LIDAR データを活用しよう!:点群データからの 3D 建物データの作成

はじめに

点群データを見て誰しも思うのは、「点群データから自動的に 3D GIS データを作れないだろうか?」ということかも知れません。全自動というわけにはいかないですが、実は建物に関してはそういうツールが存在します。点群データ活用ブログの第 4 弾は、3D 建物データを作成します!

LAS 建物マルチパッチ ツールとは

LAS 建物マルチパッチ ツールは、既存の 2D ポリゴンデータを LAS 形式の点群データから生成した表層サーフェスと地表面サーフェスの間で立ち上げ、3D モデル形式のフィーチャクラスであるマルチパッチ フィーチャを作成する ArcGIS 3D Analyst のツールです。入力データとして必要なのは、LAS フォーマットの点群データと地表面サーフェス データ、建物の 2D ポリゴン データだけです。

ただし、LAS データは予め分類をして建物を区分しておく必要があります。地表面サーフェスも LAS を分類すれば簡単に作成できますので、実質 LAS データと 2D ポリゴン データがあれば作成できます。

準備

上記の通り、ツールに入力するデータの準備に関して最も重要なのは、分類を行っておくことです。LAS データの分類と地表面ラスター (DTM) の作成に関しては当ブログで過去に紹介していますのでそちらをご覧ください。

LIDAR データを活用しよう!:LAS データの分類とフィルタリング

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LIDAR データを活用しよう!:分類した点群による地表面ラスターデータの作成

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今回はその続きということで、分類を行ったあとの LAS データセットと地表面ラスターデータ (DTM) を使用します。

また、2D ポリゴンデータは、LAS を RGB 値でラスター化して作成した画像を基に手動編集で作成したものを使用することにします。なお、点群データは上記ブログ記事と同様、静岡県ポイント クラウド データベースからダウンロードしたものを使用しています。

作業手順

  1. 分類済みの LAS データセットをマップまたはシーンに追加します。このデータでは地面 (茶色) と建物 (ピンク) と電線 (黄色) に分類してあります (灰色は未分類) 。

    LAS
    分類後の点群データ

  2. 2D 建物ポリゴン データを作図するため、点群に含まれる RGB 情報からラスターデータを作成します。[LAS データセット レイヤー] コンテキスト タブセットの [データ] タブから、[エクスポート] → [ラスター] を選択し、以下のように設定して実行します。出力されるラスターデータは、すべての地物が真上から見下ろした状態に投影された「オルソ画像」ですので、この上で GIS データを作図すれば、非常に正確なものになります。

    02
    RGB 情報をラスター化

  3. 出力された RGB 画像をマップに追加し、建物を 2D ポリゴン データとして作図します (画像処理技術により DSM や RGB 画像からポリゴンを自動抽出する方法もありますが、説明が長くなるのでここでは手動で作図します) 。

    03
    2D 建物ポリゴンを作図

  4. 前回のブログで作成した地表面のラスター データをマップに追加します。
  5. ジオプロセシング → [3D Analyst ツール] → [3D フィーチャ] → [LAS 建物マルチパッチ] を起動します。
  6. [入力 LAS データセット]、[入力フィーチャ]、[地表の高さ]、[単純化許容値]:1 メートル を設定して実行します。

    マルチパッチ
    点群から建物を 3D で抽出するツール

  7. 出力されたマルチパッチ フィーチャを表示します。

結果

処理結果はこのようになりました。元は一つの点群データでしたが、データに含まれる様々な情報や点群データの特性を利用して、地面も建物も作成することができました!

05
出力結果をアニメーションで表現

いかがでしたか?今回は ArcGIS 3D Analyst の機能を使って 3D 建物データを抽出する手順を見ていただきました。航空レーザーや写真測量で生成された点群データをお持ちの方は是非トライしてみてください。「3D Analyst をもっていないけど試してみたい!」という方は是非 ArcGIS トライアル版を利用してみてください。

■関連リンク

ArcGIS 3D Analyst

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