2018 年 6 月 27 日に、クラウド GIS である ArcGIS Online の最新バージョンをリリースいたしました。主な機能追加・機能改善の内容をご紹介します。
スマート マッピング
マップを作成するマップ ビューアーでは、データを属性に応じて色やアイコンなどで美しく表現できるスマート マッピング機能を提供しています。今回のアップデートで新しく 2 種類の属性値の関連性を表現できるスタイルが追加されました。2 つの属性が関連する / 関連しない場所が 2 色のカラーランプの組み合わせで表示されます。
たとえば下記のマップでは、ガスと電気の消費量の関連性を表しています。他の地域と比べて、ガスと電気の両方の消費が多い地域は濃い茶色、少ない地域はクリーム色、電気の消費が多くガスの消費が少ない地域は青色、ガスの消費が多く電気が少ない地域はオレンジ色で色分けされています。
マップ ビューアー
ホスト フィーチャ レイヤーの表示パフォーマンスが向上し、多数のフィーチャを一度に表示できるようになり、検索やスタイル変更も素早くできるようになりました。次の動画では、7 万ポリゴン フィーチャのスタイル変更が即座に適用されている様子をご紹介しています。
シーン ビューアー
3D 表示ができるシーン ビューアーでは、追加できるポイント フィーチャ数に制限がなくなり、数十万ポイントのレイヤーを高パフォーマンスで表示できるようになりました。
ローカル シーンに加え、グローバル シーンでも地下のフィーチャを表示できるようになりました。背景地図の [地表の透過表示] スライダーが追加され、背景地図を透過して地下にあるフィーチャを表示できるようになりました。また、[ベースマップなし] に設定した時の地面の色を指定できるようになりました。
建物のアウトラインを見やすくするエッジの表現では、手描き調のスケッチ スタイルが追加されました。
データ管理
データ入力時に、ドロップダウン リストから値を選んで入力できるコード値ドメインの作成ができるようになりました。指定した範囲内の数値しか入力できないように設定できる範囲ドメインの作成も可能です。従来、ドメインを作成するには ArcGIS Desktop が必要でしたが、 ArcGIS Online 組織サイト上で簡単に作成できるようになり、Collector for ArcGIS や Web AppBuilder for ArcGIS などで使用する編集用データの作成が格段に簡単になりました。
設定は、フィーチャ レイヤーのアイテム詳細ページの [データ] タブの [フィールド] で行います。
解析
・[最寄りの検索] ツールで、入力できるデータ数が 1,000 件から 5,000 件に増えました。
・[フィーチャの結合] ツールで 1 対 1 の属性結合を使用する際、結果をビュー レイヤーとして保存できるようになりました。
管理
組織ページが再設計され、組織の管理と情報の検索がしやすくなりました。新しい [概要] タブでは、サブスクリプションの詳細、クレジット ステータス、今後のシステムの保守に関するメッセージなど、組織に関する重要な情報がハイライト表示されます。ロールおよびレベルでメンバーをフィルタリングできるようになり、一度に複数メンバーのメンバーシップを無効化および有効化できるようになりました。
テンプレート アプリ
・メディア マップでは凡例をカード スタイルで表示できるようになりました。
・画像の解釈に役立つ 2 つの新しいアプリ、Imagery Viewer と Image Mask が追加されました。
Web AppBuilder for ArcGIS
タイムスライダー ウィジェットに、詳細な時間設定を行うオプションが追加されました。データをアニメーションで表示する期間や間隔を相対的な日付で設定することができ、気象などのライブ データを可視化する際に活用できます。また、フィルター ウィジェットに新しく [次のいずれかである] および [次のいずれでもない] が追加され、ひとつの条件式で複数の値を使用した絞り込みが可能になったほか、編集ウィジェットでは多対多の関連レコードの編集をサポートするなど、既存ウィジェットへの機能拡張が行われました。
注)バージョンアップされた内容を確実にご利用いただくために、お使いの Web ブラウザーのキャッシュ(インターネット一時ファイル)を削除してください。主な Web ブラウザーのキャッシュ削除方法については、以下のリンク先をご参照ください。
新機能の詳細につきましては、ArcGIS Online ヘルプをご参照ください。
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・ArcGIS Online 製品ページ
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