ArcGIS Runtime SDK バージョン 100.0 を 1 月 25 日に国内リリースしました。これまで、Quartz と呼ばれるプロジェクト名で開発が進められていた次世代の ArcGIS Runtime SDK ですが、アーキテクチャが一新され、バージョンは 100.0 としてリリースされました。
※Runtime Core が共通化されたことで、各 SDK 間での API が統一されています。
ArcGIS Runtime SDK は開発プラットフォームごとに SDK が提供されていますが、以下のすべての SDK がバージョン100.0 にアップデートしています。
- ArcGIS Runtime SDK for Android
- ArcGIS Runtime SDK for iOS
- ArcGIS Runtime SDK for .NET ※1
- ArcGIS Runtime SDK for Java ※2
- ArcGIS Runtime SDK for macOS ※2
- ArcGIS Runtime SDK for Qt ※2
※1 ベータ時点では、Xamarin 開発用の SDK として、ArcGIS Runtime SDK for Xamarin が公開されていましたが、正式リリースでは ArcGIS Runtime SDK for .NET に API として追加されています。Xamarin API は国内サポート対応検討中です。
※2 国内ではサポート対象外の製品です。
バージョン 100.0 では、ArcGIS Runtime SDK と ArcGIS プラットフォームとの連携を強化し更なるバージョンアップを行っていくために、SDK で提供される API が再設計されています。新しいアーキテクチャにより、主要機能の追加やパフォーマンスの最適化、各 SDK 間での API と機能の統一が実現されています。
新機能
以下に、バージョン 100.0 の主な新機能についてご紹介します。
■3D 対応
3D 表示に対応しました。バージョン 100.0 では、ArcGIS Online の標高サービスを使用した地形の起伏の表示やシーン レイヤーを使用した 3D での建物表示や街並みの表現、3D シンボルの表示などの機能が追加されています。
※3D 機能は、デスクトップ端末での利用は正式サポートされていますが、モバイル端末(iOS/Windows 10 Mobile)での利用はベータ機能として提供されています。Android での利用に関してはベータ機能としても未対応です。
今後のアップデートで正式サポートされる予定です。
■オフライン機能の強化
これまで背景地図の表示、フィーチャの編集、住所検索、ルート検索などの機能がオフライン環境で利用可能でしたが、バージョン 100.0 では、ラスター データやベクター タイル、3D データなどもオフライン環境で使用することができるようになりました。また、ArcGIS Pro で作成したモバイル マップ パッケージを使用して、背景地図や主題図、道路や住所データなど等を一括で作成・管理してアプリケーションで利用することができます。
■ベクター タイル レイヤー
ベクター タイルを表示するためのレイヤー クラスが追加されました。ベクター タイルは背景地図などに使用されるタイルをベクター形式で提供します。オフライン環境での利用にも対応しています。
■ラスター データの直接参照
GeoTIFF、DTED(Digital Terrain Elevation Data)、RPF(Raster Product Format)、NITF(National Imagery Transmission Format)、HRE(High Resolution Elevation)などの多くのラスター データをオフライン環境で表示、解析に使用することができます。
※ラスター データの直接参照機能は、デスクトップ端末での利用は正式サポートされていますが、モバイル端末(Android/iOS/Windows 10 Mobile)での利用はベータ機能として提供されています。
今後のアップデートで正式サポートされる予定です。
仕様変更
バージョン 100.0 では API の再設計に伴い、大幅な仕様変更があります。バージョン 10.2.x で開発したアプリケーションを 100.0 に移行するにはコードの修正が必要です。10.2.x からの変更点については、各 SDK の移行ガイドをご参照ください。
- ArcGIS Runtime SDK for Android 移行ガイド
- ArcGIS Runtime SDK for iOS 移行ガイド
- ArcGIS Runtime SDK for .NET 移行ガイド
ライセンスの変更情報
バージョン 100.0 では、配布ライセンスの形態が変更されています。
ライセンスの詳細については、 各 SDK の製品ページをご参照ください。
■関連リンク
ArcGIS Runtime SDK for Android:
・ESRIジャパン Web サイト:ArcGIS Runtime SDK for Android
・Esri 社(米国)Web サイト:ArcGIS Runtime SDK for Android
ArcGIS Runtime SDK for iOS:
・ESRIジャパン Web サイト:ArcGIS Runtime SDK for iOS
・Esri 社(米国)Web サイト:ArcGIS Runtime SDK for iOS
ArcGIS Runtime SDK for .NET:
・ESRIジャパン Web サイト:ArcGIS Runtime SDK for .NET
・Esri 社(米国)Web サイト:ArcGIS Runtime SDK for .NET
Esri Japan GitHub:
・ArcGIS for Developers 開発リソース集