「ArcGIS データコレクション 詳細地図」を使って建物を探そう ~背景地図を使った解析~

ESRIジャパンが提供する「ArcGIS データコレクション 詳細地図」(以下、「詳細地図」)は、ArcGIS ですぐに使える、詳細で美しい背景地図データ製品です。本製品は背景地図として幅広い用途に使うことができますが、活用方法はそれだけではありません。家屋形状や道路形状といったフィーチャ形状や、建物の面積や高さといった属性情報を収録しているベクトル形式のデータ製品であるため、ArcGIS のさまざまな解析にも利用することが可能です。
本記事では、「詳細地図」を活用してできる解析の一例として、ある地域の中・大型規模の建物を対象に耐震診断や補強工事を提案するという設定のもと、対象の建物がどこに何件あるかを調べる方法を紹介します。 

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今回は、「詳細地図」に収録されている建物の面積と高さの情報を利用して、神奈川県横浜市にある 6 階以上かつ 1 フロアの面積が 2,500 平方メートル以上の建物を抽出します。

【手順】
ステップ 1: 検索範囲のポリゴンを抽出
「MS_SCALE.gdb」内の「ADM_CITY」(市区町村界面)フィーチャクラスを ArcMap に追加し、フィルタ設定を利用して横浜市部分のみを表示します。

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ステップ 2: 検索範囲内の建物ポリゴンを抽出
「L_SCALE.gdb」内の「L_BLD」(目標物・一般家枠(L))フィーチャクラスをマップに追加します。空間検索を利用して、「L_BLD」フィーチャクラスに含まれている横浜市の建物ポリゴンを選択し、新規フィーチャクラスとしてエクスポートします。任意の場所に名前(この例では「L_BLD_Yokohama」としています)を付けて保存します。これで横浜市の建物ポリゴンのみ抽出できました。次に、横浜市部分の面積の計算を正確に行うために、「L_BLD_Yokohama」フィーチャクラスの投影座標系を平面直角座標系第 9 系(JGD 2000)に変換し、マップに追加します。

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ステップ 3: 検索対象の建物数を算出
属性検索を利用して、「L_BLD_Yokohama」フィーチャクラスに含まれる、高さ 18 m(6 階)以上かつ 1 フロアの面積が 2,500 平方メートル以上の建物を検索します。
※「詳細地図」では、高さ情報は 6 m(2 階)以上 3 m(1 フロア分)ごと含まれており、フィールドの値は 10 cm 単位で表示されています。 よって、フィールドの値が「180」の場合、高さは 18 m(6 階)です。

【結果】
結果、横浜市内の 6 階以上かつ 1 フロア面積 2,500 平方メートル以上の建物数は 389 件でした。最後に、該当した建物ポリゴンを抽出し、「詳細地図_Webメルカトル」マップ ドキュメント ファイルに重ねてみました。ピンク色・斜線付きのポリゴンが今回抽出した建物です。こうすることで、耐震診断や補強工事の提案対象である中・大型規模の建物を周辺の状況も合わせて地図上で簡単に確認することができ、ターゲットの把握はもちろん、さらなる絞り込みまで、今後の提案計画などに大いに役立てることができます。

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いかがでしょうか?詳細で美しい背景地図としてはもちろん、幅広い解析にも活用できるのは、ベクトル形式の背景地図データならではの特長といえます。ぜひ、「詳細地図」を使ってさまざまな解析をお試しください。

■関連リンク
・ArcGIS データコレクション:http://www.esrij.com/products/data/data-collection/
・GISデータストア:http://www.gisdata-store.biz/
・最新版データ製品「ArcGISデータコレクション 2015」をリリースしました!:http://blog.esrij.com/arcgisblog/2014/10/arcgis-2015-f358.html

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