ArcGIS API for JavaScript の最新バージョン 3.15 をリリースしました。今回のバージョンアップでは、ベクター タイル レイヤーのサポートや、フィーチャ テーブルやジオメトリ エンジンなどベータ版として提供されていた機能の正式リリースが行われました。以下では、本バージョンにおける新機能、機能拡張の一部をご紹介します。
ベクター タイル レイヤー
ベクター タイルを表示するためのベクター タイル レイヤー(esri/layers/VectorTileLayer)が追加されました。これまで、主に背景地図などに使用されているタイル レイヤーはサーバーが配信するタイル型の画像(ラスター)を取得することでインターネット経由でも高パフォーマンスな地図表示を可能にしてきました。新たなタイル配信方式であるベクター タイルは画像ではなくベクター形式の情報を提供します。ベクター タイルにはジオメトリや属性、スタイルなどの情報が含まれており、クライアント側で自由なレンダリングを行うことが可能です。また、画像とは異なり解像度に左右されない滑らかな地図表示を実現します。
※ ベクター タイル レイヤーを使用するにはいくつかの制限事項があります。詳しくは ArcGIS API for JavaScript 新機能ページをご参照ください。
スマート マッピングの機能追加
データ ビジュアライゼーションの実現を容易にするスマート マッピングに属性値の優勢を表現する方法(esri/renderers/smartMapping.createPredominanceRenderer)が新たに追加されました。この表現方法では数値データを持つ複数のフィールドを比較し、優勢のフィールド(最も大きい値を持つフィールド)を個別値としてマップに表します。また、優勢の度合いを透過率で表すことが可能です。
ベータ版機能の正式サポート
・フィーチャ テーブルの正式リリース:ベータ版として提供されていたフィーチャ テーブル(esri/dijit/FeatureTable)はフィーチャの属性情報をテーブル形式で表示することができるウィジェットです。
・ジオメトリ エンジンの正式リリース:ジオメトリ エンジン(esri/geometry/geometryEngine | esri/geometry/geometryEngineAsync)は従来ジオメトリ サービスを使いサーバー側が行っていた幾何学演算をクライアント側で行えるようにした機能です。バッファーやオーバーレイ、ユニオンなど 30 以上のメソッドを用意しています。
その他の更新情報や新機能については、ArcGIS for Developers の ArcGIS API for JavaScript 新機能(英語ページ)をご参照ください。
■関連リンク
・ESRIジャパン Web サイト:ArcGIS API for JavaScript
・Esri 社(米国)Web サイト:ArcGIS API for JavaScript