登記所備付地図データが ArcGIS で利用可能に

登記所備付地図データが G空間情報センターから公開 (2023 年 1 月 23 日正午) されました。これによって、登記記録だけでは不明な土地の位置・区画 (筆界) を地図で重ねることができます。このデータは XML 形式で公開されており、ArcGIS ユーザーは「変換ツール (国内データ) for ArcGIS Pro」や「国内対応パック」といったツールで、ファイル ジオデータベース形式に変換できます。変換すると図郭 (ポリゴン) や筆 (ポリゴン) 、筆界線 (ポリライン) などが出力されます。ツールの詳しい使用方法はこちらの記事を参照ください。

筆 (ポリゴン) の配信について

ESRIジャパンでは、G空間情報センターから公開されているデータのうち、公共座標系として定義されている筆 (ポリゴン) を ArcGIS Living Atlas of the World (以降 Living Atlas) に登録し、ArcGIS ユーザーがすぐに使えるようにしました。現在公開している範囲は東京都と愛知県を公開しております。

ただし、地区外地番は含まれていません。属性には、大字コードや丁目コードなどが含まれています。筆 (ポリゴン) を ArcGIS 上ですぐに使用したい方は、こちらのサービスをご活用ください。

現時点では、Living Atlas には、公共座標系が定義されている東京都と愛知県のデータのみが登録されています。任意座標系が定義されているデータは、地球上の位置と紐づけができないため、現時点では対応しておりません。対象範囲は、今後拡大していく予定です

地番と住所の違いについて

ところで皆さん住所には街区符号を用いて表示されているものと、地番を用いて表示されているものがあるのはご存知でしょうか。

街区符号を用いた住所の例として、「東京都千代田区平河町2丁目7番1号」が挙げられ、地番を用いた住所の例として「東京都西多摩郡日の出町大字平井2703番地1」が挙げられます。

前者は、建物に対してつけられた番号である街区符号と住居番号で構成されている住居表示制度によるもので、後者は法務局が定める、土地に対してつけられた番号である地番をベースにしたものになります。

今回 Living Atlas に登録した製品は後者の地番をベースとしたものとなります。

では実際に、Living Atlas に登録した製品を使用して地番と住所の違いを見ていきましょう。

(左:住居表示、右:地番)

左側の画像では「東京都墨田区押上1-1-83」と表示されているのに対して、右側は「墨田区押上1丁目320-32」と表示されているだけではなく、東京スカイツリーの真ん中付近に境界線があることがわかります。

このように住居表示と地番は異なることがわかります。

不動産登記や徴税などに使用される地番について、ぜひ ArcGIS 上で可視化したこちらのサービスをご活用ください。

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