ArcGIS for Server では Web 経由での地図配信だけでなく、地図の印刷を可能にする印刷サービス(PrintingTools)を配信することができます。この印刷サービスが ArcGIS 10.2 より WebTiledLayer と呼ばれるレイヤの印刷に対応したことで、Web 上で配信されている多くの地図画像を印刷できるようになりました。
WebTiledLayer とは ArcGIS for Server や OGC(Open Geospatial Consortium)のタイルマップでなくとも、下記のようなパターンの URL で配信されている地図画像であれば容易にレイヤとして使用することができるレイヤタイプです。
WebTiledLayer が対応する地図画像の配信 URL
http://some.domain.com/${level}/${col}/${row}/
Web アプリケーション開発のための API である ArcGIS API for JavaScript や ArcGIS API for Flex で利用が可能であり、また ArcGIS.com マップ ビューアや ArcGIS Viewer for Flex では標準機能となります。たとえば、MapQuest や MapBox、最近では地理院地図として Web 公開された国土地理院による地図画像もこのパターンの URL で配信が行われています。下の画像では ArcGIS.com マップ ビューアで地理院地図を参照しています。
ArcGIS for Server では標準で印刷サービスを搭載しており、インストール後に印刷サービスを起動すれば、すぐに利用することが可能となっています。なお、標準の印刷サービスで利用可能なレイアウトは英語版ですが、国内対応パックをインストールすることによって日本語化されたレイアウトで印刷を行うことができます。
印刷サービスに対して、今回ご紹介した WebTiledLayer の印刷を行うための設定を行う必要はありません。ArcGIS 10.2 for Server が配信している印刷サービスであれば、WebTiledLayer を利用して表示されたレイヤを ArcGIS for Server が配信している他のレイヤと重ねて印刷することが可能です。
Web で配信されている地図画像であっても、印刷に関する規約を設けている場合がございますので、お使いになる地図サービスの利用規約をご確認いただいたうえで WebTiledLayer の印刷をご利用ください。
■関連リンク
ESRIジャパン Web サイト
・ArcGIS for Server
Esri 社(米国)Web サイト
・ArcGIS for Server
・Web マップのエクスポート
・チュートリアル: 印刷用サービスの公開
・WebTiledLayer(ArcGIS API for JavaScript)
・WebTiledLayer(ArcGIS API for Flex)