ArcGIS Pro の画像処理機能紹介 その 1 ~ジオリファレンス~

ArcGIS Pro 1.4 では、リボンに「画像」タブという新しいタブが登場しました。これにより、今まで散らばっていた画像系の機能が一つにまとめられています。

画像タブ

今回はこの画像タブにある 画像処理機能を全 5 回にわたって紹介したいと思います。

第 1 回目は「ジオリファレンス」についてご紹介します。

ジオリファレンスとは?

位置情報(空間参照情報)を持っていないデータをマップに追加すると、位置情報を持っていないために正しい場所にデータが重なりません。ジオリファレンスとは、その位置情報を持っていない画像データを正しい場所に位置あわせをする幾何補正処理のことです。変換モデルを用いて、画像座標から地図座標へ変換します。

※この機能は、ArcGIS Desktop Basic ライセンスで利用できます。

ジオリファレンス

ジオリファレンスの流れ

まず、ジオリファレンスを行うためには、空間参照情報を持っていない処理対象データの他に既に正しい位置情報を持っている参照データが必要です。

位置情報を持つ参照データ
位置情報をもつ参照データ(例:都道府県ポリゴン)

位置あわせをしたい対象データをマップに追加します。下図は関東付近のラスター データ(衛星画像)ですが、位置情報を持っていないため、海の真ん中に表示されています。

位置情報を持っていない対象データ
位置情報を持っていない対象データ

[コンテンツ] ウィンドウで位置情報を持っていないレイヤーを選択し、[画像] タブ→ [調整] グループ → [ジオリファレンス] をクリックします。

ジオリファレンス

リボン上では [ジオリファレンス] タブが表示されます。作業の流れとしては、前処理、位置合わせ作業、確認作業、成果物の保存など、リボンの左から右へ操作を進めていくと、成果物を作成することができます。

ジオリファレンスの処理の流れ

①準備:位置情報を持っていないデータが遠すぎると、位置あわせの作業が困難です。そのため、対象データをある程度参照データ付近に移動し、位置あわせを行いやすくします。

準備

②位置合わせ:参照データと対象データのコントロール ポイント(対応点)を取り、位置あわせを行います。対象データを参照データに上手く重ね合わせるには、対象データのコントロール ポイントをなるべく広範囲にバランスよく取得することをお勧めします。

位置合わせ

変換モデルの種類
位置あわせを行う際には変換モデルを使用します。変換モデルとは、コントロール ポイントを基点に画像を補正する手法です。[変換] ドロップ ダウン リストから変換モデルの種類を選択できます。デフォルトは 1 次多項式(アフィン)変換です。

変換モデル

変換モデルの種類は下図の通りです。

変換モデルの種類

③レビュー:取得したコントロール ポイントの座標や精度の情報をテーブルで確認できます。

レビュー

④変更の保存:保存方法は「更新」と「新規保存」があります。更新とは変換情報をファイルに書き込んでリアルタイムに使用しますが、新規保存では変換情報に基づきピクセルを並べ替えるリサンプリングにより新しい画像ファイルを作成します。

いかがでしたか?外部からデータを受け取った場合や、手持ちの画像をマップ上に表示させたいとき、データに位置情報を持っていないことがあります。そんなときにジオリファレンスはとても便利です。

また、今回の主旨とはそれますが、ArcGIS Pro ではラスターデータだけでなく、CAD のジオリファレンスも可能です。ご興味のある方はご利用ください。

今回は画像処理機能のジオリファレンスについてご紹介しました。次回は、処理と指数についてご紹介します。

■関連リンク
幾何補正(GIS 基礎解説)