle を “large” に設定する必要があります。
下の画像は、左がバージョン 3.3、右が従来(3.2 以前)のデフォルトのズーム コントロールとなります。
<ベースマップの切り替え>
ベースマップの切り替えに利用できるメソッドが追加されました。setBasemap メソッドにて basemap オプションの値を指定するだけで容易にベースマップの切り替えを行うことができます。たとえば、道路地図と衛星写真のみを切り替えるようなシンプルなベースマップの切り替え機能を実装したい場合に有効です。
GeoRSSLayer クラス
GeoRSSLayer クラスの追加により、RSS フィード の URL を指定してレイヤとして表示することができるようになりました。GeoRSSLayer クラスは、GeoRSS Simple と GeoRSS GML をサポートしています。
WebTiledLayer クラス
WebTiledLayer クラスの追加により、ArcGIS for Server や OGC(Open Geospatial Consortium)のタイル マップ サービスでなくても、Web 上でアクセス可能なタイルであれば容易にレイヤとして使用できるようになりました。
■仕様変更
ジオメトリの空間参照:空間参照を指定しないでジオメトリを作成すると、自動的に WGS84(wkid4326)が設定されるように変更されました。
esri.css ファイルの参照:従来(3.1 以前)は esri の dijit 等のスタイルは javascript を介して動的に追加されていましたが、3.2 より手動で css ファイル(esri.css)を参照するように変更されました。スタイル シートの参照で以下の記述を追加します。
<link rel=”stylesheet” href=”http://serverapi.arcgisonline.com/jsapi/arcgis/3.3/js/esri/css/esri.css”>
詳細については ArcGIS API for JavaScript ページ(英語)をご参照ください。
■関連リンク
ESRIジャパン Web サイト
・ArcGIS API for JavaScript
Esri 社(米国)Web サイト
・ArcGIS API for JavaScript