バージョン 10.2 で便利になった ArcGIS for Server サイトのバックアップと復旧

システム管理においてシステムのバックアップやリカバリ作業は必要不可欠な作業です。
管理者はハードウェアの故障や人為的ミスにより問題が発生した場合、サイトを復元できるよう定期的なバックアップが求められています。
今回は、サイト構成情報などに関するバックアップおよび復元を可能にする ArcGIS 10.2 for Server の機能の一つ「バックアップ ユーティリティ(backup.py)」と「復元ユーティリティ(restore.py)」をコマンド プロンプトより実行する方法をご紹介します。

これらは一連の Python スクリプトのツールとして ArcGIS 10.2 for Server インストール時に toolsadmin にインストールされます。コマンド プロンプトにより処理を実行すると ArcGIS Server サイトのバックアップ情報が単一のファイルとして指定のフォルダに保存され、そのファイルを基にサイト構成を復元することができます。

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■バックアップされる情報とされない情報
このユーティリティによりバックアップ、復元される情報とされない情報については以下の通りです。

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■バックアップ手順
バックアップ ユーティリティの基本的な手順は以下の通りです。

1. コマンドプロンプトを開き Python がインストールされているフォルダにディレクトリを移動する。
2. ArcGIS Server サイトの管理者権限を持つユーザの名前とパスワード、バックアップするサイトの URL などを含むバックアップ ユーティリティのコマンドを入力する。(バックアップ ユーティリティの詳しい設定項目に関してはこちらをご参照ください)
3. 処理が完了するとバックアップ先のフォルダに agssite の拡張子を持つファイル(*.agssite)が作成される。

■復元手順
復元 ユーティリティの基本的な手順は以下の通りです。

1. コマンドプロンプトを開き Python がインストールされているフォルダにディレクトリを移動する。
2. ArcGIS Server サイトの管理者権限を持つユーザの名前とパスワード、復元する *.agssite バックアップ ファイルへの絶対パスなどを含む復元 ユーティリティのコマンドを入力する。(復元ユーティリティの詳しい設定項目に関してはこちらをご参照ください)
3. 完了後、サイトに ArcGIS Web Adaptor が含まれている場合、 ArcGIS Web Adaptor の構成を再実行する。

いかかでしたか?このように比較的簡単にサービス構成情報などのバックアップおよび復元が可能であり、予期せぬ問題が発生した場合などへの障害対策のひとつとしてお役立てください。ただし前述した通り、全ての情報に関してバックアップを取得するユーティリティではございませんので、システム全体のバックアップを取得するなど通常保守作業との組み合わせで使用することを推奨します。

■関連リンク
ESRIジャパン Web サイト:
・ArcGIS for Server:http://www.esrij.com/products/arcgis/server/arcgis-for-server/

ArcGIS ヘルプ 10.2:
・ArcGIS Server のサイト構成のバックアップと復元:http://resources.arcgis.com/ja/help/main/10.2/index.html#//015400000619000000
・バックアップ ユーティリティ:http://resources.arcgis.com/ja/help/main/10.2/index.html#/na/01540000065s000000/
・復元ユーティリティ:http://resources.arcgis.com/ja/help/main/10.2/index.html#/na/01540000065r000000/

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