クラウド型の GIS 製品である ArcGIS Online は、約 3ヶ月毎にバージョンアップをおこなっており、2013 年 7 月 3 日に最新版をリリースいたしました。
今回のバージョンアップでは、新機能の追加やサービス クレジット消費ルールの変更などがおこなわれています。
■ 個人向けプランと組織向けプランに共通のバージョン アップ項目
ArcGIS Online ウェブ サイト(www.arcgis.com)や、ArcGIS.com マップ ビューア アプリケーションのユーザ インタフェース改善
ArcGIS Online へサイン インした後、ウェブ サイトの右上に表示されているユーザ名をクリックすることで、プルダウン メニューから「マイ プロファイル」、「ヘルプ」、「サイン アウト」の各リンクにアクセスできます。また、ArcGIS.com マップ ビューア アプリケーション左上の「ホーム」をクリックすると、「マイ コンテンツ」や「ギャラリー」、「組織の管理ページ(組織向けプランの場合)」に素早くアクセスできます(図 1)。
図 1 「ホーム」のポップアップ メニュー
新しいストーリーマップ テンプレート – 「スワイプ」
ArcGIS Online で利用できるアプリケーション テンプレートに、新しく「スワイプ」が加わりました。このテンプレートでは、二種類のウェブ マップや、同一ウェブ マップ内の二種類のレイヤを二分割画面やスパイグラス(のぞき窓)(図 2)のユーザ インタフェースで比較することができます。
図 2 スパイグラス インタフェースによるスワイプ
画像マップの表示機能拡充
コンテンツ種別が「Imagery」のレイヤを ArcGIS.com マップ ビューアへ読み込んだ際に、テーブルの表示、属性値によるフィルタの適用、凡例の表示(ArcGIS for Server バージョン 10.2 以上で配信するサービスのみ)、ポップアップ ウィンドウの設定をおこなえるようになりました。
■ 組織向けプランのみのバージョン アップ項目
サービス クレジットの消費量改定
以下の操作に関するサービス クレジットの消費量を改定(削減)しました。
・ジオコーディングの実行:1 件あたり 0.08 クレジット→ 0.04 クレジット
・単純ルート検索の実行:1 ルートあたり 0.2 クレジット→ 0.04 クレジット
・ArcGIS Online から外部へのデータ転送(1 ヶ月毎):1 GB あたり 6 クレジット→ 0 クレジット (サービスクレジット消費量の一覧については、ArcGIS Online 製品ページをご覧ください)
ArcGIS.com マップ ビューア から空間解析を実行可能に
ArcGIS for Desktop ではおなじみの、いくつかの空間解析処理を ArcGIS.com マップ ビューア上から実行できるようになりました。例えば、ポイント フィーチャの集約、バッファの作成(図 3)、運転時間エリアの作成、境界のディゾルブ、レイヤのマージ、レイヤのオーバーレイといった処理です。 この空間解析はサービス クレジットの消費対象(1,000 フィーチャの処理につき 1 クレジット)機能です。また、解析処理の入力データと出力データにフィーチャ サービスを使用するため、解析処理終了後に新しく作成されたフィーチャ サービスのデータを ArcGIS Online に保存するためのサービス クレジットも必要となります。
図 3 「バッファの作成」の設定画面
エンタープライズ ログイン(シングル サイン オン)
ArcGIS Online 組織向けプランを使用する組織において、既にエンタープライズ ユーザ ID 管理の仕組みが運用されている場合、そのユーザ アカウントを用いて ArcGIS Online とのシングル サイン オンを実現することが可能です。ArcGIS Online ヘルプには、Active Directory フェデレーション サービス 2.0(AD FS 2.0)、シボレス(Shibboleth)2.0、SimpleSAMLphp 2.3.8 をそれぞれ ID プロバイダとした際の設定手順を記載しております。
その他の更新情報や新機能については、こちらのオンライン ヘルプ(英語)をご覧ください。 (現時点では、新機能に関するヘルプページは英語のみでご提供しております。日本語版ヘルプは近日中にバージョン 2.3 対応の内容に更新される予定です)
■関連リンク
・ArcGIS Online 製品ページ