ArcGIS Runtime SDK は、iOS や Android、.NET 等に対応したネイティブ地図アプリ開発キットです。以前、本ブログ記事「次世代 ArcGIS ネイティブ アプリ開発キット:ArcGIS Runtime SDK Quartz の Beta 版がリリースされました」でもご紹介した ArcGIS Runtime SDK の次期メジャー バージョンである ArcGIS Runtime SDK Quartz の正式リリースに向けて、最新のベータ版が米国でリリースされました。
最新のベータ版には、3D 対応やオフライン機能の強化、開発環境の拡充等、大きなトピックが含まれています。以下に代表的なトピックをご紹介します。
3D 表示に対応
地形や建物データ等の 3D 表示に対応しました。データを 3D 表示することで、これまでとは異なる視点でデータを可視化することができます。
オフライン機能の強化
ArcGIS Pro で作成できるモバイル マップ パッケージを使用して、より簡単に地図表示やデータ編集、ルート検索等のオフライン機能を実装することができるようになりました。
画像ファイルの直接読込み
ローカル環境にある GeoTIFF や JPEG2000 等のさまざまな画像ファイル、KML/KMZ ファイルを直接参照してマップ上に表示できるようになりました。
ベクター タイルの表示
ベクター タイルは背景地図等に使用されるタイルで配信されていたレイヤーをベクター形式で提供する機能で、動的なスタイル変更が可能となります。
Quartz では、ArcGIS Online で配信されているベクター タイル レイヤーの表示機能が追加されました。ベクター タイルは、事前にパッケージ ファイルを作成してデバイスにコピーしておくことで、オフライン環境でも利用可能です。
ユニバーサル Windows プラットフォーム アプリ開発
ArcGIS Runtime SDK for .NET にユニバーサル Windows プラットフォーム(UWP)アプリ開発用の API が追加されました。UWP 用の API で開発した地図アプリは全ての Windows 10 デバイスで実行することができます。
Xamarin SDK の登場
開発プラットフォームに Xamarin が加わりました。ArcGIS Runtime SDK for Xamarin を使えば、C# のひとつのコードで iOS/Android に対応した地図アプリを開発できるようになります。
※ArcGIS Runtime SDK for Xamarin は国内サポート検討中の製品です。
ご紹介した機能をはじめ、今回のバージョンアップでは多くの機能追加/機能拡張が行われています。ベータ版では各 SDK で対応する機能に違いがありますが、正式リリース時は全ての SDK で同じ機能が実装される予定です。
ベータ版の SDK は、ベータ プログラムに参加することでお試しいただけます。ベータ プログラムへの登録や新機能の詳細は関連リンクに記載してある各 SDK の Web ページをご覧ください。
今後も ArcGIS Runtime SDK Quartz の新機能情報を随時発信していきますので、ArcGIS Runtime SDK Quartz の動向にぜひご注目ください。
■関連リンク
Esri 社 Web サイト:
・ArcGIS Runtime SDK for Android(Quart Beta)
・ArcGIS Runtime SDK for iOS(Quartz Beta)
・ArcGIS Runtime SDK for .NET(Quartz Beta)
・ArcGIS Runtime SDK for Xamarin(Quartz Beta)